睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病との関連性

睡眠中のいびき、呼吸が止まっていると指摘されたことはありませんか?ちゃんと寝たつもりなのに翌日も眠たくて疲れが残っていると感じることはありませんか?
・睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病との関連性
・睡眠の質を上げて日々のパフォーマンス向上を
について医療監修依頼を受けて、記事になっておりますので転記いたします。

https://ziiiiigu.jp/clinic/%e7%ab%b9%e5%86%85%e5%86%85%e7%a7%91%e5%b0%8f%e5%85%90%e7%a7%91%e5%8c%bb%e9%99%a2/

 睡眠はとても大切です。ひと昔前は「受験は四当五落(四時間睡眠の人は合格し、五時間睡眠の人は不合格)。」などと言われていました。
”Sleep now and a dream will come out; Study now and a dream will come true.”(今居眠りすれば、あなたは夢をみる。今学習すれば、あなたは夢が叶う。)ご存知の方も多いかと思いますが、ハーバード大学の図書館に掲示されている名言の一つです。
必要な睡眠時間は年齢など人生ステージによって変わりますが、人類の歴史を考えると7時間くらいは欲しいところ。とにかく寝ないで机に長時間向うことが目的になってしまい、睡眠不足による集中力低下、学習効率の低下を侮っている事態になりかねないです。
 アメリカ睡眠医学会のコンセンサス声明によると、健康を最適に維持するために推奨される睡眠時間は以下の通りです:

  • 4ヶ月から12ヶ月の乳児は、昼寝を含め1日に12〜16時間の睡眠が推奨されます。
  • 1歳から2歳の子どもは、昼寝を含め1日に11〜14時間の睡眠が推奨されます。
  • 3歳から5歳の子どもは、昼寝を含め1日に10〜13時間の睡眠が推奨されます。
  • 6歳から12歳の子どもは、1日に9〜12時間の睡眠が推奨されます。
  • 13歳から18歳の中高生は、1日に8〜10時間の睡眠が推奨されます。

これらの睡眠時間は、注意力、行動、学習、記憶、感情の調節、生活の質、そして精神的および身体的健康を含む良好な健康成果と関連しています。一方で、推奨される時間よりも少ない睡眠時間は、注意、行動、学習の問題、事故のリスク増加、高血圧、肥満、糖尿病、うつ病のリスク増加と関連しています。特に中高生の場合は、自傷行為、自殺念慮、自殺未遂のリスクが増加することが示されています。Shalini Paruthi et al, “Consensus Statement of the American Academy of Sleep Medicine on the Recommended Amount of Sleep for Healthy Children: Methodology and Discussion.”(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27707447/)

大人の場合、アメリカ睡眠医学会と睡眠研究学会の共同コンセンサス声明では、健康を最適に促進するためには、成人は1日に7〜9時間の睡眠が必要であると推奨されています。
Nathaniel F Watson et al, “Joint Consensus Statement of the American Academy of Sleep Medicine and Sleep Research Society on the Recommended Amount of Sleep for a Healthy Adult: Methodology and Discussion.” (Sleep. 2015 Aug 1;38(8):1161-83. doi: 10.5665/sleep.4886.)

 睡眠時間帯も重要なようです。昼だったり不規則な睡眠形態だと、やはり体によくなくて糖尿病、肥満になりやすくなるという臨床研究報告があります。
睡眠、勤務時間帯と、体重との関連を調査した「ウィスコンシン健康調査」(2008年~2012年)のデータ解析によると、夜勤シフトの勤務者の過剰体重(肥満)の割合が47.9%、日中シフト勤務者の過剰体重(肥満)の割合が34.7%であり夜勤シフトの方の方が肥満な割合が高かったという有名な報告があります。
夜間シフトの多い看護師でも糖尿病の発症率が上昇してしまう報告もあります。
夜勤シフトの多い看護師における糖尿病の発症率に関する研究は、以下のような結果を示しています。

  1. 夜勤シフトと糖尿病のリスク: デンマークの看護師を対象にした研究では、夜勤および夕方のシフトに従事している看護師は、昼間のシフトの看護師と比較して、糖尿病のリスクが有意に高いことが示されました。特に、現在夜勤シフトに従事している看護師の糖尿病リスクが最も高かったと報告されています【Hansen et al., 2016】。
  2. 夜勤シフトの期間と糖尿病リスク: 看護師を対象にした米国の大規模コホート研究では、夜勤シフトの期間が長いほど、糖尿病のリスクが高まることが示されています。健康的な生活スタイルを守っている場合でも、夜勤シフトは糖尿病のリスクを増加させると報告されています【Shan et al., 2018】。
  3. 夜勤シフトと代謝の影響: 看護師における夜勤シフトが、グルコース代謝にどのような影響を及ぼすかを調査した研究では、夜勤シフトの間のβ細胞の機能が低下し、これが夜勤シフト中により高い血糖値をもたらす可能性があることが示されています【Sharma et al., 2017】。

僕自身、俳優の神田正輝さんの老衰について医療監修、取材を受けた際に老衰と睡眠について簡単にまとめさせていただいておりますので、詳細は記事をお読みください。短い睡眠時間、過労が早期の老衰をもたらす可能性について回答しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/53af30e65fc4ffe2aaef4f92a7f1ffc3e68ad548?fbclid=IwAR0_tZmR8H2RucZSq-Wk7604lcaRZmxRAWR-zUWUmRLkra6OzubhC8g3CO4

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Author: 五藤 良将