【医師監修】トレチノイン・ハイドロキノン併用療法|強力な美白効果と「ずる剥け」「白抜け」リスクへの安全管理を徹底解説

シミ、くすみ、ニキビ跡、小じわ ── これらの肌悩みに対して、外用薬による医学的アプローチとして世界中で最も実績があるのがトレチノイン・ハイドロキノン併用療法です。

トレチノインは米国FDAがしわ・ニキビの治療薬として認可しており、ハイドロキノンは「肌の漂白剤」とも呼ばれる強力な美白成分です。この2剤を組み合わせることで、メラニンを「排出する力」と「作らせない力」を同時に発揮し、単剤では到達できない美白・美肌効果が期待できます。2024年のAmerican Journal of Clinical Dermatologyのレビューでも、トレチノインとハイドロキノンは肝斑治療の第一選択として位置づけられています。

一方で、これだけ強力な治療法だからこそ、適切な使い方と「ずる剥け(レチノイド反応)」「白抜け(白斑)」「外因性組織黄変症」といった副作用リスクへの理解が不可欠です。当院ではケイセイ(日本ブランド)のトレチノインオイルジェルとハイドロキノンクリームを取り扱い、医師の管理のもとで安全に処方しています。本記事では、2025年までの最新エビデンスを踏まえ、作用メカニズムから実践的な使用法、注意すべき副作用と対策まで、医学的に徹底解説します。

当院取扱製品(ケイセイ)

ケイセイ トレチノインオイルジェル・ハイドロキノンクリーム
  • トレチノインオイルジェル 5g(トレチノイン0.1%製剤)5,000円(税込)
  • ハイドロキノンクリーム 5g(ハイドロキノン4%クリーム)2,500円(税込)
  • 併用療法セット(トレチノイン+ハイドロキノン)8,500円 → 8,000円(税込)500円OFF
  • ※いずれも医師の診察・処方が必要です。必ず使い方を守ってご使用ください。

この記事の内容

  1. ビタミンA(レチノイド)の基本 — レチノールとトレチノインの違い
  2. トレチノインの3大作用 — ターンオーバー促進・皮脂抑制・コラーゲン増生
  3. ハイドロキノンの作用機序と最新安全性エビデンス
  4. 併用療法の科学 — 「排出」と「抑制」の相乗効果
  5. レチノイド・ステップアップ戦略 — マイルドから始める現代のアプローチ
  6. 適応となるシミ・色素沈着の種類
  7. 実践ガイド — 正しい塗り方とスケジュール
  8. 【最重要】副作用・リスクと対策 — ずる剥け・白抜け・組織黄変症
  9. 使用上の禁忌・注意事項
  10. よくあるご質問(FAQ)
  11. 五良会クリニック白金高輪のご案内(美容皮膚科・VISIA肌診断)

1. ビタミンA(レチノイド)の基本 — レチノールとトレチノインの違い

「レチノイド」とは、ビタミンAおよびその誘導体の総称です。スキンケア領域では複数の形態が使い分けられていますが、それぞれ肌で活性型(レチノイン酸)に変換されるまでのステップ数が異なり、効果の強さと刺激性に大きな差があります。

成分名 変換ステップ 相対活性 入手方法 刺激性
レチニルエステル
(パルミチン酸レチノールなど)
3段階 非常に穏やか 市販化粧品
レチノール
(ビタミンA)
2段階 1(基準値) 市販化粧品 低〜中
レチナール
(レチンアルデヒド)
1段階 約11倍 市販(高濃度品)
トレチノイン
(オールトランスレチノイン酸)
変換不要(活性型) 約50〜100倍 医師の処方

ポイント:「レチノール配合化粧品」と「トレチノイン」は別物

市販化粧品に含まれるレチノールは、肌の中でレチナール → レチノイン酸と2段階の変換を経てはじめて活性を発揮します。その生理活性はトレチノインの約1/50〜1/100にとどまるため、日常的なエイジングケアには適していますが、シミや色素沈着の「治療」には力不足です。トレチノインは変換不要の活性型そのものであり、皮膚のレチノイン酸受容体(RAR)に直接結合して強力な生理作用を発揮します。

