【2026年秋】糖尿病の方こそ秋の「肺炎球菌・帯状疱疹ワクチン」を|易感染性の仕組みと大田区の定期接種・助成を院長・五藤良将がやさしく解説【田園調布・多摩川】

皆さま、こんにちは。竹内内科小児科医院 院長の五藤良将です。

朝晩めっきり涼しくなり、田園調布のあたりでも金木犀の香りが漂う季節になりました。当院でも9月24日から大田区のインフルエンザワクチン助成が始まり、外来では「今年はワクチン、いつ受けたらいいですか?」というご質問が一気に増えています。その一方で、糖尿病で通院中の方から「インフルエンザ以外のワクチンって、私も受けたほうがいいんですか?」と聞かれることも増えました。

実は、糖尿病のある方は、血糖値が高い状態が続くと感染症にかかりやすく、かかった場合に重症化しやすいことが知られています。だからこそ、インフルエンザだけでなく、肺炎球菌ワクチン帯状疱疹(たいじょうほうしん)ワクチンも、秋のこの時期にぜひ一緒に考えていただきたいのです。ちょうど2025年4月から帯状疱疹ワクチンが、2026年4月からは新しい肺炎球菌ワクチン「プレベナー20」が定期接種となり、制度も大きく変わりました。

今回は、日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」や、日本呼吸器学会・日本感染症学会・日本ワクチン学会合同委員会の「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第8版・2026年4月1日)」などをもとに、糖尿病と感染症・ワクチンの関係を、大田区の最新の助成制度とあわせてやさしく解説いたします。

五藤 良将

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竹内内科小児科医院 院長 五藤 良将

日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医・日本旅行医学会認定医
この記事は五藤良将が執筆・監修し、内容に責任を持っています。

なぜ糖尿病があると感染症にかかりやすいのか

まず、外来でよくお会いするような患者さんの例からご紹介します(※本記事に登場する症例は、外来でよくいただくご相談をもとに構成した架空の症例で、特定の患者さんの情報ではありません)。

症例イメージ①|60代男性・会社員のAさん

2型糖尿病で通院中。HbA1c 8.2%・BMI 27。仕事が忙しく食事も外食が中心です。「ワクチンは高齢者が受けるものでしょう? 自分はまだ現役だから」とおっしゃいますが、昨シーズンはインフルエンザから気管支炎をこじらせ、1週間仕事を休みました。実は、こうした働き盛りで血糖コントロールが十分でない方こそ、感染症対策を考えていただきたい方です。

糖尿病のある方が感染症にかかりやすくなる背景には、はっきりとした仕組みがあります。国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センターの解説にもあるとおり、血糖値が高い状態が続くと、白血球(はっけっきゅう)をはじめとする免疫にかかわる細胞のはたらきが低下し、病原体と十分に戦えなくなるのです。

用語解説|「易感染性(いかんせんせい)」とは

感染症に「かかりやすく、治りにくい」状態を指す医学用語です。糖尿病では、細菌を食べて殺す好中球(こうちゅうきゅう)という白血球の機能(遊走能・貪食能・殺菌能)が高血糖によって低下することが知られており、一般に血糖値がおおむね250mg/dLを超える状態が続くと、そのはたらきの低下が顕著になるとされています。血糖コントロールを整えること自体が、いちばんの感染症対策になります。

メカニズム図解|高血糖が感染症を重くする流れ

1 高血糖が続く:好中球の機能低下・抗体をつくる力(液性免疫)の低下が起こり、病原体への防御力が下がります
2 血流障害・神経障害が重なる:細い血管の血流が悪いと免疫細胞や薬が患部に届きにくく、神経障害があると痛みに気づきにくいため発見が遅れます
3 感染症で血糖値がさらに上がる:発熱や炎症のストレスで血糖値が上がり(シックデイ)、高血糖がさらに免疫を下げる悪循環に入ります
4 肺炎・尿路感染症などの重症化:糖尿病のない方に比べて入院や合併症のリスクが高くなります。だからこそ「かからないための備え=ワクチン」が大切です

