【2026年6月1日】診療報酬改定に伴う当院の対応について(ベースアップ評価料・長期投薬・リフィル処方箋)

皆さま、こんにちは。竹内内科小児科医院 院長の五藤良将です。

2026年(令和8年)6月1日より、診療報酬の改定が施行されます。診療報酬とは、医療機関が保険診療を行ったときに受け取る費用(医療費)の公定価格のことで、原則2年に1度、国が見直しを行っております。

この改定に伴い、当院でも一部の対応を変更しております。患者さまの窓口でのお支払いにもわずかに影響が生じる場合がございますので、田園調布・大田区の地域の皆さまにあらかじめお伝えいたします。少し制度的なお話になりますが、できるだけわかりやすくご説明いたしますので、お付き合いいただければ幸いです。

2026年6月1日からの診療報酬改定とは

診療報酬は、医療機関で受けられる検査・処置・お薬の処方などの一つひとつに、国が「点数」(1点=10円)を定めたものです。この点数は世の中の状況に合わせて定期的に見直されており、今回は2026年6月1日から新しい内容で運用されております。

なお、お薬そのものの価格(薬価)は一足先に2026年4月1日から改定されております。医療機関での会計システムの準備期間を確保するため、近年は本体部分の改定が6月、薬価の改定が4月という二段階で行われるようになりました。

ポイント|今回の改定の施行スケジュール

① 薬価(お薬の価格):2026年4月1日から

② 本体(診察料・検査・処置など):2026年6月1日から

今回の改定で大切にされていること

今回の改定では、本体部分が約30年ぶりとなるプラス3.09%の水準で引き上げられました。一見すると大きな引き上げに見えますが、その内容を見てみますと、この上乗せ分の多くが医療現場で働く職員の賃上げ物価高騰への対応に充てることをあらかじめ求められているものです。

近年は、光熱費・医療材料・衛生用品をはじめ、医療機関を運営するうえでのあらゆる費用が上昇しております。一方で、保険診療の価格は国が定めているため、一般のお店のように自由に値上げをすることはできません。こうした厳しい環境のなかでも、看護師をはじめとするスタッフが安心して働き続けられる体制を守り、地域の皆さまに安定した医療をお届けし続けることが、今回の改定の大きなねらいの一つとされております。

当院といたしましても、限られた原資を職員の処遇改善と医療の質の維持に大切に充ててまいります。患者さまには引き続き変わらぬ診療をお届けできるよう努めてまいりますので、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

当院は「ベースアップ評価料」を算定しております

当院では、今回の改定の趣旨に沿って「ベースアップ評価料」を算定しております。

ベースアップ評価料とは、医師以外の職員(看護師・医療スタッフ・事務職員など)の継続的な賃上げ(ベースアップ)に充てるための仕組みとして、2024年の改定で新設され、今回さらに拡充された項目です。一時的な賞与ではなく、毎月の給与を継続的に引き上げることが要件とされており、医療機関はその使い道について国へ報告する義務を負っています。

ベースアップ評価料でできること

□ 看護師・医療スタッフ・事務職員の給与の継続的な引き上げ

□ 安心して長く働ける職場環境づくり

□ 結果として、患者さまへ安定した医療を提供し続ける体制の維持

この評価料は、患者さまのお会計に少額が加わるかたちとなります。3割負担の方でおおむね月数十円程度のご負担となる見込みですが、これはそのまま当院で働くスタッフの処遇改善に充てられるものです。地域の皆さまに支えていただきながら、医療を支える人を守る——そうした趣旨の項目であることをご理解いただけますと幸いです。

28日以上の長期投薬・リフィル処方箋について

今回の改定では、症状が安定している患者さまの通院のご負担を軽くするため、医療機関が「28日以上の長期のお薬の処方」または「リフィル処方箋の交付」のいずれにも対応できることを、患者さまにお知らせするよう求められております。

当院は、この趣旨に沿って以下の体制を整えております。

当院でのご案内

当院では患者さまの状態に応じ、28日以上の長期の投薬を行うことリフィル処方箋を交付することのいずれの対応も可能です。

リフィル処方箋とは

リフィル処方箋とは、症状が安定している患者さまについて、医師の処方により、1枚の処方箋を一定期間内に最大3回まで繰り返し使える仕組みです。毎回受診しなくても、薬局でお薬を受け取れる場合があります。

ただし、医師の判断が前提です

長期処方やリフィル処方箋は、どなたにでも一律にお出しできるものではありません。病状が安定していることを前提に、安全にお薬を続けていただけるかどうかを担当医が一人ひとり判断したうえで対応いたします。

長期処方・リフィル処方箋をお受けいただく際の目安

・病状や検査値が安定しており、お薬の内容が一定期間変わっていないこと

・副作用や体調の変化が起きていないこと

・定期的な検査・経過観察が必要な病気でないこと、または必要な検査の予定が立っていること

・自己判断での中断・調整の心配がないこと

逆に、お薬の調整が必要な段階の方、定期的な血液検査や血圧・血糖のチェックが欠かせない方などには、安全のために通常どおりの間隔でのご受診をお願いする場合がございます。「長くしたい」「リフィルにしたい」というご希望は遠慮なくお申し出ください。そのうえで、患者さまの安全を最優先に、担当医とご相談のうえ決めてまいります。

よくあるご質問

Q. 6月から窓口での支払いは変わりますか?

A. 改定に伴い、診察料などの点数が一部見直されたため、これまでと同じ内容の受診でもお支払いがわずかに変動する場合がございます。多くの場合、3割負担の方で数十円程度の小さな変動です。具体的な金額は受診内容によって異なりますので、ご不明な点は受付までお気軽にお尋ねください。

Q. リフィル処方箋は誰でも使えますか?

A. いいえ。病状が安定している方が対象で、安全にお薬を続けられるかを担当医が判断したうえでお出しします。ご希望があればぜひご相談ください。

Q. これまで通り毎回診察を受けても問題ありませんか?

A. もちろん問題ございません。長期処方やリフィルはあくまで選択肢の一つです。ご自身のペースで安心して通院していただけます。

参考・出典

  1. 厚生労働省「令和8年度(2026年度)診療報酬改定について」(令和8年3月5日告示・関連通知)
  2. 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要」(本体改定率+3.09%、薬価4月・本体6月施行)
  3. 厚生労働省「外来・在宅ベースアップ評価料」施設基準および疑義解釈資料(令和8年4月)
  4. 厚生労働省「生活習慣病管理料・地域包括診療加算等における長期投薬・リフィル処方箋に関する院内掲示要件」

※本記事の内容は2026年6月時点の情報に基づいて作成しております。制度の詳細は厚生労働省の最新の告示・通知をご参照ください。ご不明な点は当院受付までお気軽にお問い合わせください。

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Author: 五藤 良将