【2026年夏】夏に増える帯状疱疹|片側のピリピリ痛みは早めの受診を・ワクチンと定期接種(令和8年度)【田園調布・多摩川】

皆さま、こんにちは。竹内内科小児科医院 院長の五藤良将です。

厳しい暑さが続く2026年の夏。田園調布・多摩川周辺でも、「体の片側だけがピリピリと痛む」「チクチクする違和感の数日後に赤いブツブツが出てきた」といったご相談が、この時期に増えてまいります。その正体が帯状疱疹(たいじょうほうしん)であることは少なくありません。

帯状疱疹は一年を通して起こりますが、国内の大規模疫学調査(宮崎スタディ)では、気温の高い夏場に発症がやや多くなる傾向が報告されています。夏バテによる疲労、寝苦しさによる睡眠不足、強い紫外線、冷房による冷えなどが重なり、体の免疫力が下がりやすい季節だからと考えられています。

今回のブログでは、夏に気をつけたい帯状疱疹について、「なぜ夏に増えるのか」「早く受診すべきサイン」「予防としてのワクチン(2025年4月に定期接種化され、令和8年度で2年目を迎えます)」を、患者さま目線で分かりやすくお伝えいたします。なお、大田区の助成制度やワクチンの選び方の詳細は、別記事「帯状疱疹ワクチン完全ガイド」にまとめておりますので、あわせてご覧ください。

なぜ夏に帯状疱疹が増えるの?

帯状疱疹は、体の中に潜んでいたウイルスが、免疫力が低下したときに再び活動を始めて起こる病気です。夏は一見元気に過ごせそうな季節ですが、実は体にとって免疫が揺らぎやすいタイミングが重なります。

猛暑による夏バテ・食欲不振で栄養が不足しがちになること、熱帯夜の睡眠不足、強い紫外線を浴びることによる負担、そして屋外の暑さと室内の冷房による寒暖差・冷え。これらが重なって疲労がたまると、免疫の働きが一時的に落ち、潜んでいたウイルスが再び目を覚ましやすくなります。

ポイント|夏に免疫が下がりやすい理由

① 夏バテ・食欲不振:栄養不足で体力・免疫力が低下しやすい

② 睡眠不足:熱帯夜で睡眠の質が下がり、疲労が抜けにくい

③ 紫外線:強い日差しが体への負担となる

④ 冷房による冷え・寒暖差:自律神経が乱れ、疲れがたまりやすい

帯状疱疹は50歳代から発症が増え始め、80歳までに約3人に1人が経験するとされる、決して珍しくない病気です。近年は疲労やストレスを背景に、20〜40歳代の若い世代での発症も目立ちます。「まだ若いから大丈夫」と油断はできません。

帯状疱疹はどうして起こる?(メカニズム)

帯状疱疹の原因は、子どものころにかかった水ぼうそう(水痘)と同じ、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)です。水ぼうそうが治ったあとも、このウイルスは死滅せず、背骨の近くにある神経節という場所に長い間じっと潜んでいます

メカニズム図解|帯状疱疹が起こるまで

1 子どものころ水ぼうそうにかかる:治ったあともウイルスは体から消えず、神経節に潜伏します。
2 加齢・疲労・ストレスで免疫が低下:夏バテや睡眠不足などをきっかけに、ウイルスを抑える力が弱まります。
3 ウイルスが再び活動を始める:神経に沿ってウイルスが増え、神経が刺激されてピリピリした痛みが出ます。
4 体の片側に帯(おび)状の発疹が出る:痛みの数日後、神経の走行に沿って赤い発疹・水ぶくれが帯のように現れます。

ウイルスが一本の神経に沿って広がるため、発疹が体の左右どちらか一方だけに、帯のように出るのが大きな特徴です。この「片側性」は、帯状疱疹を見分ける重要な手がかりになります。

見逃さないで|初期症状と受診のサイン

帯状疱疹のやっかいなところは、発疹が出る前に、痛みや違和感が先に始まることです。この段階では見た目に変化がないため、「筋肉痛かな」「肋間神経痛かな」と見過ごされ、受診が遅れてしまうことがあります。

時期 主な症状
前ぶれ(発疹の数日前) 体の片側にピリピリ・チクチクした痛みやかゆみ、違和感。ときに発熱や倦怠感
発疹期 同じ側に赤い発疹が帯状に出現し、やがて水ぶくれになる。痛みが強まることが多い
回復期 水ぶくれがかさぶたになり、通常3〜4週間で皮膚は落ち着く

重要|早めの受診をおすすめするサイン

・体の片側だけにピリピリ・チクチクした痛みが続く

・痛みのある部分に赤い発疹や水ぶくれが出てきた

顔・目のまわり・耳に症状がある(視力や聴力に関わることがあります)

・痛みが強く、日常生活や睡眠に支障が出ている

特に顔や目のまわり、耳に症状が出た場合は、目の合併症や顔面神経のトラブル(後述)につながることがあるため、早めのご相談が大切です。皮膚の症状と全身の状態の両方を、内科の視点で一緒に確認いたします。

こわい合併症|帯状疱疹後神経痛など

帯状疱疹は、皮膚の症状が治っても油断できない病気です。最も注意したいのが、帯状疱疹後神経痛(PHN:Postherpetic Neuralgia)です。

帯状疱疹後神経痛(PHN)

発疹が治ったあとも、傷んだ神経の痛みが数か月から、ときに数年にわたって残ることがあります。「焼けるような」「締めつけられるような」痛みが続き、生活の質を大きく下げてしまうことがあります。年齢が高い方ほど、また急性期の痛みや発疹が強かった方ほど、PHNに移行しやすいことが知られています。