実際、糖尿病情報センターの資料では、糖尿病のある方は尿に細菌が混じる割合が糖尿病のない方の2〜5倍にのぼるとされ、肺炎・皮膚感染症・歯周病・結核なども起こりやすいことが知られています。「糖尿病診療ガイドライン2024」(日本糖尿病学会)でも、感染症の予防と血糖管理の重要性が明記されています。

肺炎球菌ワクチン|2026年4月から「プレベナー20」が定期接種に

肺炎球菌(はいえんきゅうきん)は、成人の肺炎の原因菌として最も頻度が高い細菌のひとつで、肺炎のほか、菌が血液に入り込む侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)という重い病気を起こすことがあります。糖尿病のある方は、肺炎にかかった際に重症化しやすいため、日本感染症学会などの合同委員会の指針でも、糖尿病は接種を特に考慮すべき基礎疾患のひとつに位置づけられています。

そして制度面の大きなニュースが、2026年4月1日から、65歳の方を対象とした高齢者定期接種のワクチンが、従来のニューモバックスNP(PPSV23)から「プレベナー20(PCV20)」に変更されたことです。大田区では自己負担5,000円で接種できます(65歳の方のほか、60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器などに重い障害のある方も対象。過去に肺炎球菌ワクチンを接種した方は対象外です)。

用語解説|「結合型ワクチン(PCV)」とは

肺炎球菌の表面の糖(莢膜多糖体〈きょうまくたとうたい〉)にタンパク質を結合させたワクチンです。従来のニューモバックス(多糖体ワクチン)は、免疫の司令塔であるT細胞を介さずに抗体をつくらせるため免疫の「記憶」が残りにくいのに対し、プレベナー20のような結合型ワクチンはT細胞を介した「免疫記憶」をつくれるのが特長で、効果がより長く続くことが期待されています。日本呼吸器学会・日本感染症学会・日本ワクチン学会合同委員会「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第8版・2026年4月1日)」でも、こうした特性を踏まえた接種の考え方が示されています。

項目 2026年3月まで 2026年4月から
定期接種のワクチン ニューモバックスNP(PPSV23・多糖体) プレベナー20(PCV20・結合型)
大田区の自己負担 4,000円 5,000円
対象 65歳の方/60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器等に重い障害(1級相当)のある方(接種歴のある方は対象外)
回数 1回

65歳未満の糖尿病の方でも、主治医と相談のうえ任意接種としてワクチンを検討できます。ワクチンの種類(PCV20・PCV21〈キャップバックス〉・PPSV23)の詳しい使い分けは、当院の肺炎球菌ワクチン解説記事もあわせてご覧ください。

帯状疱疹ワクチン|2025年4月から定期接種に・糖尿病の方は特に

帯状疱疹は、子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が体の神経に潜み、加齢や病気・ストレスで免疫が低下したときに再び暴れ出す病気です。日本では50歳を過ぎると発症が増え、80歳までにおよそ3人に1人が経験するといわれています。糖尿病のある方は、先ほどの「易感染性」により帯状疱疹を発症しやすいことが国内外の疫学研究で報告されており、さらに痛みが長引きやすいことも指摘されています。

症例イメージ②|70代女性・Bさん(架空の症例)

2型糖尿病で通院中、HbA1c 7.4%。ある日、左の脇腹にピリピリした痛みが出て、数日後に赤い水ぶくれが帯状に出現。帯状疱疹の診断で抗ウイルス薬による治療を受けましたが、皮膚が治ったあとも3か月以上、服がこすれるだけで響くような痛みが続きました。「ワクチンで防げると知っていれば」とおっしゃっていた姿が印象的です。

用語解説|「帯状疱疹後神経痛(PHN)」とは

帯状疱疹の皮膚症状が治ったあとも、ウイルスによって傷ついた神経の痛みが3か月以上続く状態を指します。焼けるような痛み・電気が走るような痛みが特徴で、高齢の方や、発症時の皮疹・痛みが強かった方で起こりやすいとされます。いったんPHNになると治療に難渋することが多く、「そもそも帯状疱疹にならない」=ワクチンでの予防が最も有効な対策です。

