皆さま、こんにちは。竹内内科小児科医院 院長の五藤良将です。
「健康診断でHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)が6.0%と言われたけれど、何をすればいいの?」「血糖値が要再検査になったが、症状がないから受診を先延ばしにしている」——この時期、大田区の特定健診の結果を手に、こうしたご相談で来院される方が増えます。
糖尿病は私の専門分野です。当院では、日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」に基づき、食事療法・運動療法から最新の薬物療法まで、お一人おひとりの生活に合わせた診療を行っております。今回は「健診で血糖の異常を指摘されたら、いつ・何をすべきか」を、最新の知見とともにわかりやすくお伝えいたします。
目次
1. HbA1c・血糖値の見方——あなたの数値はどの段階?
HbA1cは、過去1〜2ヶ月の血糖の平均を反映する指標です。健診結果と照らし合わせてみてください。
| HbA1c(%) | 空腹時血糖(mg/dL) | 評価 | おすすめの行動 |
|---|---|---|---|
| 〜5.5 | 〜99 | 正常域 | 年1回の健診を継続 |
| 5.6〜6.4 | 100〜125 | 境界型(糖尿病予備群) | 生活習慣の見直し+医療機関で精査(75g糖負荷試験など) |
| 6.5〜 | 126〜 | 糖尿病型 | できるだけ早く受診を。確定診断と治療方針の決定が必要です |
「境界型だから、まだ糖尿病ではない」と安心するのは早計です。境界型の段階から動脈硬化はすでに進み始めていることが知られています。
2. 「予備群のうち」が勝負どころ——放置してはいけない理由
メカニズム図解|高血糖が合併症へ進むしくみ
| 血糖が高い状態が続く:余分なブドウ糖が血管の内側のタンパク質と結びつき(糖化)、血管の壁を傷つけます | |
| 細い血管から傷んでいく:まず目(網膜症)・腎臓(腎症)・神経(神経障害)の細小血管に障害が現れます。この段階でも自覚症状はほとんどありません | |
| 太い血管にも及ぶ:心筋梗塞・脳梗塞・足の動脈硬化(末梢動脈疾患)など、命に関わる大血管障害のリスクが高まります |
逆にいえば、早い段階で血糖を整えれば、合併症はきわめて高い確率で防げます。「症状がないうち」こそが、最も治療効果の高いタイミングなのです。
3. 治療目標はHbA1c 7.0%未満——ガイドライン2024のポイント
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ポイント|糖尿病診療ガイドライン2024の血糖管理目標 ① 合併症予防の目標:HbA1c 7.0%未満 ② より厳格な目標:食事・運動療法のみ、または低血糖のリスクが低い場合は6.0%未満 ③ 緩やかな目標:低血糖リスクが高い方・ご高齢の方は8.0%未満など個別に設定 ④ 大切なのは「個別化」:年齢・罹病期間・生活背景に合わせて、目標も治療も一人ひとり変わります |
近年は治療の選択肢も大きく広がりました。血糖を下げるだけでなく体重減少や心臓・腎臓の保護効果をあわせ持つ薬(GLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬〔チルゼパチド:マンジャロ〕、SGLT2阻害薬など)が登場し、「太りやすいから治療が続かない」という従来の悩みに応えられる時代になっています。どの薬が適するかは、体格・腎機能・合併症・ライフスタイルによって異なりますので、専門の外来でご相談ください。
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ご注意|「痩せ薬」としての自由診療GLP-1にはリスクがあります 糖尿病でない方への安易なGLP-1受容体作動薬の使用は、学会も注意喚起を行っております。当院では医学的な適応を丁寧に判断したうえで処方いたします。 |
4. 当院の糖尿病診療——食事・運動・最新の薬物療法まで
当院の糖尿病診療の特長をご紹介いたします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 専門性 | 院長・五藤良将(日本糖尿病協会登録医・日本抗加齢医学会専門医)が一貫して担当。テレビ等メディアでの健康情報発信や、食事に関する著書『あぶら落とすスープ』の出版など、生活に根ざした指導を得意としています |
| 検査 | HbA1c迅速測定、血糖、尿検査、頸動脈エコー・心電図などの合併症評価 |
| 栄養指導 | 管理栄養士による栄養指導外来を併設。「何をどれだけ食べていいか」を具体的にお伝えします |
| 治療 | 経口薬からGLP-1/GIP/GLP-1受容体作動薬・インスリンまで対応。オンライン診療の併用で通院負担も軽減できます |
| 連携 | 眼科(網膜症チェック)や、教育入院・専門治療が必要な場合の連携病院への紹介体制。五良会グループ(白金高輪・センター南)とも情報連携 |
5. 院長外来のご案内と受診の流れ
糖尿病・生活習慣病の外来は、院長・五藤良将が担当しております。
| 担当 | 診療枠 |
|---|---|
| 院長 五藤良将(糖尿病・生活習慣病・一般内科・小児科) | 午前:月・火・木・金・土曜/午後:火・木曜 |
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ご受診の際は「外来担当医カレンダー」をご確認ください 学会等により担当が変わる日もございます。ご来院前に当院ホームページの「担当医スケジュール」(外来担当医カレンダー)で当日の担当医をご確認のうえ、WEB予約をお取りいただくとスムーズです。土曜午前も診療しておりますので、お勤めの方もご相談ください。 |
初回は、健診結果をお持ちいただければ、その場でHbA1cの再確認と今後の方針のご説明が可能です。「まだ糖尿病と決まったわけではないから」とためらう必要はありません。予備群の段階からの相談こそ歓迎いたします。
6. 受診前チェックリスト
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受診前チェックリスト □ 健康診断・人間ドックの結果表(直近のもの、あれば過去数年分) □ お薬手帳(服用中のお薬・サプリメント) □ ご家族の糖尿病歴(分かる範囲で) □ ふだんの食事時間・内容、運動習慣のメモ □ 気になる症状(のどの渇き・多尿・体重変化・足のしびれなど) |
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五良会グループでは、田園調布から白金高輪、横浜センター南まで医師が連携しております。患者さまの転居やライフスタイルの変化に合わせて、同じグループ内で継続診療が受けられる体制を整えております。
参考文献
- 日本糖尿病学会編・著「糖尿病診療ガイドライン2024」南江堂, 2024.
- 日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2024-2025」文光堂, 2024.
- 日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会「糖尿病標準診療マニュアル2026(一般診療所・クリニック向け)」2026.
- 日本糖尿病学会「GLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬の適応外使用に関する見解」
竹内内科小児科医院 院長 五藤 良将
日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医・日本旅行医学会認定医