皆さま、こんにちは。竹内内科小児科医院 院長の五藤良将です。
「海外旅行が決まったけど、何のワクチンを打てばいいのか分からない」——トラベルワクチン外来で最も多くいただくご質問です。渡航ワクチンは「行き先」「滞在期間」「活動内容」で必要なものが大きく変わります。同じ東南アジアでも、バンコクのホテル滞在と山岳地帯のトレッキングでは推奨ワクチンが異なりますし、同じインドでも都市部と農村部では狂犬病・ポリオのリスク評価が変わります。
本記事は、米国CDC(疾病予防管理センター)Yellow Book 2026年版・厚生労働省検疫所FORTH・WHOの最新情報をもとに、渡航先(地域・国)別に感染症リスクと必要ワクチンをまとめた「行き先別」完全ガイドです。料金や具体的な予約方法は、姉妹記事「【完全ガイド】トラベルワクチン外来|海外渡航前のワクチン相談【2026年最新料金】」をあわせてご覧ください。本記事は「どこに行くなら何を打つべきか・なぜ必要なのか」に焦点を当てた決定支援記事として、ご活用いただける内容です。
目次
- なぜ「行き先別」で考える必要があるのか
- すべての渡航者が確認すべき「定期接種ワクチン」
- 渡航ワクチンの3分類|入国必須/推奨/状況に応じて
- 地域別ワクチン早見表
- 東南アジア編|タイ・ベトナム・カンボジア・インドネシア・フィリピン
- 南アジア編|インド・ネパール・スリランカ・バングラデシュ
- アフリカ編|サブサハラ・東アフリカ・西アフリカ
- 中南米編|ブラジル・ペルー・ボリビア・メキシコ
- 中東・北アフリカ編|サウジアラビア・UAE・エジプト・モロッコ
- オセアニア編|オーストラリア・ニュージーランド・南太平洋諸国
- 北米・欧州編|留学・駐在で必要なワクチン
- 接種スケジュール|なぜ「出発の4〜6週間前」が理想なのか
- 当院でのご予約・受診の流れ
- 五良会グループの関連診療|渡航医学認定医2名在籍
- 参考文献
なぜ「行き先別」で考える必要があるのか
海外渡航前のワクチン選択を「とりあえず一通り打っておく」と考えるのは、医学的にも費用面でも合理的ではありません。感染症の流行は地域によって大きく異なり、ワクチンの推奨度は「行き先」と「活動内容」で決まります。
たとえば、黄熱はアフリカと中南米の熱帯地域でしか流行しておらず、東南アジアやヨーロッパでは不要です。一方、日本脳炎は東南アジア・南アジアの稲作地帯で流行する一方、アフリカでは不要です。狂犬病はインド・東南アジア・アフリカで深刻なリスクがある一方、北米・西欧では極めて稀です。
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ポイント|ワクチン選択を決める3つの軸 ① 行き先(Where):国だけでなく、その国のどの地域か(都市部・農村部・ジャングル) ② 滞在期間(How long):短期観光か長期駐在か。長期になるほどリスク曝露が累積する ③ 活動内容(What):ホテル滞在中心か、登山・トレッキングか、医療系業務か、農村ボランティアか |
これらを総合的に評価して、過不足のないワクチンプランを組むのが「渡航医学」の本質です。本記事では、地域別に「最低限必要なワクチン」「強く推奨されるワクチン」「状況により考慮するワクチン」の3段階で整理してお伝えいたします。
すべての渡航者が確認すべき「定期接種ワクチン」
渡航ワクチンの議論に入る前に、まず確認すべきは日本の定期接種で受けたワクチンが免疫として残っているかです。CDCも厚労省FORTHも、「すべての渡航者は、まずroutine vaccinations(定期接種)が完了していることを確認すべし」と明記しています。
| ワクチン | 確認ポイント |
|---|---|
| 麻疹・風疹(MR/MMR) | 2回接種が完了しているか確認。母子手帳で確認できない場合は抗体検査を推奨。2026年現在、日本国内でも麻疹が流行中 |
| Tdap(破傷風・ジフテリア・百日咳) | 最終接種から10年以上経過していれば追加接種を推奨。2025年から日本国内で百日咳が異常流行 |
| 水痘(みずぼうそう) | 既往または2回接種が完了しているか確認。海外の大学・寮では集団感染リスクあり |
