【2026年夏】糖尿病の方は「夏の足」にご注意を|サンダル・素足・水虫から足を守るフットケア入門【田園調布・多摩川】

皆さま、こんにちは。竹内内科小児科医院 院長の五藤良将です。

お盆も過ぎ、残暑が続く2026年の夏。サンダルや素足で過ごす時間が長いこの季節、外来では「足の裏の皮がむける」「サンダルの靴ずれがなかなか治らない」「気づいたら足に傷ができていた」といったご相談が増えております。

実は、糖尿病をお持ちの方にとって、夏は1年でもっとも足のトラブルが起こりやすい季節です。小さな傷や水虫を「これくらい大丈夫」と放置してしまうと、糖尿病の方では思わぬ重症化につながることがあります。今回は、日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」および日本フットケア・足病医学会「重症化予防のための足病診療ガイドライン(2022年)」をもとに、夏の糖尿病フットケアについて、田園調布・多摩川エリアの皆さまに分かりやすくお伝えいたします。

糖尿病そのものの管理については、以前の記事「健診でHbA1c・血糖値を指摘されたら」もあわせてご覧ください。

なぜ糖尿病の方は「足」に注意が必要なのか

糖尿病の三大合併症のひとつに「糖尿病神経障害」があります。高血糖の状態が続くと、手足の末梢神経が少しずつ障害され、足の感覚が鈍くなることがあります。すると、靴ずれや小さな傷、やけどができても痛みに気づきにくく、発見が遅れてしまいます。

さらに、動脈硬化によって足の血流が悪くなる「末梢動脈疾患(PAD)」を合併すると、傷を治すために必要な酸素や栄養が届きにくくなります。加えて、高血糖では細菌に対する抵抗力も低下するため、小さな傷から感染が広がりやすくなります。こうしてできる足の傷や潰瘍(かいよう)などをまとめて「糖尿病性足病変」と呼びます。

メカニズム図解|小さな傷が重症化するまで

1 神経障害で感覚が鈍る:靴ずれ・やけど・深爪などの痛みに気づきにくい
2 気づかないまま傷が悪化:夏は汗・蒸れ・素足の機会が多く、細菌や水虫(白癬菌)が繁殖しやすい
3 血流障害・感染で治りにくい:末梢動脈疾患(PAD)や高血糖による免疫低下で、傷の治りが遅れる
4 潰瘍・壊疽(えそ)へ進行することも:重症例では入院や手術が必要になる場合があります

「糖尿病診療ガイドライン2024」でも、糖尿病性足病変の予防には日常的な足の観察とフットケア、そして早期受診が重要とされています。逆に言えば、毎日の少しの習慣で防ぎうる合併症でもあるのです。

夏に多い足のトラブル5つ

夏ならではの生活シーンには、足のトラブルの原因が意外と多く潜んでいます。代表的なものを表にまとめました。

トラブル 夏に多い理由 注意ポイント
水虫(足白癬・爪白癬) 高温多湿で白癬菌が繁殖しやすい 皮膚のひび割れが細菌感染の入り口
サンダルの靴ずれ・タコ・ウオノメ 素足で履くため摩擦が直接皮膚に 鼻緒(はなお)部分やかかとの傷は気づきにくい
低温・高温やけど 真夏の砂浜・プールサイド・アスファルトは50℃以上になることも 神経障害があると熱さに気づかず歩き続けてしまう
虫刺され・かき壊し 屋外活動・露出が増える かき壊しからのとびひ・蜂窩織炎(ほうかしきえん)に注意
深爪・巻き爪 素足の機会が増え、爪を短く切りすぎがち 爪の角を落としすぎると皮膚に食い込みやすい

水虫の見分け方や治療については、皮膚科の視点で解説した「その足のかゆみ、水虫かも?足白癬・爪白癬の見分け方と治し方」もご参照ください。糖尿病の方の水虫は、単なる「かゆみの問題」ではなく足病変の入り口として、早めの治療をおすすめしております。