トレチノイン(オールトランスレチノイン酸)の説明

トレチノインの正式名称はオールトランスレチノイン酸(all-trans retinoic acid: ATRA)です。もともとヒトの血液中にもごく微量存在する生体内物質であるため、外部から塗布してもアレルギー反応(抗原抗体反応)を起こすことは基本的にありません。使用初期に生じる赤みや皮むけは、薬理作用による「レチノイド反応」であり、アレルギーとは異なる現象です。

レチノイドラダー:4種類のビタミンA誘導体の活性比較

図1:レチノイド・ラダー — 4種類のビタミンA誘導体の活性比較

2. トレチノインの3大作用

① 表皮ターンオーバーの劇的な促進(ピーリング作用)

表皮ターンオーバーの促進

通常約28日かかる表皮のターンオーバー(新陳代謝)が約14日に短縮されます。表皮基底層に沈着したメラニン色素は、加速されたターンオーバーによって表面へ押し出され、角質とともに脱落します。これがシミの「排出」メカニズムです。

② 皮脂腺の抑制 — ニキビ改善・予防

皮脂腺の抑制とニキビ改善

トレチノインは皮脂腺を萎縮させ、過剰な皮脂分泌を抑制します。同時にターンオーバー促進で角栓が剥がれやすくなるため、毛穴詰まりが解消されます。米国FDAがニキビ治療薬として認可した根拠もここにあり、ニキビの治療と予防の両面に効果を発揮します。

③ 真皮コラーゲン増生・ヒアルロン酸産生促進

コラーゲン増生と小じわ改善

トレチノインは真皮の線維芽細胞を活性化し、I型・III型コラーゲンの合成を促進します。2025年のネットワークメタ解析(23件のRCT、3,905例)では、トレチノインは小じわの改善と色素沈着の軽減において、安全性・有効性のバランスに優れた治療薬と評価されています。ただし真皮レベルの改善には6か月以上の継続使用が必要とされています。

エビデンス(2025年最新システマティックレビュー)

2025年のJ Clin Med(MDPI)に掲載されたシステマティックレビューでは、2000年〜2025年7月に発表された臨床研究を包括的に評価し、トレチノインはニキビ・光老化に対するRCTレベルのエビデンスが豊富であることを確認しました。加えて、肝斑、炎症後色素沈着、妊娠線、扁平疣贅、瘢痕など幅広い適応での有効性が報告されています。24か月までの長期使用でも安全であり、細胞異型性の誘発は認められていません。

3. ハイドロキノンの作用機序と最新安全性エビデンス

ハイドロキノンとは

ハイドロキノンの説明

ハイドロキノンは、メラニン色素の生成を強力に抑制するチロシナーゼ阻害薬です。イチゴ類、麦芽、紅茶、コーヒーなど自然界にも広く存在する物質で、欧米では20年以上にわたり美白のゴールドスタンダードとして使用されてきました。

2026年1月のDermatology Timesのレビューでは、ハイドロキノン単剤療法でMASIスコア60〜75%減少という臨床試験結果が報告されており、依然として外用美白剤の中で最高水準の効果が確認されています。その美白効果は、ビタミンC(アスコルビン酸)やアルブチン、コウジ酸の約60〜100倍とされています。

ハイドロキノンの2つの作用メカニズム

① チロシナーゼ活性の阻害

メラニン合成の律速酵素であるチロシナーゼの銅イオン結合部位に作用し、チロシン → ドーパ → ドーパキノンへの変換(メラニン合成の出発点)を抑制します。

② メラノサイトへの選択的細胞毒性

高濃度・長期使用ではメラノサイト(メラニン産生細胞)の数自体を減少させる作用も報告されています。これが強力な美白効果の源ですが、同時に後述する副作用リスクにもつながります。

適応となる色素性疾患

  • 炎症後色素沈着(ニキビ跡・やけど跡・湿疹跡)
  • 肝斑(かんぱん)
  • 日光性黒子(老人性色素斑)
  • 雀卵斑(そばかす)
  • くすみ・色ムラ

