【2026-2027年】子どものインフルエンザ「おうちケア」完全ガイド|解熱剤の選び方・異常行動の見守り・登園登校の目安を院長・五藤良将がやさしく解説【田園調布・多摩川】

皆さま、こんにちは。竹内内科小児科医院 院長の五藤良将です。

東京都は2026年9月17日、都内のインフルエンザ患者報告数が注意報基準を超えたと発表しました。第37週(9月7日〜13日)の定点当たり報告数は9.53人と、例年より1か月以上早いペースで流行が拡大しており、都内では小学校を中心に学級閉鎖も相次いでいます。「まだ9月なのに、子どもが学校でインフルエンザをもらってきた」というご相談が、当院の外来でも急に増えてまいりました。

そこで今回は、お子さんがインフルエンザにかかったときの「おうちケア(家庭での看護)」に絞って、解熱剤の選び方、異常行動の見守り、水分・食事のコツ、ご家族への感染を防ぐ工夫、登園・登校再開の数え方まで、日本小児科学会の最新指針(2025/26シーズン インフルエンザ治療・予防指針)と厚生労働省の注意喚起をもとにやさしく解説いたします。検査のタイミングや治療薬の詳しい使い分けは、姉妹記事「インフルエンザにかかったら|検査のベストタイミング・治療薬5種の使い分け」もあわせてご覧ください。

五藤 良将

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竹内内科小児科医院 院長 五藤 良将

日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医・日本旅行医学会認定医
この記事は五藤良将が執筆・監修し、内容に責任を持っています。

今シーズンの流行状況(2026年9月・東京都に注意報)

2026-2027シーズンのインフルエンザは、全国的に例年より約1か月以上早い立ち上がりとなっています。東京都感染症情報センターの発表によると、都内の定点当たり患者報告数は第37週(9月7日〜13日)に9.53人となり、都は9月17日にインフルエンザの「注意報」を発表しました。都内31保健所のうち14保健所管内が注意報レベルに達しており、大田区に隣接する地域でも報告数の多い保健所がみられます。

今シーズンここまでの検出状況では、A型のうち「AH1pdm09型」が大半(約85%)を占めていると報告されています。運動会や遠足など行事の多い秋の学校・園生活は、飛沫・接触の機会が増える時期でもあります。「うちはまだ大丈夫」と思わず、今のうちからワクチン接種と家庭の備えを進めておくことが大切です。

用語解説|AH1pdm09型とは

季節性インフルエンザA型の亜型のひとつで、2009年に「新型インフルエンザ」として世界的に流行したウイルスの系統です(pdmはパンデミック=世界的大流行の略)。現在は毎年流行する季節性インフルエンザとして定着しており、小児や若い世代にも広がりやすいことが知られています。今シーズンのワクチンにはこの型に対応する株が含まれています。

子どものインフルエンザの特徴と経過

インフルエンザは、ふつうの「かぜ」と異なり、38〜40℃の高熱・寒気・頭痛・関節痛・筋肉痛が突然はじまるのが特徴です。お子さんでは、高熱のわりに最初は咳や鼻水が目立たないこともあり、「さっきまで元気だったのに、急にぐったりした」という発症のしかたがよくみられます。

項目 A型 B型
流行時期 シーズン前半に多い(今季は9月から流行) シーズン後半(春先)に多い
熱の出方 高熱が急激に出やすい A型よりやや穏やかなことも
よくみられる症状 関節痛・筋肉痛・頭痛 腹痛・嘔吐・下痢などお腹の症状が出やすい
経過 多くは発熱2〜4日でピークを越え、1週間ほどで回復。咳は長引くことがあります

熱は一度下がりかけてから再び上がる「二峰性発熱(にほうせいはつねつ)」というパターンをとることがあり、特に小さなお子さんでよくみられます。「解熱剤が切れてまた上がった」のか「二峰性の再上昇」なのかはご家庭では区別しにくいため、いったん下がった熱が丸1日以上たってからまた上がったときや、熱が5日以上続くときは、合併症の確認のため再受診をおすすめします。

おうちケアの基本|水分・食事・環境・お風呂

抗インフルエンザ薬を使う・使わないにかかわらず、回復の主役はお子さん自身の免疫力です。ご家庭では「水分・休息・観察」の3つを軸にケアしていきましょう。

水分補給がいちばん大切です

高熱が出ると、汗と呼吸から想像以上に水分が失われます。飲みたがるものでかまいませんので、少量ずつ・回数を多く与えてください。嘔吐や食欲低下があるときは、経口補水液(OS-1など)やイオン飲料、りんごジュースを薄めたもの、みそ汁の上澄みなどが飲みやすい傾向があります。おしっこの回数と量は脱水の大切なバロメーターです。半日以上おしっこが出ない、唇がカラカラ、泣いても涙が出ない場合は脱水が進んでいるサインですので、受診をご検討ください。

