【2026年夏】台風・ゲリラ豪雨で頭痛・めまい?「天気痛・気象病」の仕組みと対策|危険な頭痛との見分け方【田園調布・多摩川】

皆さま、こんにちは。竹内内科小児科医院 院長の五藤良将です。

2026年の夏も、台風やゲリラ豪雨のニュースを目にする季節になりました。この時期、外来で増えるのが「台風が近づくと頭が痛くなる」「雨の前の日はめまいやだるさがひどい」というご相談です。天気の変化で体調が崩れるのは気のせいではなく、「天気痛(てんきつう)・気象病」と呼ばれる、気圧・気温・湿度の変化が引き金となる不調の総称として知られるようになってきました。

今回のブログでは、台風シーズン本番を前に、天気痛・気象病が起こる仕組み、ご家庭でできるセルフケア、医療機関でできること、そして「ただの天気痛と思ってはいけない危険な頭痛」の見分け方まで、田園調布・多摩川エリアの皆さまに分かりやすく解説いたします。

天気痛・気象病とは?|台風シーズンに増える理由

「気象病」とは、気圧・気温・湿度など気象の変化がきっかけとなって現れる、さまざまな体の不調の総称です。その中でも、頭痛やめまい、関節の痛みなど「痛み」を中心とした症状は「天気痛」と呼ばれています。正式な病名ではありませんが、近年は医療機関でも広く使われる呼び方になっています。

特に症状が出やすいのは、気圧が大きく・急激に下がるときです。日本では7月下旬から10月にかけて台風の接近が増え、さらに夏はゲリラ豪雨や前線の通過など気圧の変動が起こりやすい季節です。加えて、猛暑による睡眠不足・冷房と屋外の温度差・夏の疲れの蓄積が自律神経(体温や血圧などを自動で調節する神経)に負担をかけるため、夏から秋は一年の中でも天気痛・気象病の症状が悪化しやすい時期といえます。

ポイント|天気痛・気象病の主な症状

① 頭痛:片頭痛・緊張型頭痛の悪化として現れることが多い、代表的な症状です

② めまい・耳の症状:ふわふわするめまい、耳のつまり感、耳鳴りなど

③ 全身症状:だるさ、眠気、気分の落ち込み、首・肩こり

④ 痛みの悪化:古傷の痛み、関節痛、神経痛が天気の崩れとともに強まる

なぜ天気で体調が崩れるのか|メカニズム図解

天気痛の仕組みはまだ研究の途上にありますが、鍵を握ると考えられているのが耳の奥にある「内耳(ないじ)」です。内耳は本来、体のバランスを保つセンサーですが、気圧の変化を感じ取るセンサーとしても働いていると考えられています。

メカニズム図解|気圧の変化が不調につながる流れ

1 台風・低気圧の接近:気圧が急激に低下します
2 内耳のセンサーが気圧変化を感知:敏感な方ではこの情報が過剰に脳へ伝わると考えられています
3 自律神経のバランスが乱れる:交感神経が過剰に興奮し、血管の収縮・拡張のコントロールが不安定になります
4 頭痛・めまい・だるさなどの症状が出現:もともとの片頭痛や肩こり、古傷の痛みが悪化しやすくなります

また、猛暑による睡眠不足や脱水、冷房による体の冷えは、それ自体が自律神経の負担となり、天気痛の「出やすさ」を底上げしてしまいます。夏の生活リズムの乱れと天気痛は、切っても切れない関係にあるのです。

こんな症状はありませんか?|セルフチェック

天気痛セルフチェック

□ 雨の降る前や台風が近づくと、頭痛やめまいが出る

□ 天気の変化を「なんとなく体で感じて」予想できることがある

□ 乗り物酔いをしやすい

□ 耳のつまり感・耳鳴りが天気の崩れとともに出る

□ 季節の変わり目に体調を崩しやすい

□ 天気が崩れる日は、だるさや気分の落ち込みが強くなる

複数あてはまる方は、天気の変化に体が敏感なタイプかもしれません。症状が日常生活に影響している場合は、我慢せずにご相談ください。頭痛やめまいの背景に、高血圧・貧血・睡眠時無呼吸などの別の病気が隠れていないかを確認することも、内科のかかりつけ医の大切な役割です。

今日からできるセルフケア5つ

① 「くるくる耳マッサージ」で内耳の血流を保つ

耳を軽くつまんで上・下・横に5秒ずつ引っ張る、耳を横に引っ張りながら後ろに5回ゆっくり回す、耳全体を手のひらで覆って円を描くように回す——こうした耳周りのマッサージは、内耳の血流を保ち、気圧変化への敏感さをやわらげる目的で広く紹介されています。朝・昼・晩の1日3回、天気が崩れそうな日は特に意識して行ってみてください。

② 睡眠リズムを整える

睡眠不足は自律神経の大敵です。熱帯夜が続く時期こそ、冷房を我慢せず適切に使い、起床時刻をそろえることが天気痛対策の土台になります。

③ こまめな水分補給と朝食

夏の脱水は頭痛・だるさを悪化させます。のどが渇く前にこまめに水分をとり、朝食を抜かないことで、血糖と血圧の急な変動を防ぎましょう。

④ 気圧予報アプリで「予測」する

気圧の変化を通知してくれる天気予報アプリを活用し、症状が出やすいタイミングを予測しておくと、予定の調整や早めのセルフケアがしやすくなります。ご自身の症状と天気の関係を「頭痛ダイアリー」に記録しておくと、受診の際にも診断の大きな助けになります。