4. 併用療法の科学 — 「排出」と「抑制」の相乗効果

併用療法のメカニズム:排出と抑制の二段構え

図2:併用療法の二段構えメカニズム — トレチノインの「攻め」とハイドロキノンの「守り」

トレチノイン・ハイドロキノン併用療法が単剤治療を大きく上回る理由は、2つの異なるメカニズムが同時に作用することにあります。

併用のメカニズム:2段構えのアプローチ

トレチノイン — 「攻め」の役割

ターンオーバーを促進し、基底層に蓄積したメラニンを表面に押し出して排出。さらにハイドロキノンの経皮吸収を高め、その効果を増強します。

ハイドロキノン — 「守り」の役割

チロシナーゼを阻害し、新たなメラニン生成を抑制。トレチノインで排出された後の「新しい白い肌」に余計なメラニンが沈着するのを防ぎます。

この「排出 + 抑制」の二段構えにより、古いメラニンが除去されると同時に新たな色素沈着が防がれ、皮膚が徐々に新しい白い肌に置き換わっていきます。

エビデンス:併用療法の臨床的有効性

アジア人患者を対象とした前向き研究では、トレチノイン0.1%とハイドロキノン5%の6週間併用後にQスイッチルビーレーザーを施行した結果、39%が「著明改善」、44%が「良好な反応」を示しました。ケミカルピーリングやレーザーとの併用でさらに浸透性が高まり、治療効果が増強されることも確認されています。

併用療法をお得に始めるなら

当院では、トレチノイン+ハイドロキノンの併用療法セットを8,000円(税込)でご用意しています。セット購入で500円おトク|医師の診察・使い方指導付き

⚠ 強力な治療法だからこそ、適切な使い方が重要

併用療法は単剤を超える強力な美白効果が期待できる一方で、「ずる剥け(レチノイド反応)」「白抜け(白斑)」「外因性組織黄変症」といった副作用リスクも単剤より高くなります。これらは医師の管理下で正しい使い方を守ることで適切に予防・管理可能です。詳細は第8章「副作用・リスクと対策」を必ずご確認ください。

5. レチノイド・ステップアップ戦略 — マイルドから始める現代のアプローチ

近年の美容皮膚科学では、いきなりトレチノインから始めるのではなく、マイルドなレチノイドから段階的にステップアップする「レチノイド・ラダー」が推奨されています。これは肌のレチノイド耐性を徐々に獲得させることで、「ずる剥け」を最小限に抑えながら最大限の効果を引き出す戦略です。

レチノイド・ラダー — 段階的ステップアップ

STEP 1 レチノール 0.01〜0.3%

市販化粧品で入手可能。4〜6週間かけて肌を「ビタミンAに慣らす」段階。刺激が少なく、初心者に最適です。

STEP 2 レチナール(レチンアルデヒド)

レチノールの約11倍の活性。市販の高機能スキンケアで入手可能。4〜6週間使用し、肌の耐性をさらに強化します。

STEP 3 トレチノイン 0.1%(医師処方)

レチノールの約50〜100倍の活性。ステップ1・2で耐性を獲得した肌であれば、レチノイド反応を最小限に抑えながら治療レベルの効果を得ることが可能です。当院のケイセイ製トレチノインオイルジェルはこの段階に該当します。

五良会クリニック白金高輪 — VISIA肌診断でステップアップを最適化

五良会クリニック白金高輪(美容皮膚科)では、VISIA肌診断システムを用いて皮膚の状態(シミ・シワ・毛穴・紫外線ダメージ・紅斑・ポルフィリンなど8項目)を客観的に数値化・画像化し、レチノイドの選択やステップアップのタイミングを科学的に判断しています。

竹内内科小児科医院でケイセイのトレチノイン・ハイドロキノンをお使いの方も、白金高輪の美容皮膚科との連携が可能です。VISIA診断で現在の肌状態を可視化した上で、お一人おひとりに最適な治療戦略をご提案いたします。