| ポリオ | 特に1975〜1977年生まれの方は免疫が低いことが分かっており、流行地域への渡航時は追加接種を検討 |
| インフルエンザ・新型コロナ | 熱帯地域では年中流行している。シーズン中の渡航では接種を推奨 |
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重要|麻疹(はしか)は2026年も警戒すべき CDCは「世界中で麻疹が増加しており、すべての渡航者は出発前に麻疹のワクチン接種を完了させること」と明記しています。日本国内でも患者報告が急増しており、海外渡航前の抗体検査と必要に応じた追加接種を強くお勧めします。詳しくは「今すぐ確認を!麻疹(はしか)が全国で流行中|抗体検査・ワクチン接種は竹内内科小児科医院へ」をご覧ください。 |
渡航ワクチンの3分類|入国必須/推奨/状況に応じて
渡航ワクチンは、その必要性によって3つに分類されます。当院での問診でも、この3段階で整理してご案内しています。
渡航ワクチンの3分類
| 入国必須ワクチン(Required):入国時に証明書の提示が義務付けられている。代表例は黄熱ワクチン(アフリカ・中南米の流行地から入国する場合)、髄膜炎菌(メッカ巡礼者)。 | |
| 強く推奨されるワクチン(Recommended):入国は可能だが、感染リスクが高く接種が強く勧められる。地域・国によって異なる。例:A型肝炎、B型肝炎、腸チフス、日本脳炎、狂犬病。 | |
| 状況により考慮(Consider):長期滞在・特殊活動・特定リスクがある場合に検討。例:コレラ(医療従事者・農村ボランティア)、髄膜炎菌B群(米国大学寮)、ダニ媒介脳炎(ロシア・東欧の森林滞在)。 |
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黄熱ワクチンに関するご注意 黄熱ワクチンはWHOの国際保健規則に基づき、厚生労働省が指定した検疫所・限られた医療機関でのみ接種可能です。当院では接種できませんので、アフリカ・中南米の黄熱流行地への渡航をご予定の方は、検疫所にご予約ください。 黄熱予防接種証明書(イエローカード)は接種10日後から生涯有効です。2016年にWHOが追加接種要件を撤廃したため、過去に発行された有効期間10年の証明書も生涯有効となっています(廃棄せずに保管してください)。 |
地域別ワクチン早見表
以下は地域別のワクチン推奨度の早見表です。★★★=強く推奨、★★=推奨、★=活動内容により考慮でお示しします。
| 地域 | A型 肝炎 |
B型 肝炎 |
破傷 風 |
狂犬 病 |
腸チ フス |
日本 脳炎 |
髄膜 炎菌 |
黄熱 | ポリ オ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 東南アジア | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ | ★★ | ― | ― | ― |
| 南アジア | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ | ― | ― | ★★ |
| サブサハラ・アフリカ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ | ― | ★★★ | ★★★ | ― |
| 中南米(熱帯) | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ | ★ | ― | ― | ★★★ | ― |
| 中東・北アフリカ | ★★★ | ★★ | ★★ | ★★ | ★ | ― | ★※ | ― | ― |
| 北米・西欧 | ★ | ★ | ★★ | ― | ― | ― | ★※ | ― | ― |
| オセアニア | ★ | ★ | ★★ | ― | ― | ★※ | ― | ― | ― |
※中東・北アフリカの髄膜炎菌は、メッカ巡礼(ハッジ・ウムラ)でサウジアラビア入国時に必須。北米・西欧の髄膜炎菌は、米国大学寮入居時に必須。オセアニアの日本脳炎は、パプアニューギニアやインドネシア国境地域への渡航時に推奨。
