【2026年残暑】健診で『尿酸値が高め』と言われたら|夏は痛風発作の危険シーズン・ビール/脱水と高尿酸血症の関係【田園調布・多摩川】

皆さま、こんにちは。竹内内科小児科医院 院長の五藤良将です。

2026年の夏も厳しい残暑が続いておりますが、皆さま体調はいかがでしょうか。この時期、春から初夏に受けた健康診断の結果を手に、「尿酸値が高めと言われたのですが、放っておいて大丈夫ですか?」というご相談で来院される方が増えます。実は夏は1年の中でも痛風発作が起こりやすい季節。大量の汗による脱水、冷たいビールや甘い清涼飲料水など、尿酸値を押し上げる条件がそろいやすいためです。

今回のブログでは、日本痛風・尿酸核酸学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版(2019年/2022年追補版)」に基づき、尿酸値の見方、夏に痛風発作が増える理由、今日からできる生活改善のポイントを、田園調布・多摩川エリアの皆さまに分かりやすく解説いたします。

尿酸値「7.0」の壁とは?|高尿酸血症の基準

尿酸は、細胞の新陳代謝や食事に含まれる「プリン体」が体内で分解されてできる老廃物です。通常は腎臓などから尿として排泄され、血液中の濃度は一定に保たれていますが、産生と排泄のバランスが崩れると血液中に溜まっていきます。

血清尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態を「高尿酸血症」と呼びます。これは性別・年齢を問わず共通の基準で、尿酸が血液中に溶けていられる限界の濃度に基づいています。7.0mg/dLを超えた状態が続くと、溶けきれなくなった尿酸が結晶(尿酸塩結晶)となって関節などに沈着し、あるとき激しい関節の痛み——いわゆる「痛風発作」——を引き起こすことがあります。

ポイント|覚えておきたい「6・7・8」の目安

① 6.0mg/dL以下:治療中の方が目指したいコントロールの目安

② 7.0mg/dL超:「高尿酸血症」と診断される基準

③ 8.0mg/dL以上:合併症の状況により、生活指導に加えてお薬の治療を検討する水準(医師の判断が必要です)

高尿酸血症は圧倒的に男性に多いのが特徴ですが、女性ホルモンには尿酸の排泄を助ける働きがあるため、女性でも閉経後には尿酸値が上がりやすくなります。健診結果で「基準値内だけれど昨年より上がってきた」という変化にも注意が必要です。

なぜ夏は痛風発作が増えるのか

痛風発作は「ある日突然、足の親指の付け根などが真っ赤に腫れて激痛が走る」という形で起こることが多く、夏に受診される方が目立つことが以前から知られています。その背景には、夏ならではの生活環境があります。

メカニズム図解|夏に尿酸値が上がり、発作が起こるまで

1 大量の汗で脱水に:体の水分が減ると血液が濃縮され、血液中の尿酸濃度が相対的に上昇します。尿量も減るため、尿酸の排泄も低下します。
2 ビール・甘い飲み物の摂取が増える:ビールはプリン体を含むうえ、アルコール自体が尿酸の産生を増やし排泄を妨げます。果糖(フルクトース)を多く含む清涼飲料水も尿酸値を上げる方向に働きます。
3 尿酸値が急に変動する:濃度が高い状態が続く、あるいは急に上下すると、関節に沈着した尿酸塩結晶がはがれ落ちるきっかけになります。
4 免疫が結晶に反応し、激しい炎症=痛風発作へ:白血球が結晶を異物として攻撃することで、関節が赤く腫れて激痛を伴う炎症が起こります。

つまり、「脱水+ビール・甘い飲み物」という夏の定番の組み合わせは、尿酸値の観点からは要注意の組み合わせなのです。熱中症対策の水分補給と合わせて、何を飲むかにも少しだけ意識を向けていただければと思います。

高いまま放置するとどうなる?|痛風だけではないリスク

「痛くならなければ様子を見ていてよい」と思われがちですが、高尿酸血症の影響は関節だけにとどまりません。

起こりうる問題 内容
痛風関節炎(痛風発作) 足の親指の付け根などに起こる激しい関節炎。繰り返すと複数の関節に広がり、結節(痛風結節)ができることもあります。
腎臓への影響・尿路結石 尿酸は腎臓から排泄されるため、高い状態が続くと腎機能への負担や尿路結石の原因になることがあります。健診でeGFR低下を指摘された方は特に注意が必要です。
生活習慣病との合併 高尿酸血症は肥満・高血圧・糖尿病・脂質異常症などと合併しやすく、メタボリックシンドロームの一員として動脈硬化のリスク評価に関わります。

特に大切なのは、尿酸値が高い方の多くが内臓脂肪の蓄積・血圧・血糖・中性脂肪の問題を併せ持っているという点です。尿酸値は、いわば生活習慣全体を映す鏡のひとつ。「尿酸値が高め」という健診結果は、体重・血圧・血糖もまとめて見直すよい機会と捉えていただければと思います。

今日からできる生活改善|食事・飲み物・運動

高尿酸血症の治療の土台は、薬の前にまず生活習慣の見直しです。ガイドラインでも、肥満の解消・アルコールや果糖の制限・十分な水分摂取・適度な運動が基本とされています。

(1)飲み物:水やお茶で「尿量を保つ」

尿酸を体の外に出す主役は尿です。心臓や腎臓の病気で水分制限を受けている方を除き、水やお茶などの糖分を含まない飲み物で、1日2L程度の尿量を保てる水分摂取が勧められています。残暑の時期は汗の分も上乗せが必要です。一方、果糖の多いジュースやスポーツドリンクの飲みすぎ、そして「水分補給代わりのビール」は逆効果になりえます。アルコールはむしろ脱水を進めることにもご注意ください。