帯状疱疹ワクチンは、2025年4月から65歳の方を対象に定期接種となりました(2029年度までは経過措置として、70・75・80・85・90・95・100歳となる年度の方も対象です)。大田区の2026年度の運用では、2027年3月31日時点で65・70・75・80・85・90・95・100歳の方が定期接種の対象で、次の2種類から選べます。

項目 生ワクチン(ビケン) 組換えワクチン(シングリックス)
接種回数 1回(皮下注射) 2回(筋肉注射・2か月あけて)
発症予防効果の目安 おおむね5〜6割程度 50歳以上で9割以上(臨床試験)
効果の持続 約5年程度とされる 10年以上持続が示唆
大田区の自己負担(定期接種) 4,000円×1回 11,000円×2回
注意点 免疫を強く抑える治療中の方は接種不可 接種部位の痛み・発熱などの副反応が比較的出やすい

なお、大田区では定期接種の対象年齢でない方にも、50歳以上を対象とした任意接種の費用助成(自己負担額は定期接種と同額)が用意されています。糖尿病で通院中の50〜60代の方にとって心強い制度ですので、対象になるかどうか、外来でお気軽にご相談ください。

インフルエンザ・新型コロナワクチンも忘れずに

糖尿病のある方は、インフルエンザにかかると肺炎などを合併して入院にいたるリスクが高く、発熱で食事がとれなくなると血糖値が乱れる「シックデイ」の引き金にもなります。大田区では2026年9月24日からインフルエンザワクチンの助成が始まっており、当院でも接種を行っています。新型コロナワクチンの秋接種についても、対象の方はあわせてご検討ください。

糖尿病とインフルエンザの関係、シックデイの具体的な過ごし方は、こちらの記事で詳しく解説しています:糖尿病の方こそ「インフルエンザ対策」をインフルエンザワクチン予約ガイド2026-2027

接種前によくあるご質問(血糖コントロール・同時接種・副反応)

Q1. 血糖コントロールが悪くても、ワクチンは受けられますか?

はい、HbA1cが高いこと自体はワクチンを受けられない理由にはなりません。むしろ血糖コントロールが十分でない方ほど感染症のリスクが高く、接種の意義は大きいと考えられます。ただし、発熱している日や体調の悪い日は延期しますので、当日の体調はご相談ください。

Q2. インフルエンザワクチンと同時に受けられますか?

肺炎球菌ワクチンや帯状疱疹ワクチンは、医師が必要と判断した場合、インフルエンザワクチンとの同時接種が可能です。通院の回数を減らしたい方は、あらかじめご予約時にお申し出ください。

Q3. 副反応が心配です。血糖値への影響はありますか?

接種部位の痛み・腫れ、倦怠感、発熱などが数日以内にみられることがあります。特にシングリックスは副反応が比較的出やすいワクチンですが、多くは2〜3日で軽快します。発熱時に一時的に血糖値が上がることがありますので、接種後2〜3日はいつもより血糖測定をこまめに行い、心配な変動があればご連絡ください。

重要|こんなときはすぐにご相談を

・接種後まもなく、じんましん・息苦しさ・強いめまいが出た(アナフィラキシーの可能性)

・発熱で食事がとれず、血糖値が250mg/dL以上の状態が続く、または低血糖を繰り返す(シックデイ)

・体の片側にピリピリした痛みや帯状の水ぶくれが出た(帯状疱疹は発症後72時間以内の抗ウイルス薬開始が望ましいとされます)

受診前チェックリスト

ワクチン相談の前にご確認ください

□ 年齢(今年度、定期接種の対象年齢にあたるか)

□ これまでの肺炎球菌・帯状疱疹ワクチンの接種歴(お薬手帳・接種済証)

□ 大田区から届いた予診票(お持ちの方)

□ 現在の血糖コントロール(直近のHbA1c・服用中のお薬)

□ アレルギー歴・過去のワクチンでの副反応の有無

🏥 竹内内科小児科医院で診るという選択(当院が選ばれる理由)