食事は「食べられるもの」を無理なく

発熱中に食欲が落ちるのは自然な反応です。無理に食べさせる必要はありません。おかゆ・うどん・ゼリー・プリン・ヨーグルト・すりおろしりんごなど、のどごしのよいものを、食べられる分だけで十分です。熱が下がれば食欲は自然に戻ってきます。

お部屋の環境とお風呂

おうちケアの環境チェックリスト

□ 室温は20〜25℃程度、湿度は50〜60%を目安に加湿する

□ 1〜2時間に1回、数分間の換気をする

□ 寒気があるときは温かく、熱が上がりきって暑がるときは薄着に切り替える

□ 汗をかいたらこまめに着替えさせる

□ お風呂は、高熱でぐったりしている間はシャワーや体拭き程度に。熱が下がり元気が戻れば入浴して構いません

解熱剤は「アセトアミノフェン」を|使ってはいけないお薬

インフルエンザのお子さんに使う解熱鎮痛剤は、原則としてアセトアミノフェン(カロナール、アンヒバ坐剤、アルピニー坐剤など)の一択と考えてください。これは日本小児科学会・厚生労働省が一貫して示している方針です。

一方で、解熱剤の中には、インフルエンザのときのお子さんには使ってはいけない成分があります。重い脳の合併症である「インフルエンザ脳症」の重症化との関連が指摘されているためです。

成分名(代表的な商品名) インフルエンザの小児への使用
アセトアミノフェン(カロナール、アンヒバ など) 推奨される第一選択
ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン) 使用しない(原則禁忌)
メフェナム酸(ポンタール) 使用しない(原則禁忌)
アスピリンなどサリチル酸系 使用しない(ライ症候群との関連)
イブプロフェンなど市販の解熱鎮痛薬 自己判断で使わず、医師・薬剤師に相談を

用語解説|インフルエンザ脳症とは

インフルエンザに伴って急激に脳の働きが障害される重い合併症で、主に乳幼児にみられます。けいれんが続く、呼びかけへの反応がおかしい、意識がもうろうとする、意味不明な言動が続く、といった神経症状が急速に進むのが特徴です。頻度は高くありませんが、後遺症や命に関わることがあるため、上記のような症状に気づいたらためらわず救急受診してください。一部の解熱剤(ジクロフェナク・メフェナム酸)は脳症の重症化との関連が指摘され、小児のインフルエンザには使用しないこととされています。

市販の「総合かぜ薬」にもご注意を

大人用・家族用の市販薬には、小児のインフルエンザに適さない解熱成分が含まれていることがあります。ご家庭に残っている薬や兄弟のものを流用せず、年齢・体重に合わせて処方された薬を使ってください。解熱剤は「熱を治す薬」ではなく「つらさを一時的にやわらげる薬」ですので、38.5℃以上でつらそうなとき・眠れないときを目安に使い、平熱まで無理に下げる必要はありません。

なお、治療の中心となる抗インフルエンザ薬は、日本小児科学会の2025/26シーズン指針では、小児にはオセルタミビル(タミフル)が生後2週間の新生児から使用できる標準薬とされ、バロキサビル(ゾフルーザ)は12歳以上で推奨、12歳未満では耐性ウイルス出現の観点からB型に限定して提案されています。当院ではお子さんの年齢・体重・飲みやすさに合わせて処方し、ゾフルーザ・タミフル・イナビルは院内処方で薬局に寄らずにお持ち帰りいただけます。詳しくは「治療薬5種の使い分けの記事」をご覧ください。

異常行動と熱性けいれん|発熱から2日間の見守り

「異常行動」は薬の種類にかかわらず起こりえます

インフルエンザにかかったお子さん・未成年者では、急に走り出す、部屋から飛び出そうとする、窓を開けてベランダに出ようとする、意味のわからないことを言う、といった「異常行動」がまれにみられます。厚生労働省は、こうした異常行動は抗インフルエンザ薬の使用の有無や種類にかかわらずあらわれることがあるとして、毎シーズン注意を呼びかけています。転落などの事故は発熱後まもない時期に集中しています。

重要|発熱から少なくとも2日間の見守りルール

・発熱に気づいてから少なくとも2日間は、お子さんを一人にしない(就寝中も同じ部屋で)

