皆さま、こんにちは。竹内内科小児科医院 院長の五藤良将です。
「胃が痛くて胃カメラを受けたのに、異常なしと言われた」「少し食べただけですぐお腹がいっぱいになる」「大事な会議の前に決まってみぞおちが痛くなる」——このような「検査では異常がないのに続く胃の不調」に悩む方は、実はとても多くいらっしゃいます。これは機能性ディスペプシア(FD:Functional Dyspepsia)と呼ばれる、れっきとした病気です。日本人のおよそ10人に1人が該当するといわれています。
当院では、心療内科と消化器内科の両方を専門とする阿部靖彦(あべ やすひこ)医師が、木曜午前・奇数週の金曜午前に外来を担当しております。「心」と「胃腸」の両面から診られるのが阿部医師の外来の最大の特長です。今回は、ストレスと胃の深い関係についてお伝えいたします。
目次
1. 「検査で異常なし」なのに胃がつらい——機能性ディスペプシアとは
機能性ディスペプシアは、内視鏡などの検査で炎症や潰瘍といった「目に見える異常」がないにもかかわらず、胃の症状が慢性的に続く病気です。胃の「動き」と「感じ方」の不調が原因であり、気のせいでも、我慢すべきものでもありません。
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機能性ディスペプシアの代表的な症状 □ 食後の胃もたれ(食後愁訴症候群タイプ) □ 少し食べるとすぐ満腹になる(早期飽満感) □ みぞおちの痛み・灼熱感(心窩部痛症候群タイプ) □ 症状がストレス・緊張で悪化する □ 胃カメラでは「異常なし」「きれいな胃」と言われた |
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まだ胃カメラを受けていない方へ 機能性ディスペプシアの診断には、潰瘍やがんなど他の病気がないことの確認が前提となります。体重減少・貧血・黒い便・飲み込みにくさがある方や、検査を受けたことがない方は、まず内視鏡検査による評価をおすすめいたします(当院の消化器内科・玉井医師と院内連携で対応します)。 |
2. 脳と胃はつながっている——脳腸相関のメカニズム
メカニズム図解|ストレスが胃の症状を生むしくみ(脳腸相関)
| 脳がストレスを感じる:仕事・家庭・環境の変化などのストレスで、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが乱れます | |
| 胃の動きが乱れる:食べ物を受け入れるときの胃のふくらみ(適応性弛緩)や、十二指腸へ送り出す動き(排出能)がうまく働かなくなります | |
| 胃が敏感になる:内臓知覚過敏といって、通常なら感じない程度の胃酸や胃のふくらみを「痛み」「もたれ」として感じてしまいます | |
| 悪循環が完成する:胃の不調そのものが新たなストレスとなり、不眠や不安を招いて症状をさらに悪化させます。この悪循環を断つことが治療の鍵です |
このように、機能性ディスペプシアは「胃だけ」を見ていても良くならないことがあります。自律神経・睡眠・ストレスへの対処もあわせて診る——まさに心療内科と消化器内科の重なる領域なのです。
3. 治療の選択肢——お薬と生活の工夫
| アプローチ | 内容 |
|---|---|
| 胃の動きを整える薬 | 消化管運動機能改善薬(アコチアミドなど:機能性ディスペプシアへの保険適用薬) |
| 胃酸を抑える薬 | PPI/P-CABなど。心窩部痛タイプで有効なことが多い |
| 漢方薬 | 六君子湯(りっくんしとう)など、胃もたれ・食欲不振に用います |
| 心療内科的アプローチ | 不安・不眠が強い場合は、睡眠の改善や抗不安・抗うつ薬の少量使用、ストレス対処のご相談まで一貫して対応します |
| 生活の工夫 | 脂肪の多い食事・早食い・食べすぎを避ける/睡眠リズムを整える/カフェイン・アルコールを控えめに |
治療は「機能性消化管疾患診療ガイドライン2021—機能性ディスペプシア(FD)改訂第2版」(日本消化器病学会)に沿って行います。ピロリ菌が見つかった場合は、除菌治療により症状が改善する方もいらっしゃいます。
4. 当院の外来——心療内科×消化器内科の阿部靖彦医師
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 担当医 | 阿部 靖彦 医師(心療内科・消化器内科) |
| 診療日 | 木曜日 午前 9:00〜12:00 / 金曜日 午前 9:00〜12:00(奇数週) |
| 対応内容 | 機能性ディスペプシア・過敏性腸症候群などストレス関連の消化器症状、不眠・不安・自律神経の不調、ストレス性の身体症状全般 |
| ご予約 | WEB予約(当日可)・LINE・お電話(03-3721-5222) |
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ご受診の際は「外来担当医カレンダー」をご確認ください 阿部医師の金曜外来は奇数週のみです。ご来院前に当院ホームページの「担当医スケジュール」(外来担当医カレンダー)で該当日を必ずご確認のうえ、ご予約をお願いいたします。内視鏡による器質的疾患の確認が必要な場合は、玉井医師(火曜午前・水曜終日)と院内で連携いたします。 |
5. 受診前チェックリスト
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受診前チェックリスト □ 症状の起こるタイミング(食後・緊張時など)と続いている期間のメモ □ 過去の胃カメラ・ピロリ菌検査の結果(あれば) □ 服用中のお薬・市販薬(お薬手帳) □ 睡眠の状況(寝つき・中途覚醒・起床時の疲労感) □ 最近の生活の変化・ストレス要因(差し支えない範囲で) |
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五良会グループでは、田園調布から白金高輪まで医師が連携しております。患者さまの転居やライフスタイルの変化に合わせて、同じグループ内で継続診療が受けられる体制を整えております。
参考文献
- 日本消化器病学会編「機能性消化管疾患診療ガイドライン2021—機能性ディスペプシア(FD)改訂第2版」南江堂, 2021.
- 日本心身医学会・日本心療内科学会関連資料
- Miwa H, et al. Prevalence of functional dyspepsia in Japan. J Gastroenterol Hepatol. 2012.
院長 五藤 良将