五良会クリニック白金高輪 公式サイト(美容皮膚科)→

6. 適応となるシミ・色素沈着の種類

色素沈着の種類 併用療法の期待度 備考
炎症後色素沈着
ニキビ跡・湿疹跡・やけど跡
最も効果が期待できる適応。表皮メラニンの排出で著明改善
肝斑(かんぱん) トラネキサム酸内服との併用でさらに効果的。レーザー単独は悪化リスクあり
日光性黒子
(老人性色素斑、軽度のもの)
浅い色素斑には有効。濃いものはレーザー併用を検討
雀卵斑(そばかす) 遺伝的要因が強いため再発しやすい。メンテナンスとして有用
深い色素沈着
(ADM、太田母斑など真皮メラノーシス)
真皮のメラニンには効果が限定的。レーザー治療が第一選択

レーザー治療が必要な方へ

深い色素沈着やトレチノイン・ハイドロキノン療法だけでは改善が難しいケースでは、五良会クリニック白金高輪(美容皮膚科)へのご紹介が可能です。当院ではPicoWay®ピコレーザー(米国Candela社・FDA承認)を導入しており、Qスイッチレーザー、フォトフェイシャルなど各種レーザー治療と、トレチノイン・ハイドロキノンの前処置・後処置を組み合わせた総合的なシミ治療プログラムをご提供しています。竹内内科小児科医院からスムーズにご紹介いたしますので、お気軽にご相談ください。

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7. 実践ガイド — 正しい塗り方とスケジュール

パッチテスト(使用前に必ず実施)

パッチテストと使用方法

特にハイドロキノンは皮膚への刺激やアレルギーのリスクがあるため、使用前に必ず上腕内側にパッチテストを行います。少量を塗布し、24時間後に赤み・かゆみがないかどうか確認してください。毛染め剤で接触性皮膚炎の経験がある方は、かぶれが起こりやすい可能性がありますのでご注意ください。

併用療法の塗り方 — 4ステップ

塗り方の手順

STEP 1 洗顔 + 保湿

刺激の少ない石鹸をたっぷり泡立てて優しく洗顔(こすらない)。洗顔直後は角質層の水分含有量が高く薬剤が効きすぎるため、20分ほど待つか、化粧水・保湿クリームを先に塗布してください。

STEP 2 待機(20分)

洗顔後20分以上経過してから薬剤を塗布します。角質層が落ち着き、浸透性が適度になったタイミングが最適です。急ぐ場合は、保湿クリームの上から塗布する「サンドイッチ法」も有効です。

STEP 3 トレチノインを患部にピンポイント塗布

シミやニキビ跡の気になる部分に、はみ出さないように薄く塗ります。顔全体に塗るのではなく、シミ部位のみピンポイントで使用してください。細い綿棒を使うと正確に塗布しやすくなります。余分な分はふき取ります。

STEP 4 ハイドロキノンをシミより一回り広い範囲に塗布

トレチノインが肌に浸透したら(3〜5分)、ハイドロキノンクリームをシミより一回り広い範囲に塗布します。トレチノインを広げないよう、塗っていない外側から内側に向かって塗り始めてください。ただし広範囲・全顔への塗布は白抜け(白斑)リスクを高めるため避けてください。

塗布範囲の違い:ピンポイント塗布と一回り広めの塗布

図5:塗布範囲の違い — トレチノインとハイドロキノンの正しい塗り方

使用頻度のスケジュール

期間 頻度 補足
開始〜2週間 2日に1回、夜のみ 肌の反応を慎重に観察。「ずる剥け」が強い場合はトレチノインを休止しハイドロキノンのみ継続
2週間〜 毎日1回、夜のみ 問題なければ毎日使用に移行
1〜2か月使用後 1か月休薬 トレチノインへの耐性獲得防止と肌の回復のため。ハイドロキノンも連続使用は2〜3か月まで(組織黄変症予防)
休薬後 必要に応じて次のクール 効果が不十分な場合、1〜2か月のインターバルを空けて2〜3クール繰り返す
使用スケジュール:2か月使用+1か月休薬

