皆さま、こんにちは。竹内内科小児科医院 院長の五藤良将です。
このたび、中高生から大人まで幅広い世代に読まれているファッション誌『メンズノンノ(MEN’S NON-NO)』のWEB版に、私が携わった記事が公開されました。……と申しましても、残念ながらモデルとしてのオファーではございません(笑)。「スマートリング」特集の医療監修としてご協力させていただいたものです。
モデルは叶いませんでしたが、医師としてスマートデバイス・ウェアラブル機器の健康活用に関わることができるのは、私にとってとても嬉しいことです。私自身、糖尿病・代謝内科を専門とし、FreeStyleリブレ(持続グルコースモニタリング)のような「からだを見える化する」機器が大好きです。今回は掲載のご報告をかねて、ウェアラブルで“未病”を測る時代の楽しみ方と注意点、そして予防医療の大切さについて、田園調布の皆さまにお伝えいたします。
目次
『メンズノンノ』掲載のご報告
今回監修させていただいたのは、『メンズノンノ』WEBの「スマートリングのおすすめ特集【2026年最新版】」です。編集部が人気ブランドのスマートリングを実際に1週間試着し、比較したという企画で、Oura Ring・SOXAI・RingConn・シャープ「からだメイト」といった注目製品が取り上げられています。私は、各機器が測定する健康指標の意味づけや、読者の皆さまが誤解しやすいポイントについて、医学的な観点から監修を担当いたしました。
スマートリングは指輪型のウェアラブルデバイスで、腕時計型(スマートウォッチ)よりも小さく軽く、就寝中もつけたまま過ごしやすいのが特徴です。多くの製品で、睡眠(睡眠時間・眠りの深さ)、心拍数、血中酸素レベル(SpO₂:動脈血酸素飽和度の目安)、皮膚温、活動量、ストレスの傾向などを記録できます。
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ポイント|医師が監修に関わる意義 ① 数字の“意味”を伝える:測定値そのものより、生活のなかでどう読み解くかが大切です。 ② 過信も軽視もしない:あくまで健康づくりの“きっかけ”として、正しく付き合っていただくための橋渡し役です。 |
スマートリングで“何が”わかるの?
スマートリングやスマートウォッチの多くは、指や手首の皮膚に光を当てて血管の拍動を読み取る「光electric容積脈波(PPG)」という仕組みで、心拍や血中酸素の“目安”を推定しています。代表的に記録できる項目を整理いたします。
| 測定項目 | わかること(目安) | 健康づくりへの活かし方 |
|---|---|---|
| 睡眠 | 睡眠時間・浅い/深い眠りの割合の傾向 | 就寝・起床リズムを整えるきっかけに |
| 心拍数・安静時心拍 | 日中・睡眠中の脈の傾向 | 運動負荷や体調変化の気づきに |
| 血中酸素(SpO₂目安) | 睡眠中の酸素レベルの傾向 | いびき・睡眠時無呼吸を疑うヒントに |
| 活動量・歩数 | 消費エネルギー・運動量の目安 | 運動習慣づくりのモチベーションに |
| 皮膚温・ストレス傾向 | 体調・自律神経のゆらぎの傾向 | 休息をとる目安・体調管理に |
こうした「からだの見える化」は、これまで意識しにくかった生活習慣を数字で振り返るきっかけになります。睡眠中の血中酸素の傾向から睡眠時無呼吸症候群(SAS)に気づく方もいらっしゃり、生活習慣病予防の入口として、私はとても有用だと考えております。
【重要】スマートリングは「医療機器」ではありません
ここが監修でもっともお伝えしたかった点です。市販のスマートリングやスマートウォッチの多くは、「一般消費者向けの健康管理機器」であり、病気を診断するための「医療機器」ではありません。測定値はあくまで参考値・傾向値であり、医療機関で使う機器と同じ精度が保証されているわけではないのです。
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つけていただきたい“心の但し書き” ・数値が良くても、症状があるときは受診をためらわないでください。 ・数値が悪くても、機器の誤差や装着状態の影響もあります。慌てず、続けて記録を。 ・「診断」ではなく「気づき」の道具として活用いただくのが安全です。 |
メカニズム図解|「気づき」から「受診」までの流れ
| 記録する:スマートリングで睡眠・心拍・活動量を毎日ゆるやかに記録します。 | |
| 気づく:「安静時の脈が高め」「睡眠中の酸素が下がりがち」などの傾向に気づきます。 | |
| 相談する:気になる傾向や症状があれば、記録を持ってかかりつけ医へご相談ください。 | |
| 医療で確かめる:必要に応じて医療機器での精密検査へ。ここで初めて“診断”につながります。 |
血糖も“見える化”する時代——リブレ(CGM)と医療
