皆さま、こんにちは。竹内内科小児科医院 院長の五藤良将です。
大田区では、令和6年4月から男子(小学6年生相当〜高校1年生相当)のHPVワクチン接種費用の助成が始まりました。そして令和8年(2026年)4月1日より、これまでの4価ワクチン「ガーダシル」に加え、より多くの型をカバーする9価ワクチン「シルガード9」も新たに助成対象となりました。
「HPVワクチンは女の子のためのものでは?」と思われる保護者の方も多いのですが、HPV(ヒトパピローマウイルス)は男女ともに感染し、男性でも肛門がんや咽頭がん、尖圭(せんけい)コンジローマなどの原因となります。最近、当院でも「うちの息子も対象になりますか?」というご相談が増えてまいりました。
本記事では、大田区公式情報(感染症対策課)とメーカーの添付文書・承認情報をもとに、2026年4月からの変更点、対象者、対象ワクチン、接種スケジュール、当院での受け方までを、田園調布・多摩川駅周辺の保護者の皆さまに向けてわかりやすく解説いたします。
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この記事は旧記事の更新版です 2024年公開の旧記事(4価ガーダシルのみが対象だった時点の情報)から、9価シルガード9の助成対象追加を反映した最新版として作成しております。制度内容は変更される場合がありますので、接種前には大田区の最新のご案内もあわせてご確認ください。 |
目次
【重要】2026年4月からの変更点
今回の最大のポイントは、助成の対象ワクチンに「9価ワクチン(シルガード9)」が加わったことです。従来は4価ワクチン(ガーダシル)のみが助成対象でしたが、2025年8月に9価ワクチン「シルガード9」が男性への接種にも承認されたことを受け、大田区でも助成対象に追加されました。
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ポイント|2026年4月からの変更点 ① 対象ワクチンの追加:4価ガーダシルに加え、9価シルガード9も全額助成の対象に。 ② 9価の助成開始日:令和8年(2026年)4月1日以降の接種が対象です。 ③ 償還払いはなし:令和8年4月1日より前に受けたシルガード9の接種費用を、あとから請求できる償還払い制度はありません。 |
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重要|償還払い(あとからの返金)はありません ・4価ガーダシル:令和6年4月1日より前の接種は助成対象外 ・9価シルガード9:令和8年4月1日より前の接種は助成対象外(いずれも償還払い制度なし) |
大田区 男子HPVワクチン費用助成の概要(対象者・助成内容)
大田区の「HPVワクチン男性予防接種費用助成事業」は、区内に住民登録のある男子を対象に、指定の協力医療機関で接種を受けた場合に接種費用を全額助成する任意接種の助成制度です。当院(竹内内科小児科医院)も協力医療機関として対応しております。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 接種日現在、大田区に住民登録のある小学6年生相当〜高校1年生相当の男子 |
| 対象ワクチン | 4価HPVワクチン(ガーダシル)/9価HPVワクチン(シルガード9) ※シルガード9の助成対象は令和8年4月1日以降 |
| 助成額・回数 | 全額助成(無料)× 3回まで |
| 接種区分 | 任意接種(強制ではありません。効果・副反応を確認のうえご判断ください) |
| 申請方法 | 協力医療機関の窓口で「予診票兼助成申請書」を記入・提出(区からの送付はありません) |
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同一ワクチンで接種を完了するのが原則です 助成を受けられるのは、同一ワクチンについて3回まで(9価で15歳未満に開始した場合は2回で完了できる場合があります)。原則として、1回目から3回目まで同じ種類のワクチンで接種を完了してください。 |
対象ワクチン|4価ガーダシルと9価シルガード9の違い
今回から選べるようになった2つのワクチンは、予防できるHPVの型の数が異なります。9価ワクチン(シルガード9)は、4価ワクチン(ガーダシル)が対応する4つの型(6・11・16・18型)に加え、さらに5つの型(31・33・45・52・58型)をカバーします。
| 比較項目 | 4価ガーダシル | 9価シルガード9 |
|---|---|---|
| カバーするHPVの型 | 6・11・16・18型(4種類) | 6・11・16・18・31・33・45・52・58型(9種類) |
| 大田区の助成対象 | 令和6年4月1日〜 | 令和8年4月1日〜 |
| 接種回数(目安) | 3回 | 15歳未満で開始:2回/15歳以上で開始:3回 |
どちらを選ぶかは、対象疾患の予防範囲、接種回数、お子さまの年齢などをふまえて総合的にご判断いただきます。特にご希望がなければ、より広くカバーできる9価ワクチン(シルガード9)を選ばれる方が増えています。迷われる場合は、接種前に当院医師までご相談ください。
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ご参考|4価ガーダシルの供給について 4価ワクチン(ガーダシル)は、各自治体の案内において令和8年(2026年)12月末で販売終了となる見込みと案内されています。すでにガーダシルで接種を開始されている方の完了方法については、状況が変わる可能性がありますので、接種の際に医師とご相談ください。 |
なぜ男子もHPVワクチンを接種するのか
HPV(ヒトパピローマウイルス)は「子宮頸がんの原因ウイルス」として知られていますが、感染するのは女性だけではありません。性交渉のある方の多くが生涯に一度は感染するとされる、非常にありふれたウイルスです。男性が感染すると、以下のような病気の原因となることがあります。
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男性におけるHPV関連の主な病気 □ 肛門がん(扁平上皮がん)およびその前がん病変 □ 咽頭がんなど(中咽頭がん) □ 尖圭コンジローマ(性器周辺にイボができる性感染症) □ パートナーへの感染を通じた子宮頸がん等のリスク |
