【医師監修】AGEs(終末糖化産物)と老化・病気の関係|最新研究エビデンスと体内糖化度検査のご案内

皆さま、こんにちは。竹内内科小児科医院 院長の五藤良将です。

「最近、お肌のくすみや疲れやすさが気になる」「糖尿病だと言われて、合併症が心配」「両親が認知症や骨粗鬆症で、自分の老化も気になり始めた」——こうしたお悩みに共通するキーワードがAGEs(終末糖化産物:Advanced Glycation End-products)、いわゆる「体の焦げつき」です。

2025年に発表された大規模メタアナリシス(European Journal of Medical ResearchClinical Research in Cardiology)では、皮膚自家蛍光(Skin Autofluorescence:SAF)で測定したAGEs蓄積量が、糖尿病患者・心血管疾患患者・慢性腎臓病患者のいずれにおいても全死亡・心血管死亡・脳卒中の独立した予測因子であることが改めて確認されました。AGEsはもはや「美容上の老化指標」ではなく、生命予後を左右する重要なバイオマーカーとして位置付けられています。

当院では、腕を測定器に乗せるだけの簡便な検査(約12秒・採血不要)でAGEs蓄積量を可視化できます。本記事では、2026年時点での最新エビデンスを踏まえ、AGEsが全身に及ぼす影響と、その対策・当院での測定の意義について院長として詳しく解説いたします。

AGEs体内糖化度検査


1. AGEsとは?— 糖化反応の分子メカニズム

AGEs説明

AGEs説明2

AGEsとは、体内のタンパク質や脂質糖(グルコースやフルクトースなど)と非酵素的に結合して生じる物質の総称です。この反応は「メイラード反応(糖化反応)」と呼ばれ、食品を加熱した際にこんがりとした焼き色がつく現象と同じ化学反応が、体温37℃の体内でもゆっくりと進行しています。

メカニズム図解|AGEs生成の3段階

1 初期反応(可逆的):グルコースなどの還元糖がタンパク質のアミノ基(リジン残基・アルギニン残基)と結合し、シッフ塩基を形成します。この段階ではまだ元に戻すことができます。
2 中期反応:シッフ塩基がアマドリ転位を起こし、「アマドリ化合物」(前期糖化産物)を生成します。HbA1cはこの段階の代表的な指標で、過去1〜2か月の平均血糖を反映します。
3 後期反応(不可逆的):酸化・脱水・縮合反応を経て、AGEs(終末糖化産物)が最終的に形成されます。一度生成されると分解・排出が極めて困難で、コラーゲンなど半減期の長いタンパク質に蓄積すると、生涯にわたって組織に留まり続けます。

代表的なAGEs構造体

生体内で確認されている主なAGEs

Nε-カルボキシメチルリジン(CML):非蛍光性・非架橋性。血中で最も多く検出され、RAGE(受容体)の主要リガンドとして炎症反応を惹起。

ペントシジン:蛍光性・架橋性。皮膚自家蛍光(SAF)測定の主要ターゲット。コラーゲン架橋による組織硬化に関与。

メチルグリオキサールリジンダイマー(MOLD):非蛍光性・架橋性。タンパク質間の病的架橋を形成。

グリセルアルデヒド由来AGEs(Glycer-AGEs / TAGE):毒性が特に強く、肝臓疾患(NASH/MASLD)やインスリン抵抗性との関連が報告。

AGEsの体への影響


2. AGEsの2大供給経路 — 内因性(高血糖)と外因性(食事・喫煙)

ホットケーキの糖化例

ポイント|AGEs蓄積の2大経路

① 内因性AGEs(全体の約2/3):高血糖状態が持続すると、血中の過剰なグルコースが体内のタンパク質と結合してAGEsが生成されます。糖尿病・前糖尿病・隠れ糖尿病(境界型)の方ではこの経路が著しく亢進しています。

② 外因性AGEs(全体の約1/3):食品を高温で加熱調理(揚げる・焼く・炒める)した際に生成されるAGEsを食事から摂取する経路です。摂取した外因性AGEsの約7割が体内に残留するとされています。喫煙もAGEsの重要な外因性供給源で、タバコの葉を乾燥させる過程で生じたAGEsが肺から吸収されます。

分かりやすい例として、ホットケーキがあります。小麦粉(糖質)を練って、牛乳や卵のタンパク質を加えて焼いたときの、きつね色の焦げ目こそがAGEsです。ステーキ、唐揚げ、トースト、フライドポテト、揚げせんべいなど、私たちが日常的に口にしている褐色の食品にもAGEsが豊富に含まれています。