私が個人的に大好きなのが、血糖を見える化する持続グルコースモニタリング(CGM)です。なかでもFreeStyleリブレ2(アボットジャパン)は、2024年3月28日に日本で新発売され、上腕にセンサーを装着するだけで、指先穿刺なしにグルコース値の傾向を確認できます。
ここが医療機器としてのCGMと、スマートリングの大きな違いです。CGMは糖尿病診療のための医療機器であり、医療機関を通じて使用します。従来はインスリン治療中の方が主な対象でしたが、2024年からは「選定療養」という枠組みにより、インスリンを使用していない生活習慣病の方でも、条件のもとでリブレを活用しやすくなりました。「食後にどれくらい血糖が上がるのか」「どの食事・運動が自分に合うのか」を数字で確認できるため、生活習慣の改善に非常に役立ちます。
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スマートリングとCGM(リブレ)の使い分け □ スマートリング=睡眠・活動・脈を“ゆるく”見守る日常の相棒(参考値) □ CGM(リブレ)=血糖を“医療の精度で”見える化する医療機器 □ 両者は競合ではなく、予防と治療をつなぐパートナーとして役割が異なります |
CGM・リブレを用いた血糖管理や糖尿病の詳しいご相談は、竹内内科小児科医院(糖尿病内科・代謝内科)で承っております。より専門的な導入相談については、五良会グループの姉妹院五良会クリニック白金高輪とも連携してご対応いたします。
やっぱり予防が主役——食事・運動・薬、そして「意識」
スマートデバイスの魅力は、機器そのものよりも、「自分のからだを気にかけるきっかけ」をくれることにあると私は思っています。どんなに精密な数字が出ても、健康づくりの土台はいつも変わりません。
それは、食事と運動が基本であり、必要に応じてお薬も大切だということ。そして何より、「予防が大切」という心がけ・意識です。血圧や血糖、体重、睡眠——ふだんは見えないものを数字にすると、「今日は少し歩こう」「間食を控えよう」という小さな行動が自然と生まれます。この小さな積み重ねが“未病”のうちに生活習慣病を遠ざける、いちばんの近道です。
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こんな傾向が続くときは早めにご相談を ・睡眠中の血中酸素が下がりがち/大きないびきを指摘される(睡眠時無呼吸の可能性) ・安静時の脈が普段よりずっと速い・遅い、動悸やめまいを伴う ・健診で血糖・血圧・コレステロールの数値を指摘されている |
ウェアラブルを健康管理に活かす5つのコツ
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上手な付き合い方チェックリスト □ 絶対値より“変化”を見る(昨日・先週の自分と比べる) □ 1日の数字に一喜一憂しない(1〜2週間の傾向で判断) □ 「参考値」と割り切る(診断は医療機関で) □ 症状があれば数値に関わらず受診する □ 記録を受診時に持参すると、診療の手がかりになります |
田園調布・大田区の皆さまへ。竹内内科小児科医院では、内科・小児科・糖尿病内科を院長が併診し、ご家族そろっての健康相談を承っております。土曜午前も診療しておりますので、平日はお忙しい方もどうぞお気軽にご相談ください。訪問診療にも対応しております。
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五良会グループでは、田園調布の竹内内科小児科医院と港区の五良会クリニック白金高輪が連携し、血糖・生活習慣病のマネジメントを多角的にサポートしております。患者さまの転居やライフスタイルの変化に合わせて、同じグループ内で継続診療が受けられる体制を整えております。
参考文献
- MEN’S NON-NO WEB「『スマートリング』のおすすめ4選!Oura Ring、SOXAI…見た目もおしゃれな人気ブランドを編集部が1週間お試し&徹底比較!【2026年最新版】」(監修:五藤良将)https://www.mensnonno.jp/beauty/784297/(2026年8月閲覧)
- アボットジャパン合同会社「一分毎にグルコース値をリアルタイムに測定できる持続グルコース測定器『FreeStyleリブレ2』を新発売」プレスリリース(2024年3月28日)
- 厚生労働省「選定療養(持続血糖測定器に関する取扱い)」2024年
- 日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」
竹内内科小児科医院 院長 五藤 良将
日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医・日本旅行医学会認定医