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ポイント|早見表は「最初の検討」のためのもの この早見表は、「最初に何を検討すべきか」のたたき台です。実際の接種計画は、滞在期間・活動内容・既往歴・接種歴を踏まえて医師が個別に判断します。当院ではトラベルワクチン外来で、お一人おひとりに最適なプランをご提案いたします。 |
東南アジア編|タイ・ベトナム・カンボジア・インドネシア・フィリピン
東南アジアは日本人が最も多く渡航する地域のひとつですが、感染症リスクは決して低くありません。CDC Yellow Book 2026年版でも、A型肝炎・B型肝炎・腸チフス・日本脳炎・狂犬病が主要リスクとして挙げられています。
必須・強く推奨されるワクチン
- A型肝炎:汚染された食物・水から感染。屋台や生水のリスクは観光地でも存在する。短期旅行でも推奨
- B型肝炎:医療処置・刺青・性的接触・歯科治療等で感染リスク。長期滞在では特に重要
- 破傷風(Tdap):怪我や動物咬傷で感染。最終接種から10年以上経過なら追加接種
- 狂犬病:東南アジアは世界の狂犬病死亡の大きな割合を占める地域。野犬・サル・コウモリへの接触リスクがある場合は曝露前接種を推奨。バリ島は特に有名なリスク地域
活動・期間により推奨
- 腸チフス:農村部滞在・長期滞在・衛生環境の悪い地域でリスク上昇。バックパッカーや農村ボランティアには強く推奨
- 日本脳炎:稲作地帯(タイ北部、ベトナム北部、カンボジア、インドネシア・バリ島の農村等)でリスク。雨季(5〜10月)の長期滞在では特に推奨。日本国内の定期接種を完了していても、長期滞在前は追加接種を検討
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エビデンス|東南アジアの腸チフス耐性化 出典:CDC Yellow Book 2026, “Typhoid & Paratyphoid Fever” 東南アジア(特にベトナム・パキスタン・インド)では、シプロフロキサシン耐性の腸チフス菌が増加しており、感染すると入院・点滴治療が必要になるケースが増えています。予防接種の重要性が以前より高まっていると評価されています。 |
注意すべきワクチン非適応の感染症
東南アジアではマラリア・デング熱・チクングニア熱・ジカ熱などワクチンで予防できない感染症もあります。マラリア流行地への渡航では予防内服薬の処方を、蚊媒介感染症全般には長袖・虫除け(DEET 30%以上)・蚊帳の使用が重要です。
南アジア編|インド・ネパール・スリランカ・バングラデシュ
南アジアは東南アジアと比べてもさらに高い感染リスクが指摘されている地域です。CDC・WHOともに、南アジアは世界で最も腸チフス・狂犬病・A型肝炎の罹患リスクが高い地域と位置付けています。
強く推奨されるワクチン
- A型肝炎:南アジアではほぼ全域でハイリスク。短期旅行でも必須
- 腸チフス:インドの腸チフス発症率は世界最高レベル。短期渡航でも強く推奨。近年、インドでは抗菌薬耐性の高度耐性株(XDR)が出現しており、予防接種の意義はさらに高まっている
- B型肝炎:長期滞在・医療処置・刺青等のリスクで推奨
- 狂犬病:インドは世界の狂犬病死亡の3分の1を占めるとされる。野犬への遭遇は都市部でも珍しくない
- 破傷風(Tdap):怪我リスクで推奨
- ポリオ:パキスタン・アフガニスタンは野生型ポリオ流行国であり、これらに渡航する場合は追加接種が推奨される。インド・ネパール・スリランカ・バングラデシュも周辺国として注意が必要
活動により推奨
- 日本脳炎:農村部・雨季・長期滞在で推奨
- 髄膜炎菌:北部インドの一部地域では集団感染が報告されている。長期滞在・若年者・寮生活では考慮
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エビデンス|インドの腸チフスXDR株 出典:WHO, Global Antimicrobial Resistance and Use Surveillance System (GLASS) Report 2018年以降、パキスタン・インドを中心にセフトリアキソンを含む第3世代セファロスポリンに耐性を示すXDR腸チフス株の流行が確認されています。これは従来の標準治療が効かないことを意味し、感染すれば長期入院と高度な抗菌薬治療が必要となります。 |