メーカー(MSD)の情報によると、日本では肛門がんに年間約1,200人、尖圭コンジローマに年間約7万7,600人が罹患すると報告されています。肛門がんや尖圭コンジローマには推奨される定期的な検診がなく、ワクチン接種が有効な予防方法の一つとされています。
メカニズム図解|男子が接種する2つの意味
| 本人を守る(直接効果):肛門がん・尖圭コンジローマなど、男性自身のHPV関連の病気を予防します。 | |
| まわりを守る(集団効果):将来のパートナーへの感染を防ぎ、社会全体でのHPV感染の広がりを抑えることにつながります。 |
接種スケジュールと回数(年齢別)
接種回数と間隔は、ワクチンの種類と接種開始時の年齢によって異なります。以下は一般的なスケジュールです。個々の状況によって変わりますので、詳細は接種時にご説明いたします。
4価ガーダシルの場合(3回)
| 回数 | 接種の目安 |
|---|---|
| 1回目 | 初回 |
| 2回目 | 1回目から2か月の間隔をおいて |
| 3回目 | 1回目から6か月の間隔をおいて |
9価シルガード9の場合(開始年齢で異なる)
| 接種開始時の年齢 | 回数・間隔の目安 |
|---|---|
| 9歳以上15歳未満 | 2回(初回+5〜12か月後に2回目) |
| 15歳以上 | 3回(0・2・6か月) |
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高校1年生相当のお子さまはお早めに 高校1年生相当の方は、原則として約6か月かけて3回接種する必要があるため、1回目の接種を9月30日までに開始しないと、助成の対象年齢を超えてしまう可能性があります。ご希望の方は早めのご予約をおすすめいたします(約4か月で完了する方法もありますので、主治医とご相談ください)。 |
当院での接種の受け方・持ち物
竹内内科小児科医院は大田区の協力医療機関です。内科と小児科を同じ医師が併診しておりますので、思春期のお子さまも保護者の方と一緒に落ち着いてご相談いただけます。土曜午前も診療しておりますので、平日はお忙しいご家庭にもご利用いただきやすい体制です。
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当院での接種の流れ ① ご予約(WEB予約・お電話・LINE) ② 受付で「予診票兼助成申請書」を記入(用紙は当院にご用意しています) ③ 医師の診察・接種の説明(ワクチンの選択もご相談ください) ④ 接種 → 経過観察 → 次回接種のご案内 |
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受診前チェックリスト(持ち物) □ 健康保険証・医療証(本人確認・住所確認のため) □ 母子健康手帳(過去の接種歴の確認に役立ちます) □ これまでのHPVワクチン接種歴がわかるもの(2回目以降の方) □ 当日は肩を出しやすい服装で |
接種後は、まれに接種による健康被害が生じた場合に、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく救済の対象となる場合があります。ご不明な点は接種前に遠慮なくお尋ねください。
よくあるご質問(Q&A)
Q. 令和8年4月より前にシルガード9を自費で接種しました。あとから返金してもらえますか?
いいえ。令和8年4月1日より前に接種したシルガード9の費用を、あとから請求できる償還払い制度はありません。ガーダシルについても、令和6年4月1日より前の接種は助成対象外です。
Q. すでにガーダシルで1〜2回接種しています。残りをシルガード9に変更できますか?
原則は、同じ種類のワクチンで3回の接種を完了することが推奨されています。ただし、供給状況などにより、医師とよくご相談のうえで残りの接種を変更できる場合もあります。すでに接種を開始されている方は、次回の接種前にご相談ください。
Q. 対象年齢(小6相当〜高1相当)を過ぎていますが接種できますか?
対象年齢を過ぎた方や大田区外にお住まいの方は、大田区の助成の対象外となりますが、任意接種(自費)として接種を受けることは可能です。費用や在庫については当院までお問い合わせください。
Q. HPVワクチンは男子にも本当に必要ですか?
HPVは男女ともに感染し、男性でも肛門がんや尖圭コンジローマなどの原因となります。海外では性別を問わない接種が進んでおり、日本でも男性への定期接種が議論されています。任意接種ですので、効果と副反応をご理解いただいたうえで、ご家族でご判断ください。ご不安な点は診察時に丁寧にご説明いたします。
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五良会グループでは、田園調布の竹内内科小児科医院と港区の五良会クリニック白金高輪が連携し、予防接種や思春期・成人の健康管理を多角的にサポートしております。患者さまの転居やライフスタイルの変化に合わせて、同じグループ内で継続診療が受けられる体制を整えております。
参考文献
- 大田区「【令和6年4月1日から】男性に対するHPVワクチン接種費用を助成します(任意接種)」 https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/hoken/yobou_sessyu/kodomo/menshpv.html (2026年7月閲覧)
- MSD株式会社「9価HPVワクチン『シルガード9水性懸濁筋注シリンジ』肛門がんの予防の適応追加と男性への接種対象拡大について承認を取得」(2025年8月25日承認取得)
- 各ワクチンの添付文書(ガーダシル水性懸濁筋注シリンジ/シルガード9水性懸濁筋注シリンジ)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の診断・治療に代わるものではありません。制度内容・スケジュールは変更される場合がありますので、接種前に大田区の最新のご案内および当院医師にご確認ください。
院長 五藤 良将