調理法 温度の目安 AGEs生成量
茹でる・蒸す・煮る 約100℃ 少ない(推奨)
電子レンジ加熱 100〜120℃ 少なめ
炒める 約140〜160℃ 中程度
揚げる 約170〜200℃ 多い
直火焼き・オーブン焼き 200℃以上 最も多い

同じ鶏むね肉でも、焼き鳥(直火焼き)は水炊きの約5〜10倍のAGEsを含むという報告があります(Uribarri J, et al. J Am Diet Assoc. 2010)。


3. AGEsはなぜ危険か?— RAGE受容体と全身への影響

AGEs蓄積の仕組み

AGEsが体に害を及ぼすメカニズムは、大きく2つの経路に分けられます。

経路1:タンパク質の架橋形成(構造的障害)

AGEsはコラーゲンやエラスチンなどの長寿命タンパク質に病的な架橋(クロスリンク)を形成します。これにより組織が硬く脆くなり、血管壁の弾力低下(動脈硬化)、皮膚のしわ・たるみ、骨強度の低下(骨粗鬆症)、関節のこわばりなどを引き起こします。

経路2:RAGE受容体を介した炎症・酸化ストレス(機能的障害)

AGEsは細胞表面のRAGE(Receptor for AGEs:AGEs受容体)に結合し、細胞内シグナル伝達を活性化します。最新の総説(PMC, 2025)によれば、AGE-RAGE系はNF-κB経路を中心とする炎症カスケード、NADPH オキシダーゼを介した活性酸素種(ROS)産生、TGF-βを介した線維化シグナルを同時に活性化することで、心筋線維化・血管リモデリング・動脈硬化を加速させます。

AGE-RAGE系が引き起こす主な生体反応

・NF-κB活性化 → 炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6)産生亢進

・NADPH オキシダーゼ活性化 → 活性酸素種(ROS)産生増加

・NO(一酸化窒素)産生低下 → 血管内皮機能障害

・VEGF発現亢進 → 血管透過性亢進・病的血管新生

・接着分子(VCAM-1、ICAM-1)発現上昇 → 動脈硬化促進

・TGF-β活性化 → 心筋線維化・腎線維化

つまりAGEsは、糖尿病・心血管病・腎臓病・骨疾患・認知症など、一見バラバラに見える疾患を「慢性炎症と組織硬化」という共通基盤でつなげる「病気の共通項」と言えます。


4. AGEsと心血管疾患 — 2025年メタアナリシスの最新エビデンス

AGEsと関連疾患

最新エビデンス|2025年メタアナリシス(Springer Nature・PMC収載)

2025年3月までの前向き研究を統合した大規模メタアナリシスでは、皮膚自家蛍光(SAF)高値が以下のリスク上昇と関連することが報告されました(Eur J Med Res, 2026; Clin Res Cardiol, 2025)。

慢性腎臓病(CKD)患者の全死亡:HR 1.65(95%CI 1.35-2.01)

糖尿病患者の全死亡:HR 1.61(95%CI 1.14-2.29)

動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)患者の心血管イベント:HR 1.67(95%CI 1.19-2.35)

糖尿病患者の心血管イベント:HR 1.63(95%CI 1.27-2.09)

注目すべきは、末期腎不全(ESRD)患者ではAGEsと心血管リスクの関連が特に強く、腎機能低下によるAGEs排泄能の低下が独立した予後因子となることです。これは「血糖が良好でもAGEsが高い」というケースが存在し、HbA1cだけでは捉えきれないリスクをSAFが補完することを意味します。

また、Lutgers HLらのDiabetologia研究(2018)では、一般集団においてもSAF高値が将来の2型糖尿病発症・心血管疾患発症・全死亡を独立して予測することが示されています。すなわちAGEsの蓄積評価は、糖尿病やCKDをすでに発症した方だけでなく、健常者の予防医学的スクリーニングとしても有用です。

AGEsによる血管内皮機能障害は、心筋梗塞・脳卒中だけでなく勃起不全(ED)とも密接に関連しており、EDは心血管イベントに数年先行する初期サインとして近年再評価されています。

関連記事|糖尿病治療と動脈硬化対策

糖尿病治療の最前線では、メトホルミン・SGLT2阻害薬・GLP-1受容体作動薬といった薬剤が、血糖降下作用を超えた多面的効果(心血管保護・腎保護・抗AGE作用)を持つことが明らかになっています。詳しくは 「糖尿病治療の最前線|メトホルミン・SGLT2・CGM個別化+抗老化の最新エビデンス」をご覧ください。