高地への渡航ならダイアモックスも検討
ネパール・北インド(ラダック地域・ヒマラヤトレッキング・カシミール)への渡航では、高山病予防薬(アセタゾラミド)の処方も検討が必要です。詳しくは「【医師監修】富士登山と高山病|ダイアモックス(アセタゾラミド)処方の実際・予防スケジュール・副作用を徹底解説【2026年最新】」をご覧ください。富士山だけでなく、海外の高地旅行(キリマンジャロ・マチュピチュ・チベット・ラパスなど)での予防についても解説しています。
アフリカ編|サブサハラ・東アフリカ・西アフリカ
アフリカ大陸は地域によって感染症リスクが大きく異なります。サブサハラ(サハラ砂漠以南)は特に多くの感染症リスクがあり、慎重な準備が必要です。
入国必須ワクチン
- 黄熱(Yellow fever):赤道アフリカ(北緯15度〜南緯15度)の多くの国で入国時に証明書要求。代表的な国:ケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダ、ガーナ、ナイジェリア、エチオピア、コンゴ等。当院では黄熱ワクチン接種は不可(検疫所で接種)
強く推奨されるワクチン
- A型肝炎・B型肝炎:全域でリスク。長期駐在では必須
- 破傷風(Tdap):怪我・動物接触リスク
- 狂犬病:サブサハラで広く流行。サファリツアーや農村滞在では推奨
- 髄膜炎菌(4価結合型ワクチン):「髄膜炎ベルト」と呼ばれるサハラ砂漠以南の東西に細長い地域(西はセネガルから東はエチオピア)で大規模流行が起きる。乾季(12月〜6月)は特にリスクが高い。長期滞在者は接種推奨
状況により推奨
- 腸チフス:農村部・長期滞在
- コレラ:難民支援・医療従事者・一部の農村ボランティア
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重要|マラリアは予防内服が必要 サブサハラ・アフリカは世界で最もマラリアの罹患・死亡が多い地域です。マラリアにはワクチンがなく、予防内服薬(メフロキン・アトバコン/プログアニル等)と防蚊対策が必須です。日本国内ではマラリア予防薬の処方が限定的で、より専門的な渡航医学相談が必要です。当グループでは、姉妹院「五良会クリニック白金高輪」の渡航医学認定医による包括的な相談に対応しております(後述)。 |
中南米編|ブラジル・ペルー・ボリビア・メキシコ
中南米は黄熱の流行地域が含まれており、特にアマゾン川流域諸国(ブラジル、ペルー、ボリビア、コロンビア、エクアドル、ガイアナ、スリナム、ベネズエラ等)への渡航では黄熱ワクチンが必須または強く推奨です。
入国必須または強く推奨
- 黄熱:アマゾン流域の国々への渡航で必須または強く推奨。短期間の都市部滞在のみなら不要のケースもあるが、ジャングル・農村滞在では必須。当院では接種不可(検疫所のみ)
- A型肝炎:全域で推奨
- 破傷風(Tdap):怪我リスクで推奨
活動により推奨
- B型肝炎:長期滞在
- 狂犬病:農村部・動物接触リスク
- 腸チフス:長期滞在・農村部・衛生環境の悪い地域
高地都市・遺跡への渡航では高山病対策も必須
ペルーのクスコ(3,399m)・マチュピチュ(2,430m)、ボリビアのラパス(3,640m)・ティティカカ湖周辺(3,800m)はいずれも標高2,500mを大きく超えており、急速に高地へ移動するため高山病のリスクが極めて高いです。事前にダイアモックス(アセタゾラミド)の処方を受けておくことを強く推奨します。
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関連記事|中南米高地旅行と高山病 クスコ・マチュピチュ・ラパス等の高地旅行での高山病予防について、【医師監修】富士登山と高山病|ダイアモックス処方の実際・予防スケジュール・副作用を徹底解説で詳しく解説しています。海外の高地旅行先別の予防の重要度もご確認いただけます。 |
中東・北アフリカ編|サウジアラビア・UAE・エジプト・モロッコ
中東・北アフリカは観光・ビジネス渡航の機会が増えていますが、地域特有のリスクがあります。
サウジアラビアのメッカ巡礼者は髄膜炎菌が必須