⑤ 冷房との付き合い方を見直す

屋外との温度差が大きすぎると自律神経の負担が増えます。冷房の設定温度は外気温との差を意識し、直接風に当たらない・羽織りものを使うなどの工夫をおすすめします。

医療機関でできること|当院での診療

「天気のせいだから仕方ない」と我慢されている方は少なくありませんが、医療機関では次のようなアプローチが可能です。

アプローチ 内容
原因の見極め 頭痛の種類(片頭痛・緊張型頭痛など)の見極めと、高血圧・貧血・甲状腺の病気など隠れた原因の検査
頭痛への薬物療法 症状やタイプに応じた鎮痛薬などの適切な使い方のご提案。市販薬の飲みすぎによる「薬剤の使用過多による頭痛」を防ぐ観点からも、使用状況の確認が大切です
漢方薬 天気の崩れに伴う頭痛やめまいに対して、体内の水分バランスを整えるとされる五苓散(ごれいさん)などの漢方薬が、体質や症状に応じて用いられることがあります(保険診療の範囲でご相談いただけます)
生活指導・心身両面のケア 睡眠・食事・運動の指導に加え、ストレスや自律神経の不調が強い場合は当院の心療内科(阿部靖彦医師:木曜午前・隔週金曜午前)とも連携して対応いたします

市販の鎮痛薬を月10日以上飲んでいる方へ

鎮痛薬を頻繁に使い続けると、かえって頭痛が慢性化する「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」につながることが知られています。「痛み止めが手放せない」状態になっている方は、一度ご相談ください。

お子さんの天気痛|「頭が痛くて学校に行けない」とき

天気痛は大人だけのものではありません。お子さん、特に思春期のお子さんにも、天気の崩れとともに頭痛・めまい・朝起きられないなどの症状が出ることがあります。夏休み明けは生活リズムの乱れも重なり、「頭が痛くて学校に行けない」というご相談が増える時期です。

背景に起立性調節障害(OD)や片頭痛が隠れていることもあり、「怠け」「気合いの問題」と誤解されがちな点が心配なところです。当院は内科と小児科を併設しており、お子さんの頭痛も、親御さんの頭痛も、同じ医師に続けてご相談いただけます。ご家族そろって「天気に負けない体調管理」を一緒に考えていきましょう。

危険な頭痛との見分け方|すぐ受診すべきサイン

最後に、とても大切なことをお伝えします。頭痛の大半は命に関わらない「一次性頭痛」ですが、中にはくも膜下出血や脳出血・髄膜炎など、緊急の対応が必要な頭痛が紛れていることがあります。「いつもの天気痛」と思い込まず、次のサインがあれば夜間・休日でもためらわず救急受診(119番)をご検討ください。

重要|すぐに受診が必要な頭痛のサイン

・突然、経験したことのない激しい頭痛が起きた(雷に打たれたような痛み)

・手足のしびれ・麻痺、ろれつが回らない、物が二重に見える

・高熱と首の硬直(うなじが曲げられない)を伴う

・頭を打った後の頭痛、意識がもうろうとする

・頭痛の頻度・強さがだんだん悪化してきている

夏は脱水により脳梗塞のリスクも高まる季節です。頭痛に加えて「FAST」のサイン(顔のゆがみ・腕の脱力・言葉のもつれ)がみられる場合は、ためらわず救急要請してください。

受診前チェックリスト

天気痛・頭痛のご相談で受診される際は、以下をメモしてお持ちいただくと診療がスムーズです。

受診前チェックリスト

□ 症状が出るタイミング(雨の前・台風接近時・朝など)と続く時間

□ 痛む場所と痛み方(ズキズキ・締めつけられる・ふわふわするめまい など)

□ 市販薬を含め、使用しているお薬と飲んだ回数(お薬手帳)

□ 睡眠時間・生活リズムの変化

□ 健康診断の結果(血圧・貧血の指摘など)

竹内内科小児科医院は、東急東横線・目黒線「多摩川駅」から徒歩5分、土曜も午前診療を行っております。平日はお仕事で忙しい方も、お子さんの夏休み中のご相談も、どうぞお気軽にお越しください。WEB予約・WEB問診・LINEからのご予約が便利です。

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自律神経の乱れによる不調は当院の心療内科でもご相談いただけます

五良会グループでは、田園調布の竹内内科小児科医院と港区の五良会クリニック白金高輪が連携し、頭痛の背景となる生活習慣病や貧血の精査まで多角的にサポートしております。また、姉妹院の五良ファミリークリニックセンター南(横浜市都筑区・医療法人社団正友会)では頭痛外来を設けており、慢性頭痛にお悩みの方の専門的なご相談に対応しています。患者さまの転居やライフスタイルの変化に合わせて、同じグループ内で継続診療が受けられる体制を整えております。

参考文献

  1. 日本頭痛学会・日本神経学会(監修)「頭痛の診療ガイドライン2021」医学書院.
  2. ツムラ メディカルサイト「気象病と漢方」(2026年7月閲覧)
  3. 気象庁「台風について」https://www.jma.go.jp/(2026年7月閲覧)
  4. 厚生労働省「熱中症予防のための情報・資料サイト」(2026年7月閲覧)

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日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医・日本旅行医学会認定医

Author: 五藤 良将