メタボから糖尿病・動脈硬化への進行には、内臓脂肪由来の慢性炎症と高血糖がAGE蓄積を加速させる悪循環が関与します。「メタボから糖尿病へ|2024年新基準・sd-LDL・隠れメタボを徹底解説」もあわせてご参照ください。


5. AGEsと糖尿病合併症・慢性腎臓病

糖尿病は「身体を老化させる病」とも呼ばれ、高血糖による酸化ストレス・脂質異常などの病的状態ではAGEs生成量が著しく増加します。AGEsの蓄積は糖尿病の三大合併症(網膜症・腎症・神経障害)のすべてに関与するとともに、大血管障害(心筋梗塞・脳卒中)の発症リスクも高めます。

エビデンス|慢性腎臓病(CKD)とAGEs

慢性腎臓病(CKD)患者では、腎臓でのAGEs排泄能が低下するため体内蓄積が加速します。AGEsと骨代謝異常(腎性骨異栄養症)尿細管障害の関連が報告されているほか、血液透析患者を対象とした研究では、皮膚自家蛍光の経時的上昇が死亡率の独立予測因子であることが示されています(Meerwaldt R, et al. Diabetologia, 2004; Wang AYM, et al. systematic review, 2020)。

糖尿病薬の抗糖化作用 — 治療薬の進化

近年、糖尿病診療ガイドライン2024(日本糖尿病学会)でも強調されているように、SGLT2阻害薬・GLP-1受容体作動薬・メトホルミンには血糖降下作用を超えた多面的効果が期待されており、AGE-RAGE系の抑制を介した臓器保護作用も注目されています。特にアルブミン尿を伴う糖尿病性腎臓病に対しては、SGLT2阻害薬の投与が推奨グレードAで推奨されており、腎予後改善・心血管予後改善のエビデンスが確立しています。

関連記事|家族歴のある方の糖尿病・脂質異常症対策

糖尿病の家族歴がある方は、発症前からAGE蓄積が始まっている可能性があります。早期対策・拡大脂質検査・FH(家族性高コレステロール血症)スクリーニングについては 「親が糖尿病だと自分も?|家族歴がある人の早期対策・拡大脂質検査・FHを解説」をご覧ください。


6. AGEsとフレイル・サルコペニア・骨粗鬆症

エビデンス|Rotterdam Study(2022年)— フレイルとAGEs

Waqas Kらは、Rotterdam Studyの2,521名を対象とした横断研究で、SAFで評価したAGEs蓄積量がフレイル(Fried基準・Rockwoodフレイルインデックス双方)と有意に関連することを報告しました(J Gerontol A Biol Sci Med Sci, 2022)。フレイルの程度が重いほどSAF値は高く、この関連は糖尿病の有無に関わらず認められました。

同じくRotterdam Studyの2,744名を対象としたサルコペニア研究(J Clin Endocrinol Metab, 2022)では、SAF値が最も高い群(第4四分位)は最も低い群と比較して、握力低下骨格筋量低下のリスクが有意に高く、確定サルコペニアの有病率も高いことが示されました。AGEsが筋肉のコラーゲンに架橋を形成し、筋肉の質と機能を低下させると考えられています。

2025年に日本で発刊された『サルコペニア・フレイルに関する栄養管理ガイドライン2025』(南江堂)でも、糖化ストレス・酸化ストレスへの対策が栄養管理の重要な柱として位置付けられています。

骨粗鬆症・骨折リスク — 「骨質」の問題

骨の約50%はコラーゲンで構成されています。AGEsがこのコラーゲンに架橋を形成すると、骨のしなやかさが失われ、骨質が劣化します。骨密度(BMD)が正常であっても、AGEs蓄積により骨折リスクが上昇するケースがあり、これは従来の骨密度検査だけでは捉えきれない「骨質の問題」です。Rotterdam Studyでは、SAF高値が椎体骨折および主要骨粗鬆症性骨折の有病と有意に関連することが示されました(Waqas K, et al. J Bone Miner Res, 2020)。

グループ内連携|高齢者糖尿病・フレイル外来

五良会グループでは、田園調布の竹内内科小児科医院に加え、横浜市都筑区の五良ファミリークリニックセンター南でも高齢者糖尿病・フレイル・サルコペニア・認知症外来を併設しており、ご家族のライフステージに合わせた継続診療体制を整えております。センター南のブログもあわせてご参照ください。