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入国必須|メッカ巡礼(ハッジ・ウムラ) サウジアラビアのメッカへの巡礼者には、4価髄膜炎菌結合型ワクチン(メンクアッドフィ等)の接種証明書が査証取得時に必須です。世界中から大量の巡礼者が集まるため、過去にも髄膜炎菌の集団感染が起きており、サウジアラビア当局が義務化しています。 |
推奨されるワクチン
- A型肝炎:エジプト・モロッコ・トルコ・ヨルダン等でリスクあり
- B型肝炎:長期滞在で推奨
- 破傷風(Tdap):怪我リスクで推奨
- 狂犬病:農村滞在・動物接触リスク
- 腸チフス:エジプト・モロッコの農村部や衛生環境が良くない地域では考慮
オセアニア編|オーストラリア・ニュージーランド・南太平洋諸国
オーストラリア・ニュージーランドは先進国で衛生環境も良く、追加の渡航ワクチンは基本的に不要です。ただし、定期接種ワクチン(MMR・Tdap)の確認はいずれの渡航先でも必須です。
推奨される対応
- MMR:オーストラリアでも麻疹のアウトブレイクが時折発生。2回接種を確認
- Tdap:10年以上経過していれば追加接種
- インフルエンザ:南半球シーズン(5〜10月)に渡航する場合は推奨
南太平洋諸国・パプアニューギニア
- A型肝炎・破傷風:パプアニューギニア・ソロモン諸島・バヌアツ等の島嶼国では推奨
- 日本脳炎:パプアニューギニアはCDC・WHOが流行地域として位置付けており、推奨
- 狂犬病:島嶼国の一部でリスク
北米・欧州編|留学・駐在で必要なワクチン
北米・西欧自体は感染症リスクが低く、観光・短期滞在では追加ワクチンは基本的に不要です。ただし、留学・長期駐在の場合は学校・企業から特定のワクチンが要求されることが多くあります。
米国大学留学で必須となることが多いワクチン
- MMR(麻疹・おたふく・風疹):2回接種証明が必須。M-M-R®Ⅱ(輸入)の追加接種で対応可能
- 水痘:2回接種または既往の証明
- Tdap:10年以内の追加接種
- B型肝炎:3回接種完了
- 髄膜炎菌4価(メンクアッドフィ):大学寮入居時に必須となることが多い
- 髄膜炎菌B群(Bexsero):近年、米国の多くの大学で推奨。4価とB群は別ワクチンであり、両方の接種が望ましい
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関連記事|米国留学の髄膜炎菌ワクチン 「4価ワクチン(メンクアッドフィ)」と「B群ワクチン(Bexsero)」がなぜ両方必要なのか、その違いと臨床的意義について髄膜炎菌ワクチン|メンクアッドフィとBEXSERO(B群)の両方が大切な理由で詳しく解説しています。 |
欧州駐在で考慮すべき特殊ワクチン
- ダニ媒介脳炎(TBE):ロシア・東欧・北欧・スイス・ドイツ南部等で森林・農村滞在をする場合に検討
- 麻疹:欧州でも周期的にアウトブレイクが発生。MMR接種歴の確認は必須
接種スケジュール|なぜ「出発の4〜6週間前」が理想なのか
「出発の何週間前から始めればいい?」というご質問に対して、理想は出発の4〜6週間前とお答えしています。これは医学的な根拠に基づくスケジュールです。
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エビデンス|4〜6週間前推奨の理由 ① 多くのワクチンは複数回接種が必要:A型肝炎は2〜3回、B型肝炎は3回、狂犬病は3回接種が必要。1回目から最終回まで4週間以上かかるワクチンが多い ② 抗体獲得には時間がかかる:接種後、十分な免疫が獲得されるまで2週間〜1ヶ月程度を要する ③ 黄熱予防接種証明書は接種10日後から有効:黄熱が必須の国に渡航する場合、最低でも出発10日前に接種が必要 ④ 副反応観察期間の確保:万が一の副反応に対応する余裕が必要 |
出発まで時間がない場合の対応
「出発まで2〜3週間しかない」というご相談も多くいただきます。この場合でも、可能な限りの対応は可能です。
- A/B型肝炎混合(Twinrix)の迅速スケジュール:0日・7日・21日の3回接種で短期間に基礎免疫を獲得可能。詳しくは【渡航直前でも間に合う】A型・B型肝炎混合ワクチンTwinrix|最短3週間の迅速スケジュール対応をご覧ください
- 狂犬病曝露前接種:0日・7日・21日(または28日)の3回接種で基礎免疫が得られる
