帯状疱疹ワクチンについて

当院では帯状疱疹の予防として帯状疱疹ワクチン接種を行っております。

過去に帯状疱疹に罹ったことのある方でも接種可能です。

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が初感染で水痘を引き起こした後に知覚神経節に潜伏感染し免疫低下などが誘因となり再活性化を起こして発症する疾患です。日本における帯状疱疹の発生頻度は年間1000人当たり5人程度とされています。加齢に伴い増加する傾向があり、50歳を境に発症率が急激に上昇し70歳以上では1000人当たり10人以上となります。アシクロビルなどの抗ヘルペスウイルス薬治療薬がありますが、色素沈着などの様々な合併症や帯状疱疹後神経痛(PHN)(皮疹消失後3ヶ月以上痛みが持続)により長期にわたり苦しむ場合が多いのでワクチンによる予防が大切です。

VZVに対する免疫は加療に伴って低下すること、水痘ワクチン接種がVZVに対する免疫力の回復に有効であることが証明され、2016年から「50歳以上の者に対する帯状疱疹の予防」と適応拡大され小児用の水痘ワクチンがそのまま帯状疱疹予防にも用いられております。アメリカの調査で、ワクチンにより帯状疱疹の発生率が51.3%減少、PHNの発生率も66.5%減少し、帯状疱疹の重症度も61.1%低下したと報告されています。

帯状疱疹ワクチン(水痘ワクチン)は、日本では50歳以上の者に対する帯状疱疹の予防として1回接種すればよいとされていますが、アメリカの論文では帯状疱疹予防効果は接種後3~11年で予防効果が減弱すると報告されております(Schmader KE, Levin MJ, et al : Clin Infect Dis 54:922-928,2012)ので、ご相談ください。

注意点として帯状疱疹ワクチン(水痘ワクチン)は生ワクチンのため妊婦、非完解状態の血液がん患者、造血幹細胞移植後、固形がんで3ヶ月以内に化学療法施行の患者、免疫抑制療法施行中(プレドニゾロン等のステロイド、シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン等を投与されている場合)の患者、HIV患者などは禁忌となってますので予防接種を受けられません。妊娠している時やその疑いのある時には接種することはできず、接種後2か月間は妊娠を避けるようにしなければなりません。別の種類の予防接種を受ける場合は28日以降と間隔を空ける必要があります。カナマイシン、エリスロマイシンの抗生剤が含まれるため、過去にアレルギー反応を起こした方は接種できません。

インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンとの同時接種は可能です。
※ 2022年6月12日追記
(新型コロナワクチンとの同時接種は医学的には問題ないですが、新型コロナワクチンは歴史が浅いためやはり前後2週間は他のワクチン接種は控えた方がよいです。)
当院では2022年5月から「シングリックス®(不活性化・乾燥組み換え帯状疱疹ワクチン)」(←参照)も開始しました。


■助成金額■ 

R5年7月1日から、「帯状疱疹ワクチン」の一部助成が始まりました。


<当院の価格>

・生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン) 8,000円税込み 

 助成金が5,000円のため、3,000円で接種可能です。


・不活化ワクチン(シングリックス) 1回22,000円税込み 

 助成金が10,000円のため、1回 12,000円で接種可能です。

 ※2か月後に2回目の接種が必要です。

 (2か月~遅くとも6か月までに2回目を接種下さい)

くわしくは当院の院長・スタッフまでおたずねください。


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Author: 五藤 良将

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