その他の注意したい合併症

合併症 どんな症状か
眼部帯状疱疹 目のまわりに症状が出るタイプ。角膜炎などにより視力に影響することがある
ラムゼイ・ハント症候群 耳に症状が出るタイプ。顔面神経麻痺・めまい・難聴を伴うことがある
皮膚の細菌感染 水ぶくれをかき壊すことで細菌が入り、化膿・悪化することがある

こうした合併症を防ぐためにも、「おかしいな」と思ったら早めに受診することが何より大切です。

治療は「早さ」が命|72時間以内の受診を

帯状疱疹の治療の中心は抗ウイルス薬です。ウイルスの増殖を抑えることで、症状を和らげ、合併症のリスクを下げることが期待できます。この抗ウイルス薬は、できるだけ早く、発疹が出てから72時間(3日)以内に開始することが望ましいとされています。

「様子を見よう」が禁物です

帯状疱疹は、治療の開始が早いほど経過が良くなりやすい病気です。片側のピリピリ・チクチクした痛みや発疹に気づいたら、自己判断で様子を見ず、できるだけ早めにご相談ください。痛みが強いときには、痛み止めの併用など、つらさを和らげる治療も行います。

当院は内科・皮膚科を併設しており、皮膚の症状の確認から、抗ウイルス薬の処方、痛みへの対応、そして持病をお持ちの方の全身管理までを、一つの窓口でご相談いただけます。土曜午前も診療しておりますので、お仕事で平日の受診が難しい方もご利用ください。

予防のかなめ|ワクチンと定期接種(令和8年度)

帯状疱疹は、ワクチンで予防・重症化予防が期待できる病気です。2025年(令和7年)4月から65歳の方などを対象とした定期接種が始まり、2026年度(令和8年度)はその2年目にあたります。

ポイント|令和8年度の定期接種の対象

① 65歳になる方:その年度に65歳の誕生日を迎える方が対象です

② 経過措置(令和7〜11年度の5年間):その年度内に70・75・80・85・90・95・100歳になる方も対象です

③ 60〜64歳の一部の方:免疫機能に一定の障害がある方も対象となります

使用できるワクチンは2種類あり、それぞれ特徴が異なります。ご年齢や体質、通院のご都合に合わせて選ぶことが大切です。

項目 組換えワクチン(シングリックス) 生ワクチン(ビケン)
種類 組換え(不活化)ワクチン 乾燥弱毒生ワクチン
接種回数 2回(通常2か月以上の間隔で筋肉注射) 1回(皮下注射)
特徴 高い予防効果と長い持続が報告されている 1回で完了し、通院負担が少ない
注意点 接種部位の痛み・発熱などが出ることがある 免疫を抑える治療中の方などは接種できない場合がある

大田区では、定期接種のほか、対象年齢に達していない方向けの任意接種の費用助成も行われています(助成の対象・金額・期限は年度ごとに定められています)。助成の最新の内容や、2回接種の場合の接種間隔と期限の注意点など、詳しくは下記の「帯状疱疹ワクチン完全ガイド」と、大田区の公式ページをあわせてご確認ください。ご不明な点は当院までお気軽にご相談ください。

この夏できる|免疫力を守る生活の工夫

ワクチンによる予防と並んで大切なのが、免疫力を落とさない毎日の生活です。特に体力を消耗しやすい夏は、次の点を意識してみてください。

夏の免疫力を守るチェックリスト

□ 睡眠時間をしっかり確保する(寝室の温度・湿度も整える)

□ 冷たいものばかりでなく、たんぱく質・野菜を意識した食事をとる

□ こまめな水分補給で脱水を防ぐ

□ 冷房で体を冷やしすぎない(外気との温度差に注意)

□ 疲れやストレスをためこまず、休息の時間をつくる

糖尿病などの生活習慣病をお持ちの方は、血糖のコントロールが乱れると免疫の働きにも影響することがあります。持病の管理も、帯状疱疹をはじめとする感染症の予防につながる大切な一歩です。当院では、糖尿病内科・生活習慣病の視点も含めて、皆さまの体調をトータルにサポートいたします。

受診前チェックリスト

□ 症状に気づいた時期(いつからか)

□ 痛み・発疹が出ている場所(体のどちら側か)

□ 持病・服用中のお薬・アレルギー歴

□ 過去の水ぼうそう・帯状疱疹の経験、ワクチン接種歴

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糖尿病治療・内視鏡・健康診断のご案内(五良会クリニック白金高輪)
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五良会グループでは、田園調布の竹内内科小児科医院と港区の五良会クリニック白金高輪が連携し、皆さまの健康を多角的にサポートしております。医療法人社団五良会では、患者さまのライフスタイルや転居に合わせて、同じグループ内で継続診療が受けられる体制を整えております。

参考文献

  1. 厚生労働省「帯状疱疹ワクチン(定期接種)」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/shingles/index.html (2026年7月閲覧)
  2. 大田区「帯状疱疹ワクチン接種(定期・任意接種)」https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/hoken/yobou_sessyu/seijin/taijouhoushin_josei20230701.html (2026年7月閲覧)
  3. 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト「宮崎県の帯状疱疹の疫学(宮崎スタディ)」 https://id-info.jihs.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/4014-dj4048.html (2026年7月閲覧)
  4. 日本皮膚科学会ほか「帯状疱疹」患者向け情報(各学会公表資料)

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