【2026年9月】サンドウィッチマン伊達みきおさんが脳梗塞で休養に|メタボリックシンドロームと脳梗塞リスク・働き盛り世代が知っておきたい「FAST」と予防【田園調布・多摩川】

皆さま、こんにちは。竹内内科小児科医院 院長の五藤良将です。

2026年8月28日、お笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきおさんが脳梗塞と診断され、当面の間休養されることが所属事務所から発表されました。報道によりますと、体調不良を訴えて検査を受けたところ脳梗塞と診断され、幸い大事には至らず、現在は入院のうえ回復に向けてリハビリに励んでいらっしゃるとのことです。テレビでおなじみの方だけに、驚かれた方も多いのではないでしょうか。一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。

今回のニュースで多くの方に知っていただきたいのは、脳梗塞は決して「高齢者だけの病気」ではないということです。40〜50代の働き盛り世代の脳梗塞は珍しくなく、その背景として重要なのがメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に代表される生活習慣病の重なりです。なお、伊達さんご自身の発症の原因は公表されておらず、本記事で個別の病状を推測するものではありません。今回は一般論として、メタボリックシンドロームと脳梗塞リスクの関係、そして万一のときに命を守る「FAST」の合言葉について、脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2025〕などの最新の知見をもとに解説いたします。

脳梗塞とは——働き盛り世代も無関係ではありません

脳梗塞は、脳の血管が詰まって血流が途絶え、その先の脳細胞が障害される病気です。脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の中で最も多くを占めます。脳梗塞には大きく分けて3つのタイプがあります。

タイプ 詰まり方 主な背景
ラクナ梗塞 脳の細い血管が詰まる 高血圧
アテローム血栓性脳梗塞 動脈硬化で狭くなった太い血管が詰まる 高血圧・糖尿病・脂質異常症・メタボ・喫煙
心原性脳塞栓症 心臓にできた血栓が脳に飛ぶ 心房細動などの不整脈

このうちラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞は、高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満・喫煙といった生活習慣病の積み重ねが土台になります。動脈硬化は数年〜数十年かけて音もなく進むため、40〜50代の発症は「その日突然」ではなく、実は長い準備期間の末に起こるのです。だからこそ、働き盛りの今からの対策に意味があります。

メタボリックシンドロームが脳梗塞を招くメカニズム

メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積を土台に、高血圧・高血糖・脂質異常が重なった状態です。一つひとつは「ちょっと高め」程度でも、重なることで動脈硬化が加速することが分かっています。

メカニズム図解|内臓脂肪から脳梗塞までの流れ

1 内臓脂肪がたまる:食べすぎ・飲みすぎ・運動不足で、おなかの内側に脂肪が蓄積
2 悪玉物質が分泌される:内臓脂肪から血圧・血糖・脂質を悪化させる物質(アディポサイトカイン)が出て、血管に炎症が起こりやすくなる
3 高血圧・高血糖・脂質異常が重なる:それぞれが血管の内側の壁を傷つける
4 動脈硬化が進む:血管の壁が厚く・硬くなり、プラーク(こぶ)ができて血液の通り道が狭くなる。この間、痛みなどの自覚症状はほとんどありません
5 血管が詰まる=脳梗塞:プラークが破れて血栓ができ、脳の血管をふさぐ

ポイント|危険因子は「足し算」ではなく「掛け算」

厚生労働省のe-ヘルスネットでも紹介されているとおり、肥満・高血圧・高血糖・脂質異常などの危険因子は、複数重なると心筋梗塞や脳梗塞のリスクが数倍〜数十倍に跳ね上がることが国内の疫学研究で示されています。一つひとつが軽くても「重なっていること」自体が危険信号です。健診で複数の項目に印がついた方は、どうか放置なさらないでください。

ご自身は大丈夫?メタボリックシンドロームの診断基準

わが国の診断基準(2005年、日本内科学会など8学会合同)では、腹囲(おへその高さ)が男性85cm以上・女性90cm以上であることを必須条件に、以下の3項目のうち2つ以上に当てはまるとメタボリックシンドロームと診断されます。

項目 基準値
血圧 収縮期130mmHg以上 かつ/または 拡張期85mmHg以上
血糖 空腹時血糖110mg/dL以上
脂質 中性脂肪150mg/dL以上 かつ/または HDLコレステロール40mg/dL未満

ここで大切なのは、この基準値が「病気」と診断されるレベルより一段階手前に設定されていることです。たとえば血圧130/85mmHgは高血圧(140/90mmHg以上)の手前ですが、内臓脂肪と重なるとすでに動脈硬化が進み始める段階と考えられています。また、腹囲が基準未満でも血圧・血糖・脂質の異常が重なる、いわゆる「隠れメタボ」の方も同様に注意が必要です。健診結果の「要注意」「要経過観察」を、どうか「まだ大丈夫」と読み替えないでください。