図3:標準的な使用スケジュール — 2か月使用+1か月休薬のサイクル

8. 【最重要】副作用・リスクと対策 — ずる剥け・白抜け・組織黄変症

3大リスクと対策:ずる剥け、白抜け、外因性組織黄変症

図4:3大リスクと対策の早見表 — ずる剥け・白抜け・組織黄変症

⚠ 強力な治療法だからこそ知っておくべき3つのリスク

トレチノイン・ハイドロキノン併用療法は、以下の3つの主要リスクへの理解と対策が不可欠です。これらは医師の管理下で正しく使用すれば適切に管理可能です。

① ずる剥け(レチノイド反応) — 最も頻度の高い副作用

使用上の注意点

使用開始後数日〜2週間で以下の症状が出現することがあります。これはアレルギーではなく、トレチノインの薬理作用(レチノイド反応)によるものです。多くの場合、肌が慣れる2〜3週間後には症状は落ち着きますが、大切な予定(結婚式・撮影・出張など)の前2〜4週間は新規開始を避けることを推奨します。

症状 対処法
赤み(紅斑) 使用頻度を下げる(2〜3日に1回)。改善しなければ一時休止
強い皮むけ(ずる剥け・落屑) ターンオーバー促進の証拠。十分な保湿を行う。無理に剥がさない。マスクで隠す等の工夫も
乾燥 保湿剤を十分に使用。ヒアルロン酸やセラミド配合の保湿剤が有効
ヒリヒリ感・灼熱感 保湿クリームの上からトレチノインを塗る「サンドイッチ法」で軽減可能

「ずる剥け」を最小化する5つのコツ

  • 2日に1回からスタート—肌が慣れたら毎日に
  • 保湿クリームでサンドイッチ—保湿→トレチノイン→保湿の順
  • ピンポイント塗布—顔全体ではなく気になる部位のみ
  • 大切な予定の前は新規開始を避ける—ピーク2〜3週間に注意
  • レチノイド・ステップアップ—市販レチノールから段階的に慣らす

② 白抜け(白斑・脱色素斑) — まれだが重要なリスク

非常にまれですが、ハイドロキノン使用により白斑が報告されています

2024年のCureus誌に掲載された症例報告では、局所的な使用にもかかわらず顔面全体に広がる白斑が発症したケースが記載されています。低濃度であっても白斑を誘発する可能性があるため、使用前のパッチテストと、使用中の医師による定期的な肌状態の確認が不可欠です。

当院では肌の状態を確認しながら処方を行い、異変を感じたらすぐに使用を中止するようご指導しています。

白抜け(白斑)を予防する5つの対策

  • シミ部位ピンポイント塗布—広範囲・全顔への塗布は厳禁
  • 使用前パッチテスト—上腕内側で24時間反応を確認
  • 2〜3か月で休薬—長期連続使用を避ける
  • 定期的な医師チェック—肌の変化を早期発見
  • 異変を感じたら即中止・受診—白っぽい変化に気づいたら速やかに

③ 外因性組織黄変症(Exogenous Ochronosis)

ハイドロキノン長期・高濃度使用のリスク

ハイドロキノンの長期・高濃度使用により、塗布部位に青黒色〜灰色の色素沈着が生じる「外因性組織黄変症」が報告されています。2025年のBritish Journal of Dermatology掲載研究では、この発症にチロシナーゼが関与していることが明らかになりました。

2021年のシステマティックレビュー(126症例の解析)では、4%以上の濃度で3か月以上の連続使用が組織黄変症のリスク因子として特定されています。必ず2〜3か月使用後に1〜2か月の休薬期間を設けることで予防できます。

StatPearls(2024年更新版)では、ハイドロキノンの臨床使用における発がん性は確認されていません。ただし全身吸収率は35〜45%と比較的高く、5〜6か月以内の使用にとどめることが推奨されています。当院では使用期間を厳格に管理しています。

その他の副作用

リスク 頻度 予防策
接触性皮膚炎 比較的多い 使用前にパッチテスト。刺激を感じたら使用中止
光感作・PIH悪化 紫外線対策不十分の場合 毎朝SPF30以上の日焼け止め必須
製品の酸化変色 保管不適切時 冷蔵庫保管・使用期限厳守