ここまでお読みいただいた「糖尿病×感染症予防」を、当院では血糖管理とワクチン接種の両輪で、ひとつの外来の中で完結できる体制を整えています。

理由① 糖尿病・生活習慣病の専門的診療

日本糖尿病協会登録医・日本抗加齢医学会専門医である院長・五藤良将が、血糖管理とワクチンのタイミングをまとめて診察室でご提案します。

理由② 大田区の定期接種・助成に対応

肺炎球菌・帯状疱疹・インフルエンザなど、大田区の定期接種・費用助成を利用した接種にご対応。予診票の見方からご案内します。

理由③ 内科×小児科の併設

お子さまの予防接種からご高齢の方の定期接種まで、ご家族そろって同じ窓口でご相談いただけます。

理由④ 多摩川駅徒歩5分・土曜午前も診療

東急東横線・目黒線「多摩川駅」から徒歩5分。土曜は午前診療を行っており、お仕事帰りは平日19時まで受付しています。

理由⑤ 五良会グループの連携

内視鏡や血液内科などの専門検査は五良会クリニック白金高輪へ、頭痛・認知症外来はセンター南へ。グループ内で切れ目なくご紹介できます。

理由⑥ 訪問診療にも対応

通院が難しくなった方には訪問診療でご対応。地域に根ざした「かかりつけ医」として長く伴走します。

糖尿病の方の「秋のワクチン計画」、次回の外来でご一緒に立てませんか?

ご予約はWEB予約(CLINICS)から。/お電話 03-3721-5222

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五良会グループでは、田園調布から白金高輪まで医師が連携しております。患者さまの転居やライフスタイルの変化に合わせて、同じグループ内で継続診療が受けられる体制を整えております。

参考文献

  1. 日本糖尿病学会 編・著『糖尿病診療ガイドライン2024』南江堂, 2024.
  2. 日本呼吸器学会・日本感染症学会・日本ワクチン学会 合同委員会「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第8版)」2026年4月1日.
  3. 厚生労働省「帯状疱疹ワクチン」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/shingles/index.html(2026年9月閲覧)
  4. 大田区「帯状疱疹ワクチン接種(定期・任意接種)」https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/hoken/yobou_sessyu/seijin/taijouhoushin_josei20230701.html(2026年9月閲覧)
  5. 糖尿病情報センター(国立健康危機管理研究機構)「糖尿病と感染症のはなし」https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/070/070/01.html(2026年9月閲覧)
  6. Lal H, et al. Efficacy of an adjuvanted herpes zoster subunit vaccine in older adults. N Engl J Med. 2015;372(22):2087-2096.
  7. Cunningham AL, et al. Efficacy of the herpes zoster subunit vaccine in adults 70 years of age or older. N Engl J Med. 2016;375(11):1019-1032.
医療法人社団 五良会・正友会 理事長 五藤 良将

AUTHOR / SUPERVISOR

竹内内科小児科医院 院長 五藤 良将(ごとう よしまさ)

  • 防衛医科大学校 医学部 卒業(27期)。防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、自衛隊横須賀病院ほかで臨床経験を積む
  • 医療法人社団 五良会 理事長/医療法人社団 正友会 理事長/竹内内科小児科医院 院長
  • 日本内科学会 認定内科医/日本抗加齢医学会 専門医/日本糖尿病協会 登録医/日本旅行医学会 認定医
  • 日本温泉気候物理医学会 温泉療法専門医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/難病指定医
  • 所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本アレルギー学会、日本東洋医学会、日本リウマチ学会、日本外来小児科学会、日本抗加齢医学会、日本睡眠学会、日本美容内科学会、日本旅行医学会 ほか
  • 著書『あぶら落とすスープ』(アスコム)。NHK・TBS・フジテレビ・日本テレビ・テレビ朝日などメディア出演多数

執筆・監修責任について

本記事は、五藤良将が公的機関の発表・国内外の診療ガイドライン・査読済み論文を確認したうえで執筆・監修しています。内容は公開時点の情報に基づくものであり、新しい知見やガイドラインの改訂があった場合は、こちらで記事を更新します。
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者さんの診断・治療に代わるものではありません。症状や治療のご判断については、必ず医師にご相談ください。記載内容について気になる点がございましたら、竹内内科小児科医院(03-3721-5222)までお知らせください。

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