『糖尿病初期症状』隠れ糖尿病にいち早く気づこう!



今回は「糖尿病の初期症状」についてお伝えします。

糖尿病は、失明したり、透析になったり、足を切断しなくてはいけないなど、とても怖い病気と思われていますが、糖尿病に至る前には症状があります。高血糖の症状をいち早くみつけて、いち早く予防することが重要です。

今回のブログでは

 ■糖尿病初期症状
 ■糖尿病になる前にどうしたらよいのか
 ■糖尿病になりやすい人

についてお伝え致します。

また今回のブログの内容をYouTubeでも発信しております。
分かりやすく解説していますので、是非こちらもご覧下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=wqHXa4C7Ce8&t=100s


①のどが渇く・頻尿

血液の中に糖が多くなると、体はドロドロとした血液を水分で薄めて少しでもサラサラにしようと、のどが渇き水分を摂ろうとします。そしてたくさん水分を摂ることで、トイレが近くなります。頻尿とは1日に8回以上トイレに行くことをいいます。

②尿が泡立つ
糖尿病外来をしていると、初診で「尿が泡立つことが多いですが、糖尿病でしょうか?」と心配して来院される方がいらっしゃいます。
尿が泡立つということは、尿の濃度が濃い、尿に糖が含まれている以外にも、尿に蛋白が含まれていたり、尿に細菌が感染している可能性もあります。一概に尿が泡立つことだけで、糖尿病とは言い切れませんが、糖尿病の一つのサインとしては重要なサインかと思います。

③足がつる、しびれる
糖尿病神経障害の一つの症状で、砂利道を裸足で歩くような違和感と表現されます。血流の滞りや、手足に張り巡らされている末梢神経に障害が起こることで足がつりやすくなるといわれています。

④感染しやすくなる
糖尿病になると、風邪などにかかりやすくなります。
高血糖になると、白血球(体内の菌を倒す細胞)の機能が落ちてしまうことが原因です。

ウィルスをやつける機能が低下することで、感染症にかかりやすくなります。

⑤倦怠感・体重減少
初期症状というよりは、糖尿病の強い疑い症状になります。

糖尿病になると、インスリンが不足または少なくなるため、食事からとったブドウ糖をエネルギーとして十分に利用できなくなります。そうなると体内の脂肪や筋肉を分解してエネルギーを得ようとするため、食事をとっていても、痩せてしまいます。急激に痩せる場合には、インスリンが極度に不足している可能性があり、対処しなければ合併症が進行してしている可能性がありますので、早急に受診下さい。

糖尿病には「隠れ糖尿病」が存在します。
健康診断は“空腹時”で血液検査をすることが多く、空腹時では大人しく発見しづらいですが、初期の段階では食後にグン⤴と血糖値が上がります。

上記の症状が出る前にいち早く気が付くには、食後2時間後の血糖値を測定することが重要です。(食後2時間後とは、食べ始めた時刻から2時間後ということです。)
食後2時間後の血糖値が140以上になると「境界型糖尿病」と診断されます。糖尿病と診断される前に気がづいて、予防をすることの大切さをみなさんに知ってもらいたいと思います!


縦軸が「空腹時血糖値」で、空腹時血糖値が110未満であれば「正常型」。空腹時の血糖値が126以上で「糖尿病型」になり、2回当てはまれば「糖尿病」と診断されます。1回の検査結果では診断はしてはいけないと言われており、別日で2回測定することをお勧めします。

横軸は「75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)」を行い、2時間後の血糖値の値です。140以上で「境界型糖尿病(隠れ糖尿病)」、200以上で「糖尿病」となります。当院でも検査可能です。2時間以上かかりますので、ご予約をお願い致します。



上の図は2009年に発表されたケンダル先生の論文より引用しております。
糖尿病と診断される前の5~10年は、「境界型糖尿病(隠れ糖尿病)」になっており、空腹時血糖値は高くはないが、食後血糖値が高い状態の期間があります。

食後の血糖値を抑えるためにすい臓が頑張り、そのため徐々にすい臓疲労が起こり、インスリンのレベルが下がっていくことで、空腹時の血糖値も高くなり「糖尿病」へとなっていきます。

検診では空腹時血糖値を測定することが多いので、気が付かずに過ごしてしまっている人が多くいらっしゃいます。

糖尿病になったらもう治らないと思われますが、「境界型糖尿病」の段階で、いち早く気が付き予防することで、すい臓疲労を防ぐくとで治る可能性があります。

一度衰弱していまったすい臓はもとに戻らないので、すい臓疲労が起こる前にいかに予防するかが重要です。

早く気が付いて、生活を正すことで糖尿病を避けられますので、気になる方は早めにご相談下さい。

参照:
DM Kendall et al. ‘Clinical application of incretin-based therapy: therapeutic potential, patient selection and clinical use’ Am J Med. 2009 Jun;122(6 Suppl):S37-50.

Yoriko Heianza et al. ‘HbA1c 5·7-6·4% and impaired fasting plasma glucose for diagnosis of prediabetes and risk of progression to diabetes in Japan (TOPICS 3): a longitudinal cohort study.’ Lancet 2011 Jul 9;378(9786):147-55.

経験上、下記に当てはまる人は糖尿病になりやすいので、一早く予防するためにも生活をただし、気になることがありましたら早めに受診することをお勧めします。

①肥満 BMI:25以上
②年齢 45歳以上
③家族に糖尿病の方がいる人
④運動不足  1日30分未満の方
⑤高血圧  140/90mmHg以上
⑥脂質異常症 中性脂肪(TG)140/90mmHg以上 HDL 140/90mmHg以上 LDL 140/90mmHg以上
⑦睡眠が不規則 7時間以下の方は注意
⑧妊娠糖尿病になった方  

妊娠糖尿病にならなかった方の7.5倍も、糖尿病になりやすい。毎年75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)を受けてください。 

当院では管理栄養士による栄養指導も行っております。何かございましたら、お気軽にご相談下さい。
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〒145-0072 東京都大田区田園調布本町40-12-201
竹内内科小児科医院 (東急東横線多摩川駅徒歩5分)
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Author: 五藤 良将