- 同時接種の活用:異なる種類のワクチンを同日に接種することで時間を短縮(一部組み合わせに制限あり)
当院でのご予約・受診の流れ
当院(竹内内科小児科医院)では、トラベルワクチン外来を通年で行っております。具体的な料金や予約方法、ワクチン在庫状況については、姉妹記事をあわせてご覧ください。
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▶ 詳しい料金・予約方法はこちら 【完全ガイド】トラベルワクチン外来|海外渡航前のワクチン相談【2026年最新料金】 2026年最新の税込価格、ワクチン別の接種回数、英文証明書発行の流れ、輸入ワクチン(Twinrix、ハブリックス、ChiroRab、Bexsero、Boostrix、MMR-Ⅱ)の取り扱い等を網羅しています。 |
受診時にご準備いただきたいもの
- 渡航先・渡航日程・滞在期間が分かるもの(航空券、出張通知書等)
- 母子手帳(接種歴の確認に最も重要)
- 過去のワクチン接種証明書(英文・和文どちらでも)
- 常用薬がある方はお薬手帳
- アレルギー(特に卵・ゼラチン・抗菌薬)の情報
五良会グループの関連診療|渡航医学認定医2名在籍
医療法人社団五良会では、田園調布の竹内内科小児科医院に加え、姉妹院の五良会クリニック白金高輪に日本旅行医学会認定医(五藤良将理事長)と日本渡航医学会認定医(安達弘人医師)の2名の認定医が在籍しております。より専門的な渡航医学相談(長期駐在前の包括カウンセリング、髄膜炎ベルト諸国・南米奥地等の特殊地域、高地登山相談、マラリア予防内服薬等)には、姉妹院との連携でも対応可能です。
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関連記事|竹内内科小児科医院(田園調布)
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関連記事|五良会クリニック白金高輪(港区)
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参考文献
- CDC. CDC Yellow Book 2026: Health Information for International Travel. Centers for Disease Control and Prevention. https://www.cdc.gov/yellow-book/(2026年5月閲覧)
- CDC. Yellow Fever Vaccine and Malaria Prevention Information, by Country. CDC Yellow Book 2026 Edition. Updated April 23, 2025.
- 厚生労働省検疫所 FORTH「海外渡航のためのワクチン(予防接種)」https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/useful_vaccination.html(2026年5月閲覧)
- 厚生労働省検疫所 FORTH「黄熱に注意しましょう!」https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/yellow_fever_certificate.html(2026年5月閲覧)
- WHO. International Travel and Health. World Health Organization.
- WHO. Global Antimicrobial Resistance and Use Surveillance System (GLASS) Report.
- JICA「予防接種のご案内 2026年4月改訂」https://www.jica.go.jp/volunteer/qualifier/document/04-3-13.pdf(2026年5月閲覧)
- 日本旅行医学会「国内トラベルクリニック」http://jstm.gr.jp/(2026年5月閲覧)
- 日本渡航医学会「国内トラベルクリニック」https://jstah.umin.jp/02travelclinics/(2026年5月閲覧)