7. AGEsと認知症・うつ病 — 脳とこころへの影響

認知症(アルツハイマー病)との関連

脳内にAGEsが蓄積すると、アミロイドβタンパク質の凝集が促進され、アルツハイマー病の発症に関与すると考えられています。AGEsによる慢性神経炎症と酸化ストレスは、神経細胞の変性・脱落を加速させます。糖尿病がアルツハイマー病のリスク因子(いわゆる「3型糖尿病」とも呼ばれる)とされる背景には、この糖化経路が深く関与しています。

日本内科学会の総説(2018)でも、認知症とサルコペニア・フレイルは「同じ慢性炎症・酸化ストレス・糖化ストレスを基盤とする病態群」として整理されており、AGE測定が早期介入のバイオマーカーとして注目されています。

うつ病(メランコリー型)との関連

エビデンス|Helsinki Birth Cohort Study(2021年)

Eriksson MDらは、Helsinki Birth Cohort Studyの参加者を対象に、SAFで測定したAGEs値とうつ症状(Beck Depression Inventory)の関連を検討しました(J Psychosom Res, 2021)。メランコリー型うつ症状を有する群のAGEs値(2.61 AU)は、非メランコリー型(2.45 AU)、うつ症状なし群(2.38 AU)と比較して有意に高値でした(p = 0.013)。

中国のREACTION研究(4,420名対象、2023年)でも、SAF-AGEsの四分位値が上昇するにつれ、うつ症状のリスクがオッズ比1.24 → 1.39 → 1.57と用量依存的に上昇することが示されています。

当院は心療内科も併設しております。気分の落ち込み、不眠、慢性的な疲労感など、こころの不調と身体の老化(糖化ストレス)を一体で評価する「身体・精神統合的アプローチ」が可能です。


8. AGEsと皮膚老化・小児期からの蓄積リスク

AGEsと皮膚老化

皮膚を構成する主要なタンパク質であるコラーゲンやエラスチンにAGEsが蓄積すると、弾力性の喪失(しわ・たるみ)、黄褐色のくすみ(糖化による色素沈着)が進行します。AGEsはメラノサイトを刺激してシミの原因にもなります。

2025年に発表されたAntioxidants誌のレビュー(Antioxidants, 2025; 14(4):498)では、抗糖化・抗酸化活性を持つ化合物(外用・経口)が、加齢・糖尿病・高糖質食・紫外線曝露・酸化ストレスによる皮膚AGEs蓄積を有意に抑制することが多数の動物・臨床研究で示されたと総括されています。

小児期からの蓄積も — 当院が小児科併設である理由

2025年の研究(Int J Mol Sci, 2025; 26(20):9966)では、肥満児においてもAGEs・メチルグリオキサール(MG)・E-セレクチン・hs-CRPが有意に上昇し、動脈硬化の早期マーカーとなることが示されました。運動量が少ない小児ではAGEs蓄積が進行しやすく、若年期からの生活習慣の重要性が改めて確認されています。

当院は内科・小児科を併設している強みを活かし、「親子で生活習慣を見直す」外来をご提案しています。お父様・お母様の体内糖化度検査と、お子様の食事・運動指導を同時に行うことで、家族ぐるみでAGEs対策に取り組むことができます。

AGEsに関する多領域の最新研究知見

耳たぶのしわ(Frank徴候)との関連:耳たぶの対角線状のしわは動脈硬化のサイン。AGEs蓄積との関連が研究されており、老化抑制ホルモンKlothoの血中濃度低下とも関係します。

睡眠時間と心血管疾患リスク:睡眠不足は糖代謝を悪化させAGEs蓄積を促進。短時間睡眠者では心血管疾患リスクの上昇が報告されています。

白血球(好中球・単球)との相関:一般集団で皮膚自家蛍光と血中好中球数・単球数が正の相関を示し、AGEsが慢性炎症状態と関連することを裏付けます。

白内障・網膜症:水晶体タンパク質(クリスタリン)のAGEs化は白内障の主要因のひとつ。

NAFLD/MASLD(脂肪肝):グリセルアルデヒド由来AGEs(TAGE)が肝細胞障害・線維化に関与し、フルクトース過剰摂取がリスクを高めます。


9. AGEsを増やす6つの生活習慣 — 1万1千人の日本人調査から

AGEsと生活習慣

花王健康科学研究会が全国約1万1,000人の日本人を対象に実施した大規模調査(Isami F, et al. J Diabetes Investig, 2018)では、以下の生活習慣が年齢とは独立して皮膚AGEs蓄積量の上昇と有意に相関することが明らかになりました。