・玄関・窓の施錠を確認し、できるだけ1階の部屋(窓のない部屋・ベランダに面していない部屋)で寝かせる

・マンションなど高層階では、窓やベランダの鍵に補助錠をかける

・異常行動がみられたら、落ち着いて安全を確保し、続くようなら医療機関にご相談ください

熱性けいれんが起きたら

高熱に伴って熱性けいれん(ねっせいけいれん)を起こすお子さんもいます。多くは数分以内に自然におさまり、後遺症を残しませんが、初めて目にするご家族は大変驚かれると思います。あわてて口に物を入れたり、体を強く押さえたりせず、顔を横に向けて吐物がのどに詰まらないようにし、時間を測って様子を観察してください。けいれんが5分以上続く、短時間に繰り返す、けいれん後も意識がはっきりしない・顔色が悪いままの場合は、ためらわず救急車(119番)を呼んでください。

家庭内感染を防ぐ7つの工夫

インフルエンザは、ご家庭の中でとてもうつりやすい感染症です。看病するご家族、特に受験生や妊娠中の方、ご高齢の同居家族、糖尿病などの持病のある方がいるご家庭では、次の工夫でリスクを減らしましょう。

メカニズム図解|インフルエンザが家庭内でうつる3つのルート

1 飛沫感染:咳・くしゃみ・会話で飛ぶしぶき(飛沫)を、約1〜2m以内で吸い込んでうつる。家庭内感染の主役です
2 接触感染:ドアノブ・リモコン・スマホなどに付いたウイルスが手を介して口・鼻・目からうつる
3 乾燥・密閉で拡大:湿度が下がり換気が減る秋冬は、飛沫が小さくなって長く漂い、うつりやすさが増します。だからこそ「加湿・換気・手洗い」の基本が効きます

家庭内感染を防ぐ7つの工夫

① 可能なら看病する人を1人に決め、他の家族との接触を減らす

② 看病時はお互いにマスクを着用する(2歳未満のお子さんには着けさせない)

③ 石けんでの手洗い、またはアルコール手指消毒をこまめに行う

④ タオル・コップ・食器・箸を共用しない

⑤ ドアノブ・スイッチ・リモコンなど、よく触れる場所を1日1回以上拭く

⑥ 1〜2時間ごとの換気と、湿度50〜60%の加湿を心がける

⑦ まだかかっていない家族は、今からでもワクチン接種を。重症化リスクの高い同居家族には予防投与という選択肢もあります(予防投与の解説記事)

大田区では、2026年9月24日からこどものインフルエンザワクチン費用助成が始まっています。当院はワクチンを注射・フルミスト(点鼻)ともに取り扱っており、ご家族そろっての接種予約も可能です。詳しくは「大田区インフルエンザ助成の解説記事」「ワクチン予約ガイド2026-2027」をご覧ください。

登園・登校はいつから?(数え方の実例つき)

学校保健安全法では、インフルエンザにかかった場合の出席停止期間は「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」と定められています。ポイントは、発症日(発熱した日)を「0日目」として数えることと、「発症後5日」と「解熱後2日(幼児3日)」の両方の条件を満たす必要があることです。

例(月曜日に発熱・発症した場合) 小学生以上(解熱後2日) 幼児(解熱後3日)
水曜日に解熱した場合 「発症後5日」の条件により日曜日以降=実際には翌週月曜日から登校可能 同じく日曜日以降=実際には翌週月曜日から登園可能
金曜日に解熱した場合 月曜日から登校可能(解熱後2日経過が条件になる例) 火曜日から登園可能

抗インフルエンザ薬で早く熱が下がっても、体の中にはまだウイルスが残っています。熱が下がった=うつさない、ではありませんので、決められた期間はしっかりお休みしましょう。登園許可証・治癒証明書の要否は園・学校によって異なりますので、必要な場合は受診時にお申し付けください。

すぐ受診・救急要請すべき危険なサイン

ほとんどのお子さんはおうちケアで回復しますが、次のサインは肺炎・脳症・脱水などの合併症の可能性があります。夜間・休日であっても、ためらわず受診してください。

重要|こんなときはすぐに受診・救急要請を

・呼吸が速い・苦しそう、肩で息をする、ゼーゼーする、顔色・唇の色が悪い

・けいれんが5分以上続く、繰り返す、けいれん後も意識がはっきりしない

・呼びかけへの反応が鈍い、視線が合わない、意味不明な言動が続く

・水分がほとんど取れない、半日以上おしっこが出ない、ぐったりして起き上がれない

・いったん下がった熱が再び上がった、発熱が5日以上続く、耳を痛がる・強い咳が続く

・生後3か月未満の赤ちゃんの38℃以上の発熱(インフルエンザに限らず必ず受診を)

