【救急科専門医】その頭痛・だるさ、隠れ脱水・熱中症かも|受診の目安と家庭での対処法 金曜午後・水谷政之医師【田園調布・多摩川】

皆さま、こんにちは。竹内内科小児科医院 院長の五藤良将です。

連日暑い日が続いておりますが、皆さま体調はいかがでしょうか。この時期、外来では「頭が重い・めまいがする」「体がだるくて食欲がない」「夕方になると足がつる」といったご相談が急増します。ご本人は「夏バテかな」と思っていらっしゃることが多いのですが、その正体は隠れ脱水や熱中症の初期症状であることが少なくありません。

当院では、毎週金曜日の午後に救急科専門医の水谷政之(みずたに まさゆき)医師が外来を担当しております。救急の最前線で数多くの熱中症診療を経験してきた専門医が、地域のクリニックで診察できるのが当院の強みです。今回は、熱中症の見分け方と受診の目安を、救急医療の視点からお伝えいたします。

1. 熱中症の重症度——「様子見でよい」と「今すぐ救急車」の分かれ目

熱中症は重症度によってⅠ度〜Ⅲ度(+最重症のⅣ度の概念)に分類されます(日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」)。

重症度 主な症状 対応
Ⅰ度(軽症) めまい・立ちくらみ・こむら返り・大量の汗 涼しい場所で休息+水分・塩分補給。誰かが付き添って観察
Ⅱ度(中等症) 頭痛・吐き気・嘔吐・強い倦怠感・集中力低下 医療機関を受診。自分で水分が取れない場合は点滴が必要です
Ⅲ度(重症) 意識がおかしい・けいれん・まっすぐ歩けない・体が熱いのに汗が出ない 直ちに119番。救急車を待つ間も体を冷やし続けます

重要|迷ったときの判断基準はこの2つ

意識が少しでもおかしい(受け答えがずれる、ぼんやりしている)→ 119番

自分で水分が飲めない・吐いてしまう → 点滴が必要です。医療機関へ

2. なぜ室内でも熱中症になるのか

「外で運動していないから大丈夫」と思われがちですが、救急搬送される熱中症の約4割は住居内での発症です。特に湿度が高い日は汗が蒸発できず、体温を下げる仕組みが働きません。エアコンを我慢しがちなご高齢の方、寝ている間に大量の汗をかくお子さまは、室内でも注意が必要です。

メカニズム図解|脱水から熱中症へ進むしくみ

1 汗で水分と塩分を失う:汗には水分だけでなくナトリウム(塩分)も含まれます。気づかないうちに体液が減っていきます(隠れ脱水)
2 体を冷やす能力が落ちる:体液が減ると汗をかけなくなり、皮膚の血流も減って、熱を体の外へ逃がせなくなります
3 体温が急上昇し臓器がダメージを受ける:深部体温が上がると、脳・肝臓・腎臓・血液凝固系など全身の臓器に障害が及びます。ここまで進むと命に関わります

3. ご家庭での正しい対処法——水だけ飲むのは逆効果?

ポイント|家庭での応急対応3ステップ

① 移動:涼しい場所(エアコンの効いた室内・日陰)へ移し、衣服をゆるめて足を高くして寝かせます

② 冷却:首・わきの下・足の付け根など太い血管を、濡れタオルや保冷剤で冷やします。皮膚に霧吹き+うちわの「気化熱冷却」も有効です

③ 補水:意識がはっきりしていれば、経口補水液(OS-1など)や薄い食塩水を少しずつ。大量の汗をかいたあとに真水だけを大量に飲むと、体の塩分がさらに薄まり(低ナトリウム血症)、けいれんや意識障害を招くことがあります

スポーツドリンクは糖分が多いため、日常の水分補給としては飲みすぎに注意が必要です(特に糖尿病のある方)。大量発汗時は経口補水液、ふだんの水分補給は水・麦茶+食事からの塩分、と使い分けるのがおすすめです。

4. お子さま・ご高齢の方は特にご注意ください

対象 リスクの理由 対策
乳幼児・お子さま 体温調節機能が未熟。地面からの照り返しを受けやすい(ベビーカーの高さは大人より+2〜3℃)。自分で症状を訴えられない 顔色・汗の量・機嫌をこまめに確認。車内に絶対に残さない
ご高齢の方 暑さ・のどの渇きを感じにくい。持病の薬(利尿薬など)で脱水しやすい。エアコンを我慢しがち 室温28℃以下・湿度60%以下を目安にエアコンを使用。時間を決めた水分補給を習慣に
持病のある方 糖尿病・心臓病・腎臓病の方は脱水の影響を受けやすく、薬の調整が必要な場合があります かかりつけ医に「シックデイ・猛暑日の薬の飲み方」を確認

当院は内科と小児科を併設しておりますので、お子さまからご高齢の方まで、ご家族そろって同じクリニックでご相談いただけます。訪問診療でも夏場の脱水管理に力を入れております。

5. 当院の外来——金曜午後・救急科専門医 水谷政之医師

項目 内容
担当医 水谷 政之 医師(救急科・一般内科)
診療日 毎週金曜日 午後 15:30〜19:00
対応内容 熱中症・脱水の診療(点滴対応)、急な発熱・腹痛・めまいなど「何科か迷う」症状の初期評価、救急受診すべきかどうかのご相談
ご予約 WEB予約(当日可)・LINE・お電話(03-3721-5222)

ご受診の際は「外来担当医カレンダー」をご確認ください

水谷医師の外来は毎週金曜の午後です。ご来院前に当院ホームページの「担当医スケジュール」(外来担当医カレンダー)で日程をご確認ください。お仕事帰り(〜19:00)の受診も可能です。意識障害・けいれんなど重症のサインがある場合は、受診を待たずに119番をお願いいたします。

6. 受診前チェックリスト

受診前チェックリスト

□ 症状が出た日時・状況(屋外活動・室温など)

□ 水分・食事がどのくらい取れているか

□ 体温・血圧の測定値(測れた場合)

□ お薬手帳(利尿薬・糖尿病薬・血圧の薬は特に重要です)

□ 尿の回数・色(濃い尿は脱水のサインです)

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参考文献

  1. 日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」2024.
  2. 環境省「熱中症環境保健マニュアル」最新版.
  3. 総務省消防庁「熱中症による救急搬送状況」(発生場所別統計)
  4. 厚生労働省「健康のため水を飲もう推進運動」

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