AGEsを増加させる6つの生活習慣リスク因子

1. 喫煙:タバコ煙に含まれるAGEsが肺から吸収。喫煙者は非喫煙者より血中・皮膚中AGEs濃度が有意に高値。

2. 運動不足:運動による血糖消費の低下がAGEs生成を促進。

3. 精神的ストレス:ストレスホルモン(コルチゾール)による血糖上昇がAGEs生成に寄与。

4. 睡眠不足:インスリン感受性の低下、成長ホルモン分泌減少を介してAGEs蓄積を促進。

5. 朝食抜き:次の食事での血糖スパイクが増大し、AGEs生成が促進。

6. 甘い物・加工肉・揚げ物の過剰摂取:外因性AGEsの直接的な摂取源。

AGEsスコアは「生活習慣の成績表」です。上記のリスク因子は一つひとつは小さく見えても、複合的に蓄積することで老化を大きく加速させます。


10. AGEs蓄積を防ぐ7つの実践的対策

実践編はこちら:本章では7つの対策を要点でご紹介します。より詳しい実践ガイド(具体的な調理法、高AGE/低AGE食品リスト、糖尿病薬の抗糖化作用、当院での個別化アプローチ)は、「AGEs(糖化)対策の実践ガイド|食事・調理法・運動・薬剤の最新エビデンス」をご覧ください。

AGEs対策

対策1:調理法を工夫する — 「焼く・揚げる」より「煮る・蒸す」

高温調理はAGEs生成を指数関数的に増加させます。揚げ物(170〜200℃)やオーブン焼き(200℃以上)に対し、茹でる・蒸す・煮る調理法は約100℃にとどまり、AGEs生成を大幅に抑制できます。酢やレモン汁などの酸性調味料を使ったマリネもAGEs生成抑制に有効です。

対策2:食べる順番を守る — ベジタブルファースト

食物繊維(野菜・海藻・きのこ類)→ タンパク質(肉・魚)→ 炭水化物(ごはん・パン)の順番で食べることで、食後血糖値の急上昇を抑え、AGEs生成を低減できます。ゆっくりよく噛むことも重要です。

対策3:低GI食品を選ぶ

GI値(食品の血糖上昇指数)が55以下の低GI食品(大豆製品、全粒穀物、ナッツ類)を選ぶことで、食後の血糖スパイクを防ぎます。

対策4:食後の運動を習慣に

食後20〜30分のウォーキングで血糖値の上昇を穏やかにし、AGEs生成を抑制できます。血糖値が最も上がるのは食後約1時間であり、このタイミングでの運動が効果的です。

対策5:抗酸化物質を積極的に摂取する

「酸化」と「糖化」は密接に関係し、同時に進行することが多いです。抗酸化物質の摂取が糖化抑制につながります。緑黄色野菜(ブロッコリー、ほうれん草、トマト)、ブロッコリースプラウト、マイタケ、緑茶カテキンなどが推奨されます。

対策6:十分な睡眠と禁煙

質の高い睡眠はインスリン感受性を維持し、成長ホルモン分泌を促進してAGEs蓄積を抑制します。禁煙はAGEsの外因性供給を断つ最も効果的な方法のひとつです。

対策7:定期的なAGEs測定で「見える化」

AGEs測定を定期的に行うことで、ご自身の老化度・生活習慣の改善度を客観的に把握できます。「見える化」することが、生活習慣改善のモチベーション維持に繋がります。

抗酸化物質

当院の管理栄養士が、AGEs対策に効果的なレシピを公開しています。ぜひ参考にしてください。

管理栄養士おすすめレシピはこちら →


11. 当院のAGEs測定検査・d-Gsサプリメント

AGEs測定器

検査の原理:皮膚自家蛍光(SAF)測定

当院のAGEs測定は、皮膚自家蛍光(Skin Autofluorescence:SAF)を利用した非侵襲的な検査です。皮膚に特定の波長(300〜420nm)の紫外光を照射すると、組織中に蓄積した蛍光性AGEs(主にペントシジン)が420〜600nmの蛍光を発します。この蛍光強度を計測することで、AGEs蓄積量を推定します。皮膚生検で評価したAGEs量との相関も確認されている信頼性の高い検査法です。