(2)食事:プリン体は「量とバランス」で考える

プリン体の摂取目安は1日およそ400mgまでとされています。レバー類・白子・干物・魚卵などはプリン体が多い食品の代表です。ただ、極端に「あれもダメ、これもダメ」と考えるより、体重を適正に近づけること自体が尿酸値の改善につながることが分かっていますので、まずは食べすぎ・飲みすぎを整えることが近道です。アルコールは種類を問わず尿酸値を上げる方向に働きますが、目安としてビールなら500mL程度までにとどめ、休肝日を設けることをお勧めしています。

(3)運動:軽めの有酸素運動をコツコツと

ウォーキングなどの軽い有酸素運動は、内臓脂肪を減らし、血圧・血糖・脂質とあわせて尿酸値の改善にも役立ちます。一方、短距離ダッシュや強度の高い筋力トレーニングのような激しい無酸素運動は、一時的に尿酸値を上げることがあるため、尿酸値が高い方はやりすぎに注意が必要です。残暑の時期は、朝夕の涼しい時間帯に無理のない範囲で行いましょう。

残暑の運動で気をつけていただきたいこと

大量に汗をかいたまま水分補給が追いつかないと、運動そのものが脱水→尿酸値上昇のきっかけになります。運動の前後・途中でこまめに水分をとり、暑さ指数(WBGT)が高い日は無理をしないでください。熱中症対策と尿酸対策は両立が基本です。

お薬による治療はいつから?|受診の目安

お薬(尿酸降下薬)を始めるかどうかは、尿酸値の数字だけでなく、痛風発作の経験の有無、腎機能、高血圧・糖尿病などの合併症を総合して判断します。ガイドラインでは、痛風発作を起こしたことがある方は薬物療法を検討し、発作のない方でも、おおむね9.0mg/dL以上、合併症をお持ちの場合は8.0mg/dL以上で薬物療法を考慮するという目安が示されています。いずれも保険診療の範囲で行う一般的な治療ですが、開始のタイミングやお薬の種類は一人ひとり異なりますので、自己判断せず医師にご相談ください。

また、痛風発作の最中に自己判断で対応すると、かえって症状が長引くことがあります。急な関節の激痛・腫れが出たときは、我慢せず早めに受診していただくのが結果的に一番の近道です。

受診をおすすめするチェックリスト

□ 健診で尿酸値7.0mg/dL超を指摘された(または年々上がってきている)

□ 足の親指の付け根・足首・膝などが急に腫れて痛んだことがある

□ 尿酸値に加えて、血圧・血糖・中性脂肪・腹囲も引っかかった

□ 健診でeGFRの低下や尿路結石を指摘されたことがある

□ ビールや甘い飲み物を飲む機会がこの夏増えている

よくあるご質問

Q1. プリン体ゼロのビールなら大丈夫ですか?

プリン体カットの製品でも、アルコール自体に尿酸値を上げる作用があります。「プリン体ゼロだから安心」とは言い切れませんので、量を控えめにすることが基本です。

Q2. 痛みがないのに治療する意味はありますか?

発作がなくても、高い状態が続けば腎臓への負担や結石、生活習慣病の重なりが心配されます。まずは生活改善から始め、数値や合併症に応じてお薬を検討する、という段階的な考え方をしますので、「痛くないうちからの管理」にこそ意味があります。

Q3. 家族に痛風の人がいます。子どもにも関係ありますか?

尿酸値には体質(遺伝的要因)も関わりますが、食生活や肥満などの環境要因の影響も大きいことが分かっています。ご家族に痛風・高尿酸血症の方がいる場合、お子さまの頃からの食習慣づくりは大切です。当院は内科と小児科を併設しておりますので、親子それぞれの生活習慣について同じ医師にまとめてご相談いただけます。

当院でできること|田園調布・多摩川エリアの皆さまへ

竹内内科小児科医院では、健診で尿酸値・血圧・血糖・脂質などを指摘された方の再検査・精密検査から、生活習慣の改善サポート、必要に応じたお薬の治療まで、生活習慣病の外来として一貫して対応しております。糖尿病内科・代謝内科の視点から、尿酸値だけでなく体全体のバランスを見た診療を心がけています。

お仕事でお忙しい方も、土曜午前の診療をご利用いただけます。田園調布・多摩川・沼部エリアで「健診結果を誰かに相談したい」と思われたら、結果表をお持ちのうえ、どうぞお気軽にお越しください。

健診で「尿酸値が高め」と言われたら、まずはご相談ください

竹内内科小児科医院(東急東横線・目黒線 多摩川駅 徒歩5分)

診療時間:午前9:00〜12:00/午後15:30〜19:00(土曜は午前のみ・日祝休)

ご予約は下記のWEB予約・WEB問診・LINE・お電話(03-3721-5222)からどうぞ。

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五良会グループでは、田園調布の竹内内科小児科医院と港区の五良会クリニック白金高輪が連携し、生活習慣病・代謝の診療を多角的にサポートしております。患者さまの転居やライフスタイルの変化に合わせて、同じグループ内で継続診療が受けられる体制を整えております。

参考文献

  1. 日本痛風・尿酸核酸学会 ガイドライン改訂委員会(編). 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版[2022年追補版]. 診断と治療社; 2022.
  2. 日本痛風・尿酸核酸学会 ガイドライン改訂委員会(編). 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版. 診断と治療社; 2019.
  3. 公益財団法人 痛風・尿酸財団「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン ダイジェスト版」 https://www.tufu.or.jp/pdf/guideline_digest.pdf(2026年8月閲覧)
  4. 日本高血圧学会. 高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025). ライフサイエンス出版; 2025.
  5. 厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023.(2026年8月閲覧)

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