命を守る合言葉「FAST」——一時的な症状でも受診を

脳梗塞は「時間との勝負」の病気です。発症から4.5時間以内であれば血栓を溶かす薬(rt-PA静注療法)、条件を満たせばカテーテルで血栓を取り除く治療(血栓回収療法)が可能な場合があり、早く治療を始めるほど後遺症を軽くできる可能性が高まります。日本脳卒中協会が啓発する合言葉が「FAST(ファスト)」です。

頭文字 チェック内容
Face(顔) 「イー」と笑ったとき、顔の片側がゆがむ・口角が下がる
Arm(腕) 両腕を前に上げると、片方の腕が下がってくる・力が入らない
Speech(言葉) ろれつが回らない・言葉が出てこない・短い文を正しく繰り返せない
Time(時間) 一つでも当てはまれば、発症時刻を確認してすぐに119番

重要|「すぐ治まったから大丈夫」が一番危険です

・片側の手足のしびれ・脱力、ろれつの回りにくさ、片目が見えにくいなどの症状が数分〜数十分で消えた場合、一過性脳虚血発作(TIA)の可能性があります。

・TIAは「本格的な脳梗塞の前ぶれ」であり、発症後数日以内が特に危険とされています。

・症状が消えても「治った」わけではありません。その日のうちに医療機関を受診してください。

脳梗塞を防ぐために今日からできること

脳梗塞の予防は、特別なことではなくメタボリックシンドローム・生活習慣病の管理そのものです。脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2025〕でも、高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙・多量飲酒・肥満などの危険因子の管理が予防の柱とされています。

① まず「3%」の減量から

内臓脂肪は「つきやすく、落ちやすい」脂肪です。体重の約3%の減量(例:80kgの方なら約2.4kg)でも、血圧・血糖・中性脂肪の改善が期待できることが特定保健指導などの知見で示されています。涼しくなる秋は、食事の見直しとウォーキングを始める絶好の季節です。

② 血圧・血糖・脂質を「数字で」管理する

高血圧は脳梗塞の最大の危険因子です。2025年8月に発刊された高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)では、原則として全年齢で診察室血圧130/80mmHg未満・家庭血圧125/75mmHg未満が目標とされました。家庭血圧の測定を習慣にし、健診で指摘された血糖(HbA1c)・LDLコレステロール・中性脂肪は放置せず、かかりつけ医と一緒に目標値を決めて管理しましょう。

③ 禁煙・節酒・そして「秋の健診」

喫煙は動脈硬化を強力に進めます。禁煙は何歳から始めても効果が期待できる、最も確実な脳梗塞予防の一つです。飲酒は純アルコール量を意識した節度ある量にとどめましょう。そして、この秋の健診はぜひ受けてください。腹囲・血圧・血糖・脂質という「メタボの成績表」を毎年確認することが、10年後の脳を守る第一歩になります。

こんな方は一度ご相談ください

受診をおすすめするチェックリスト

□ 健診で腹囲・血圧・血糖・脂質のうち2つ以上を指摘された

□ 「要注意」「要精密検査」の結果を1年以上放置している

□ 血圧の薬・糖尿病の薬を自己判断でやめてしまっている

□ タバコを吸っていて、やめたいと思っている

□ 過去に一時的なしびれ・ろれつの回りにくさがあったが、受診していない

□ ご家族に脳卒中・心筋梗塞になった方がいる

当院は内科・糖尿病内科・代謝内科として、メタボリックシンドローム、高血圧・糖尿病・脂質異常症の管理から、管理栄養士と連携した栄養相談、禁煙のご相談まで一貫して対応しております。健診結果の見方が分からないという段階のご相談も大歓迎です。土曜午前も診療しておりますので、平日お忙しい働き盛り世代の方もご来院いただけます。田園調布・多摩川エリアの皆さまの「かかりつけ医」として、ご家族の健康もまとめてサポートいたします。

健診結果の相談・メタボ/生活習慣病の管理は竹内内科小児科医院へ

東急東横線・目黒線「多摩川駅」徒歩5分/土曜午前も診療

ご予約・お問い合わせ:03-3721-5222(WEB予約・LINEは下記ボタンから)

参考文献

  1. 日本脳卒中学会編. 脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2025〕. 協和企画, 2025.
  2. 日本高血圧学会編. 高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025). ライフサイエンス出版, 2025年8月発刊.
  3. メタボリックシンドローム診断基準検討委員会. メタボリックシンドロームの定義と診断基準. 日本内科学会雑誌. 2005;94(4):794-809.
  4. 厚生労働省 e-ヘルスネット「メタボリックシンドローム」「マルチプルリスクファクター症候群」(2026年9月閲覧)
  5. 日本脳卒中協会「脳卒中の予防と早期発見(FAST)」 https://www.jsa-web.org/(2026年9月閲覧)
  6. グレープカンパニー公式発表・各社報道(2026年8月28日):サンドウィッチマン伊達みきおさんの脳梗塞による休養について

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