体内糖化度検査(AGEs測定)の概要

検査方法:腕を測定器に乗せるだけ(採血不要)

所要時間:約12秒

AGEs測定料金1,000円(税込)

※別途、診察料3,000円(税込)がかかります

痛み:なし(完全非侵襲)

対象:年齢を問わずどなたでも測定可能(小児も可)

定期的に測定することで、どの程度老化が進んでいるか、また生活習慣の改善効果がどの程度現れているかの指標になります。3〜6か月ごとの再測定をおすすめしています。

受診前チェックリスト

□ HbA1c・空腹時血糖が境界域〜糖尿病範囲

□ ご家族に糖尿病・心筋梗塞・脳卒中・認知症の方がいる

□ 揚げ物・甘い物・加工肉が好き

□ 喫煙歴がある(または現喫煙)

□ 運動不足・睡眠不足を感じている

□ 肌のくすみ・しわ・たるみが気になる

□ 慢性的な疲労感・気分の落ち込みがある

□ 健康診断の数値はいいが「老化」を客観的に評価したい

d-Gsサプリメント・d-Gsスキンクリームのご案内

当院では、糖化対策をサポートする【d-Gsサプリメント】【d-Gsスキンクリーム】を取り扱っております。詳細はこちらのページをご覧ください。

d-Gsサプリメント・スキンクリーム

姉妹院の専門外来との連携:美容皮膚科的アプローチ(高濃度ビタミンC点滴・グルタチオン点滴・プラセンタ・PURE FLOW・ピコレーザー・VISIA肌診断など)をご希望の方には、五良会クリニック白金高輪(2F美容皮膚科・アンチエイジング外来)へのご紹介も可能です。グループ内で情報共有しながら、内科的アプローチと美容医療を一体で進めることができます。


12. よくあるご質問(FAQ)

Q1. AGEs検査は保険適用されますか?

体内糖化度検査(皮膚自家蛍光測定)は自由診療となります。AGEs測定1,000円(税込)+診察料3,000円(税込)です。糖尿病・脂質異常症などで保険診療を受けている方も、その日に同時に受けていただけます。

Q2. HbA1cが正常でもAGEsが高いことはありますか?

はい、十分にあり得ます。HbA1cは過去1〜2か月の平均血糖を反映しますが、AGEsは長期間(年単位)の糖化ストレスの蓄積を反映します。また、食生活(加工食品・揚げ物の摂取)、喫煙、酸化ストレス、慢性炎症など、血糖以外の要因でもAGEsは増加します。「血液検査は問題ないのに体調が優れない」という方こそ、AGEs測定の意義があります。

Q3. AGEsは一度蓄積したら減らせないのですか?

コラーゲンなど半減期の長いタンパク質に蓄積したAGEsは分解が困難ですが、新たな蓄積を抑制することと、細胞のターンオーバーで徐々に置き換わる組織(皮膚・血管内皮など)では時間をかけて改善が見られることが知られています。実際に当院でも、生活習慣改善後3〜6か月でSAF値が低下する方が多くいらっしゃいます。

Q4. お子さんも検査できますか?

はい、年齢を問わず測定可能です。当院は小児科併設ですので、肥満傾向のお子さま・甘い物の摂取が多いお子さまの早期介入として、ご家族でのご受診も歓迎しております。土曜午前も診療しておりますので、ご家族の都合に合わせやすいかと思います。

Q5. どのくらいの間隔で再検査するのが良いですか?

生活習慣改善や治療介入の効果を確認する場合は3〜6か月後、現状維持・経過観察の場合は1年に1回を目安としています。糖尿病・CKD・心血管疾患をお持ちの方は3〜6か月毎の評価をおすすめします。

Q6. 渡航前・健康診断と一緒に受けられますか?

はい、可能です。当院では渡航医学外来・健康診断と組み合わせてAGEs測定を行うことも多くあります。より高度な渡航医学相談(黄熱・狂犬病など)が必要な場合は、姉妹院の五良会クリニック白金高輪(渡航医学認定医2名在籍)と連携してご対応いたします。


13. 関連記事・グループ内連携

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五良会グループでは、田園調布の竹内内科小児科医院、港区の五良会クリニック白金高輪、横浜市都筑区の五良ファミリークリニックセンター南が連携し、患者さまのライフステージや転居・ライフスタイルの変化に合わせて、同じグループ内で継続診療が受けられる体制を整えております。AGE対策はその基盤となる「老化を測り、コントロールする」共通ツールです。


参考文献

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