今日からできる「1日1分」のセルフフットケア

特別な道具は必要ありません。お風呂上がりの1分間で、次の習慣を毎日続けてみてください。

毎日のフットケア習慣チェックリスト

足の裏・指の間・かかとを毎日見る(見えにくい方は鏡を使う、ご家族に見てもらう)

指の間まで洗い、しっかり乾かす(蒸れは白癬菌の温床になります)

保湿剤でかかとのひび割れを防ぐ(指の間は塗りすぎない)

爪はまっすぐに切る(スクエアカット・深爪しない)

外出時は素足を避け、足に合った靴・靴下を(海・川・プールサイドではマリンシューズも有用です)

夏こそ「素足にサンダル」より「靴下+足に合った靴」を

神経障害を指摘されたことのある方は、砂浜やプールサイド、熱いアスファルトの上を素足で歩くことは避けましょう。また、新しいサンダル・靴をおろした日は、帰宅後に靴ずれができていないか必ず確認することをおすすめいたします。

なお、血糖コントロールそのものがフットケアの土台です。残暑の時期の運動療法については「猛暑でも安全に続ける生活習慣病の運動療法」で詳しく解説しております。

こんなサインはすぐに受診を

重要|次のような足のサインは放置しないでください

・足の傷・靴ずれ・水ぶくれが2〜3日たっても治らない

・傷のまわりが赤く腫れる、熱をもつ、膿(うみ)が出る

・足の色が黒ずんできた、白っぽく冷たい

しびれ・ジンジン感・感覚の鈍さが続く、悪化してきた

・歩くとふくらはぎが痛み、休むと楽になる(間欠性跛行=血流障害のサインの可能性)

糖尿病の方の足の傷は、見た目が小さくても内部で感染が広がっていることがあります。「これくらいで受診するのは大げさかな」と迷ったときこそ、どうぞ遠慮なくご相談ください。

当院でのフットケア・糖尿病診療

竹内内科小児科医院では、糖尿病内科・代謝内科と皮膚科を同じ院内で診療しているため、血糖コントロールと足のトラブル(水虫・靴ずれ・巻き爪など)を一度の通院でまとめてご相談いただけます

ポイント|当院で行っている足のチェック・ケア

① 足の診察:傷・水虫・タコ・ウオノメ・爪の状態の確認と治療

② 神経障害のチェック:アキレス腱反射や振動覚などの診察

③ 血糖・脂質・血圧の管理:足病変の土台となる生活習慣病を総合的に診療

④ セルフケア指導:爪の切り方・靴選び・保湿など、日常のフットケアをご案内

土曜午前も診療しておりますので、平日お忙しい働き盛りの方も、健診結果を持ってお気軽にお越しください。通院が難しいご高齢の方には訪問診療でも足の状態を拝見しております。

受診前チェックリスト

□ 直近の健診結果(血糖値・HbA1cの記載があるもの)

□ 服用中のお薬・お薬手帳

□ 気になる足の症状(いつから・どの部位か)のメモ

□ 普段よく履いている靴(靴ずれ・タコの原因確認に役立ちます)

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五良会グループでは、田園調布の竹内内科小児科医院、港区の五良会クリニック白金高輪、横浜市都筑区の五良ファミリークリニックセンター南の医師が連携しております。患者さまの転居やライフスタイルの変化に合わせて、同じグループ内で糖尿病の継続診療が受けられる体制を整えております。

参考文献

  1. 日本糖尿病学会 編・著. 糖尿病診療ガイドライン2024(第11章 糖尿病性足病変). 南江堂, 2024.
  2. 日本フットケア・足病医学会 編. 重症化予防のための足病診療ガイドライン. 南江堂, 2022.
  3. 糖尿病情報センター(国立健康危機管理研究機構)「フットケア」https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/040/070/11.html(2026年8月閲覧)

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日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医・日本旅行医学会認定医

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