💡 「シミだけでなく全身の老化」が気になる方へ — AGEs(糖化)対策のすすめ

シミ治療で「肌のトーンが明るくなったのに、なんとなく顔色が黄ぐすんで見える」と感じる方は、AGEs(終末糖化産物)による「黄ぐすみ」が原因の可能性があります。AGEsは食事の糖質と体内のタンパク質が結合してできる老化物質で、肌の黄ぐすみだけでなく、シワ・たるみ・血管老化・糖尿病合併症など全身の老化に関わります。トレチノイン・ハイドロキノンによる外用療法と並行して、食事・運動・生活習慣からの「抗糖化対策」を行うことで、肌の根本的なエイジングケアが可能になります。

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9. 使用上の禁忌・注意事項

必ず守ってください

【禁忌】妊娠中・妊娠の可能性のある方・授乳中の方はトレチノインの使用は厳禁です

催奇形性のリスクがあります。妊活中の方も念のため1か月前から使用を中止してください。ハイドロキノンも妊娠中・授乳中は控えることが推奨されています。

【紫外線対策の徹底】

使用中は肌が非常に敏感な状態です。日中はSPF30以上の日焼け止めを必ず塗布してください。紫外線により色素沈着が悪化するリスクがあります。

【保管方法】

トレチノインは熱・光で分解されやすいため、冷蔵庫で保管してください。使用期限の目安は処方から約2か月です。

【使用期間】

トレチノインは1〜2か月使用したら1か月休薬。ハイドロキノンの連続使用は2〜3か月以内。必ずインターバルを設けてください

【他の部位への付着に注意】

トレチノインが付いた手で他の部位を触ると、その場所の皮がむける場合があります。塗布後は手をよく洗ってください。

【大切な予定の前は新規開始を避ける】

結婚式・撮影・出張など重要な予定の2〜4週間前は、ずる剥けピーク期にあたるため新規開始は避けてください。

10. よくあるご質問(FAQ)

Q. 市販のレチノール化粧品とトレチノインの違いは何ですか?

A. レチノールはトレチノインの前駆体で、肌の中で2段階の変換を経てはじめて活性型になります。生理活性はトレチノインの約1/50〜1/100であり、シミの「治療」としての効果は限定的です。トレチノインは変換不要の活性型そのもので、医師の処方が必要ですが、治療レベルの効果が期待できます。

Q. ずる剥けが心配です。どのくらいで治まりますか?

A. ずる剥け(皮むけ)はトレチノインがターンオーバーを促進している証拠(レチノイド反応)であり、通常2〜3週間がピークで、その後は落ち着いていきます。心配な場合は、まず2日に1回からスタートする方法や、保湿クリームでサンドイッチする方法で刺激を軽減できます。強い赤みやかぶれが出た場合は使用を中止し、ご受診ください。

Q. 結婚式や大切な予定の前に始めても大丈夫ですか?

A. ずる剥けのピークは使用開始後2〜3週間です。大切な予定の2〜4週間前は新規開始を避けることを推奨します。逆に、3〜6か月前から計画的に始めれば、本番には肌が落ち着き、美白効果も実感できる状態になります。

Q. どのくらいで効果が実感できますか?

A. 個人差がありますが、表皮レベルの変化(肌のトーンアップ、浅いシミの改善)は4〜8週間で実感される方が多いです。コラーゲン増生による小じわの改善など真皮レベルの変化には、6か月以上の継続が必要とされています。1クール(2か月)で効果が不十分な場合は、休薬期間を挟んで2〜3クール繰り返す方法があります。

Q. 白抜け(白斑)が心配です。どう予防すればよいですか?

A. 白抜け(白斑)は非常にまれな副作用ですが、リスクを最小化するために:①シミ部位のピンポイント塗布を厳守(広範囲・全顔への塗布は避ける)、②使用前のパッチテスト、③2〜3か月での休薬、④定期的な医師チェック、⑤異変を感じたら即中止・受診を心がけてください。塗布部位が周囲より白っぽくなってきたと感じたら、すぐにご受診ください。

Q. ハイドロキノン単剤と併用療法、どちらが向いていますか?

A. 併用療法は単剤を超える強力な美白効果が期待できますが、ずる剥けなどの副作用も強く出ます。一方、ハイドロキノン単剤でもMASIスコア60-75%減少という高い有効性が示されています(2026年Dermatology Times)。「即効性と強力な効果を求める方」「ニキビ跡PIHが主体の方」「過去にレチノイド使用経験がある方」は併用療法「肌が敏感な方」「肝斑単独でステロイド回避したい方」「初めて医療美白を始める方」はハイドロキノン単剤から開始がおすすめです。診察時に肌質・ライフスタイルを伺い、最適な選択肢をご提案します。