受診前チェックリスト(スムーズな診察のために)

□ 発熱した日時と経過(何℃がいつから、解熱剤の使用時刻)

□ 園・学校・家族内でのインフルエンザ流行の有無

□ 飲めている水分量・おしっこの回数

□ 母子手帳・お薬手帳(アレルギー歴・持病・服用中のお薬)

□ 当院への発熱でのご来院は、事前にWEB問診・お電話でお知らせいただくとご案内がスムーズです

🏥 竹内内科小児科医院で診るという選択(当院が選ばれる理由)

ここまでお読みいただいた「おうちケア」を、当院では診察室でも一つひとつ丁寧にご説明しています。お子さんの急な発熱のとき、田園調布・多摩川エリアで当院が選ばれている理由をご紹介します。

理由① 内科×小児科の併設

お子さんと看病中にうつってしまった親御さんを、同じ窓口で一緒に診察できます。ご家族そろっての受診で通院の負担を減らせます。

理由② 抗インフルエンザ薬の院内処方

ゾフルーザ・タミフル・イナビルを院内処方でお渡ししています(リレンザはご希望の方に院外処方)。つらいお子さんを連れて薬局に並ぶ必要がありません。

理由③ ワクチンは注射・フルミストの両方に対応

大田区のこども助成(2026年9月24日開始)に対応し、注射ワクチンと点鼻のフルミストからお選びいただけます。ご家族同時の接種予約も可能です。

理由④ 土曜午前も診療・多摩川駅徒歩5分

東急東横線・目黒線「多摩川駅」徒歩5分。平日はお仕事のご家庭も、土曜午前に受診・接種いただけます(受付は午前12時まで/午後19時まで)。

理由⑤ 院長が自ら診察します

メディア出演・著書のある院長・五藤良将が外来で直接診察し、重症化サインの見きわめとご家庭でのケアを具体的にお伝えします。

理由⑥ 五良会グループの連携体制

精密検査や専門診療が必要な場合は、五良会クリニック白金高輪(内視鏡・血液内科など)へグループ内で切れ目なくご紹介できます。

お子さんの急な発熱、「インフルかも?」と思ったら、おひとりで悩まずご相談ください。

ワクチン接種のご予約も受付中です。診療時間:午前9:00〜12:00/午後15:30〜19:00(土曜は午前のみ・日祝休)

医療法人社団 五良会・正友会 理事長 五藤 良将

AUTHOR / SUPERVISOR

竹内内科小児科医院 院長 五藤 良将(ごとう よしまさ)

  • 防衛医科大学校 医学部 卒業(27期)。防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、自衛隊横須賀病院ほかで臨床経験を積む
  • 医療法人社団 五良会 理事長/医療法人社団 正友会 理事長/竹内内科小児科医院 院長
  • 日本内科学会 認定内科医/日本抗加齢医学会 専門医/日本糖尿病協会 登録医/日本旅行医学会 認定医
  • 日本温泉気候物理医学会 温泉療法専門医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/難病指定医
  • 所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本アレルギー学会、日本東洋医学会、日本リウマチ学会、日本外来小児科学会、日本抗加齢医学会、日本睡眠学会、日本美容内科学会、日本旅行医学会 ほか
  • 著書『あぶら落とすスープ』(アスコム)。NHK・TBS・フジテレビ・日本テレビ・テレビ朝日などメディア出演多数

執筆・監修責任について

本記事は、五藤良将が公的機関の発表・国内外の診療ガイドライン・査読済み論文を確認したうえで執筆・監修しています。内容は公開時点の情報に基づくものであり、新しい知見やガイドラインの改訂があった場合は、こちらで記事を更新します。
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者さんの診断・治療に代わるものではありません。症状や治療のご判断については、必ず医師にご相談ください。記載内容について気になる点がございましたら、竹内内科小児科医院(03-3721-5222)までお知らせください。

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参考文献

  1. 東京都感染症情報センター「インフルエンザの流行状況(東京都 2026-2027年シーズン)」(2026年9月閲覧)
  2. 東京都保健医療局 報道発表「都内のインフルエンザ、注意報基準を超える」2026年9月17日
  3. 日本小児科学会「2025/26シーズンのインフルエンザ治療・予防指針」
  4. 厚生労働省「インフルエンザQ&A」「抗インフルエンザウイルス薬の使用と異常行動に関する注意喚起」(2026年9月閲覧)
  5. 学校保健安全法施行規則 第19条(出席停止の期間の基準)
  6. 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症週報(IDWR)2026年(2026年9月閲覧)

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