皆さま、こんにちは。竹内内科小児科医院 院長の五藤良将です。
「食後に胸やけがする」「横になると酸っぱいもの(呑酸:どんさん)が上がってくる」「朝起きると喉がイガイガする、声がかすれる」——こうした症状のご相談が、当院でも年々増えております。その多くは、胃酸が食道へ逆流して粘膜を傷つける胃食道逆流症(GERD)・逆流性食道炎によるものです。日本人の有病率は食生活の欧米化やピロリ菌感染率の低下を背景に増加しており、成人の10人に1人以上ともいわれています。
当院では、火曜午前・水曜終日に消化器内科・肝臓内科・内視鏡を専門とする玉井博修(たまい ひろなお)医師が外来を担当しております(慶應義塾大学病院と連携)。今回は、つらい胸やけの正体と受診の目安をお伝えいたします。
目次
1. こんな症状は逆流性食道炎かもしれません
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逆流性食道炎のサイン □ 胸やけ(みぞおちから胸にかけて焼けるような感じ)が週2回以上ある □ 酸っぱい・苦い液体が口まで上がってくる(呑酸) □ 食後や前かがみ・横になったときに症状が悪化する □ のどの違和感・つかえ感、慢性的な咳、声がれ □ げっぷが増えた、胃もたれが続く □ 夜間に胸やけで目が覚める、睡眠の質が落ちた |
逆流性食道炎は命に直結する病気ではありませんが、生活の質(QOL)を大きく下げること、そして長期間放置すると食道粘膜の変化(バレット食道)を経て食道腺がんのリスクがわずかに上がることが知られています。「体質だから」と諦めず、きちんと診断と治療を受けることをおすすめいたします。
2. なぜ胃酸が逆流するのか——メカニズムと生活要因
メカニズム図解|胃酸が食道へ逆流するしくみ
| 「フタ」がゆるむ:食道と胃の境目にある下部食道括約筋(LES)は、通常は胃酸の逆流を防ぐフタの役割をしています。加齢・肥満・食べすぎなどでこのフタがゆるみます | |
| 腹圧・胃酸が増える:肥満・前かがみ姿勢・ベルトの締めつけで腹圧が上がり、脂っこい食事・アルコール・遅い夕食で胃酸分泌が増えます | |
| 食道粘膜が荒れる:胃酸に対する防御機能を持たない食道の粘膜が繰り返し酸にさらされ、炎症(びらん)を起こします。これが胸やけ・呑酸の正体です |
3. 市販薬で済ませてはいけないケース——内視鏡をおすすめする理由
最近は市販の胃酸を抑える薬も手に入りますが、次のような場合は自己判断を続けず、内視鏡検査(胃カメラ)による評価をおすすめいたします。
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重要|内視鏡による精査をおすすめするサイン ・食べ物がつかえる感じがある、飲み込みにくい(嚥下障害) ・体重が減ってきた、貧血を指摘された、黒い便が出る ・市販薬・処方薬を2〜4週間使っても症状が改善しない ・50歳以上で初めて症状が出た、胃がん・食道がんの家族歴がある ・長年症状を放置している(バレット食道の評価が必要なことがあります) |
同じ「胸やけ」でも、内視鏡でみると逆流性食道炎のほか、食道裂孔ヘルニア、好酸球性食道炎、まれに食道がん・胃がんが見つかることもあります。一度きちんと「中を見て」おくことが、安心して治療を続けるための近道です。
4. 治療の流れ——生活改善とお薬(PPI/P-CAB)
| 治療の柱 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 生活習慣の改善 | 夕食は就寝の2〜3時間前までに/食べすぎ・脂肪・アルコール・喫煙を控える/減量/就寝時は頭側を少し高く |
| 薬物療法 | 胃酸分泌を抑えるPPI(プロトンポンプ阻害薬)やP-CAB(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー:ボノプラザン)が第一選択。症状と内視鏡所見に応じて用量・期間を調整します |
| 維持療法・経過観察 | 再発しやすい病気のため、症状に応じたオンデマンド療法や定期的なフォローを行います |
治療方針は「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021(改訂第3版)」に沿って、玉井医師が内視鏡所見とあわせて個別にご提案いたします。
5. 当院の消化器内科外来——火曜午前・水曜終日 玉井博修医師
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 担当医 | 玉井 博修 医師(消化器内科・肝臓内科・内視鏡/慶應義塾大学病院と連携) |
| 診療日 | 火曜日 午前 9:00〜12:00 / 水曜日 終日(9:00〜12:00・15:30〜19:00) |
| 対応内容 | 胸やけ・胃もたれ・腹痛の診療、逆流性食道炎の治療、内視鏡検査のご相談・連携病院への手配、肝機能異常・脂肪肝の精査、便潜血陽性の二次検査 |
| ご予約 | WEB予約(当日可)・LINE・お電話(03-3721-5222) |
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ご受診の際は「外来担当医カレンダー」をご確認ください 玉井医師の外来は火曜午前・水曜終日です。ご来院前に当院ホームページの「担当医スケジュール」(外来担当医カレンダー)で日程をご確認のうえご予約ください。水曜は夜19時まで診療しておりますので、お仕事帰りのご相談も可能です。 |
6. 受診前チェックリスト
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受診前チェックリスト □ 症状の起こるタイミング(食後・就寝時など)と頻度のメモ □ 服用中の市販薬・処方薬(お薬手帳) □ 過去の胃カメラの結果・ピロリ菌検査の結果(あれば) □ 健康診断の結果表(バリウム検査・肝機能・便潜血の項目) □ 体重の変化・飲酒・喫煙の状況 |
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五良会グループでは、田園調布から白金高輪まで医師が連携しております。患者さまの転居やライフスタイルの変化に合わせて、同じグループ内で継続診療が受けられる体制を整えております。
参考文献
- 日本消化器病学会編「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021(改訂第3版)」南江堂, 2021.
- 日本消化器内視鏡学会「消化器内視鏡ガイドライン」
- Fujiwara Y, et al. Epidemiology and clinical characteristics of GERD in the Japanese population. J Gastroenterol. 2009;44(6):518-534.
院長 五藤 良将