Q. ゼオスキンと併用できますか?

A. ゼオスキンのセラピューティックプログラムは、五良会グループの五良会クリニック白金高輪(美容皮膚科)にて取り扱っております。ゼオスキンにもレチノイド成分が含まれるため、ケイセイのトレチノインとの併用・切替には刺激の調整が必要です。当院からすぐにご案内が可能ですので、ゼオスキンにご興味のある方はお気軽にご相談ください。

Q. 男性でも使用できますか?

A. もちろんです。シミ、ニキビ跡、毛穴の悩みは性別を問いません。男性は皮脂分泌が多い傾向がありますが、トレチノインの皮脂抑制作用は男性の肌質改善にも有効です。

Q. 使用中にメイクはできますか?

A. 日中のメイクは可能です。ただし、日焼け止め(SPF30以上)の使用は必須です。ノンケミカル(紫外線吸収剤不使用)タイプの日焼け止めが、敏感になった肌に優しくおすすめです。ずる剥け期間中は、保湿系下地→マスクで隠す等の工夫も有効です。

Q. もっと本格的な美容皮膚科治療も受けたいのですが。

A. 五良会グループの連携により、五良会クリニック白金高輪(美容皮膚科)でのVISIA肌診断、PicoWay®ピコレーザー治療、ダーマペン4、ハイドラフェイシャル、ケミカルピーリング、白玉点滴、医療痩身など、より専門的な美容医療への紹介が可能です。トレチノイン・ハイドロキノン療法との組み合わせで、さらに高い効果を追求される方はお気軽にご相談ください。

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ケイセイ製剤(医師の診察・処方が必要)

トレチノインオイルジェル 5g(0.1%)5,000円(税込)

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医師の診察のうえ、肌状態に合わせた最適な処方をご提案いたします。お気軽にご相談ください。

参考文献

  1. An Update on New and Existing Treatments for the Management of Melasma. Am J Clin Dermatol. 2024. PMC11358250.
  2. Emerging Topical Alternatives to Hydroquinone in Melasma Management. Dermatology Times. 2026 January.
  3. Topical Tretinoin Therapy: Systematic Review of Clinical Indications and Safety Profile. J Clin Med. 2025.
  4. British Journal of Dermatology 2025 — Exogenous Ochronosis Mechanism Study.
  5. Hydroquinone-Induced Leukoderma: A Case Report. Cureus. 2024.
  6. Hydroquinone — StatPearls (2024 update).
  7. Kligman AM, Willis I. A new formula for depigmenting human skin. Arch Dermatol. 1975;111:40-8.
  8. Tranexamic Acid as a Therapeutic Option for Melasma Management: Meta-analysis and Systematic Review. J Dermatolog Treat. 2024;35:2361106.
  9. Bernstein EF ら. Melasma treatment with a 1064 nm, picosecond-domain laser with a fractionated multibeam lens array. Lasers Surg Med. 2023;55(9):801-808.
  10. FDA 510(k) clearance K220853 (PicoWay® Laser System), October 2022.

本記事は学術情報の提供を目的としたもので、特定の効果を保証するものではありません。トレチノイン・ハイドロキノン併用療法の方針は個別の医師の診察・カウンセリングのうえで決定いたします。

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竹内内科小児科医院
院長 五藤 良将

執筆医について

本記事は医療法人社団五良会 理事長/竹内内科小児科医院 院長 五藤 良将(ごとう よしまさ)が執筆・監修しています。日本旅行医学会認定医(筆頭)、日本内科学会認定内科医、日本抗加齢医学会専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医・専門医、産業医(日本医師会認定)、スポーツドクター(日本医師会認定健康スポーツ医)など多数の専門資格を保有。テレビ・雑誌など多数のメディア出演歴があり、『あぶら落とすスープ』など書籍も出版しています。

▶ 五藤院長の人柄を知る記事

Author: 五藤 良将