「Business Journal」医療記事の取材・監修を受けました。Vol.6


<五藤院長が医療記事の取材・監修を受けました>

Business Joural ↓

https://biz-journal.jp/2023/02/post_332306.html


痩せるサプリ」は疑ってかかれ…重篤な健康被害が続出、レビューもサクラだらけ

「毎年1月は、新規入会の方がどっと増えます。年末年始に高カロリーなものを食べ過ぎて体重が増えたので、元に戻したいという理由がダントツです」

そう話すのは、都内大手スポーツジムのトレーナーである。クリスマスケーキ、お節、餅など、高カロリーな食事が続き、気がつけば体重が増えていたという読者も少なくないだろう。しかし、ジムで運動して痩せようという地道な選択をする人ばかりではなく、「早く、楽をして痩せたい」と考える人も多いのが現実である。

そういった心につけ込んだ“危険な痩せ薬”が横行し、昨年から摘発が相次いでいる。「痩せるサプリ」として販売しているケースが多く、気軽に購入できることから、大きな健康被害も出ている。そういった現状に対し、竹内内科小児科医院院長の五藤良将医師は警鐘を鳴らす。


■ 信頼性の低いレビューに注意

「大手メーカーでも一般にダイエットサプリと呼ばれる、ダイエットをサポートする製品を販売しているため、『サプリメントで痩せる』などという広告を信頼してしまう人もいます。昨年、韓国でネット販売されているダイエット薬から、覚せい剤の原料となる成分が基準値を超える濃度で検出されたケースがあり、私も広く注意喚起することに努めていました。しかし、そういった危険な製品が後を絶たないのが現状です」(五藤医師)

実際に昨年10月、「食べると痩せる」と広告し、未承認の医薬品成分が含まれたゼリーを販売したベトナム国籍の女が逮捕された。多くの人が重い健康被害を受けているにもかかわらず、購入する人がいたのは不思議であるが、その理由は巧妙な販売方法にあるという。

「違法なダイエットサプリの常套手段が『レビュー』です。レビューには『使用者』として『1カ月で10Kg痩せました』『健康的に痩せました』などといったコメントが溢れています。そういったレビューの多くは『サクラ』ですが、心から痩せたいと願っている人にとっては、疑いよりも自分も使用して痩せたいという気持ちが勝ってしまう傾向にあります」(同)

サプリメントに痩せるほどの効果があるとすれば、何かしら強い効果がある成分が入っていると予測され、安全性を疑うべきであると五藤医師は話す。そういったレビューに騙されないためにも、“痩せる”原理を知ってほしいという。

「食事制限や適度な運動をせずに、サプリメントだけで安全・簡単に痩せることはできません。食べる摂取カロリーが運動などによる消費カロリーを上回っていたら、痩せることは難しいのです。基礎代謝を上げることで痩せやすい体をつくることはできますが、一朝一夕でできることではありません」(同)

■ ダイエットサプリ、相次ぐ摘発

厚生労働省のホームページを見ると、違法成分が含まれたダイエットサプリの摘発について情報が公開されている。そのなかでも頻繁に的発されているのが、医薬品成分の「シブトラミン」を含む製品である。前述した昨年10月に摘発された製品にも、シブトラミンが含まれていたことが公表されている。服用した人が吐き気や動悸などの症状を訴えるなど、その健康被害は深刻である。

「シブトラミンは、1997年に肥満抑制薬としてアメリカ食品医薬品局(FDA)の許可を受けていますが、日本では未承認です。副作用として、血圧上昇・心拍数増加などが報告されており、心臓に疾患のある方が服用すると、危険な状態になる可能性もあります。アメリカ国内ではFDAの許可後、2003年8月までに54例の死亡事例が報告されています」(同)

摘発が相次いでいるにもかかわらず、被害が後を絶たないのはなぜだろうか。

「日本では、サプリメントに関して全成分表記が義務化されていないことが、危険な成分を含むサプリメントの流通を許してしまう原因だと思います。どんな成分がどれだけ入っているのか、わからないサプリメントが販売されているのが現状です。日本におけるサプリメントは、食品として栄養補助の目的で摂取するもので、裏返せば、サプリメントとしての明確な定義がないとも言えます。サプリメントの品質や規格は、メーカーによって大きく異なります」(同)

サプリメントによる健康被害に遭わないためにも、過大広告に惑わされず、成分を確かめることが大切だ。「1カ月で痩せる」「楽に痩せる」といった、常識ではありえない効果を謳っているサプリメントは危険だと思って間違いないだろう。

いつの時代もダイエットは多くの人の興味を集めるものであるが、その王道は「食事管理」と「運動」であることを忘れないでほしい。

(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〒145-0072 東京都大田区田園調布本町40-12-201

竹内内科小児科医院 (東急東横線多摩川駅徒歩5分)

TEL : 03-3721-5222

https://www.takeuchi-iin.jp/

友だち追加

Author: 五藤 良将